2022年09月03日
農業の風評被害?
こんにちは、ベジママキッチン です!
かねてより、取り組んできた内容ではありますが、今日は皆さんに農業の具体的な風評被害について現場の声を交えてお話しさせていただきたいと思ってます。
「農薬」をテーマにした内容なので、思ってた事実と違うことに驚いたり、ショックを受けるかたもいるかもしれませんが、風評被害が抑えられないところまで来ており、生産者側も深刻に捉え議論しています。
今日はそんな「農薬」のお話。
昨今、ネット界隈、テレビや書籍など様々な場所で目にする「農薬危険」のワード。
実はこれ、50〜60年前くらいの話を未だに信じて盛り上げてる方がいるのを知ってますか?
戦後の日本は食糧危機回避のためにたくさんの農薬を使って、食糧生産し国民を飢えから守ってきたという背景があります。
この時は「科学」なんてものより、明日食べる物に困ってた時代なので虫に効く、病気に効くと言われた農薬をたくさん使っていました。
安全性の概念が浅かった当時の農薬は、一部危険な物もあり、使い方を間違えた沢山の農家さんが犠牲になった背景があります。
そこから同じ轍を踏むわけにはいかないと、科学的根拠を元に法や使用量規定も明確にし、危険だった農薬は全面排除されました。
それ以降は「使用方法を間違えた」という以外では生産者が犠牲になった事件はありません。
そこから生産現場や農薬メーカーなどが血の滲むような努力をし、「より安全に」をテーマに今日まで農薬研究は進められてきました。
今現在ある農薬で使用規定を間違えなければ、身体に影響の出る農薬は何一つありません。
残留農薬に関しても作物ごとに厳しく定められているので、無毒性微量であるか検知できないレベルのゼロに近い水準を保っています。
つまり、無農薬だろうと有機だろうと農薬を使った野菜だろうと差異はないのです。
この事実を無視し、未だに「農薬は危険」とした商法が世の中に幾つあるでしょうか。
食品関連、健康関連、自然派関連、飲食関連、マルチ商法、詐欺まがいのビジネスなど企業だけでなく、個人レベルで「農薬を悪」としたビジネス形態が蔓延してるのが今の日本です。
一般的に農薬を使用する慣行栽培の生産者だけでなく、有機、無農薬栽培の生産者さえも「農薬は危険ではない」という事実が明白のため、風評被害に苦しんでいます。
ある有機農業の生産者は、「オーガニック」「有機野菜」と謳えば、「安心安全」と紐付き多くの消費者に良い作物であるというイメージを定着させてきた。
ただ、現場の実情としては便利なツール(化学農薬や化学肥料、資材など)を手放した、ただの農法に過ぎず、有機野菜が他の野菜と比べて安全である保証はないし、優れてるわけでもない。
オーガニックや有機栽培という言葉だけがブランド定着し、一人歩きしてるような感じだ。と言いました。
ある無農薬栽培の生産者は、農薬が不安視された時代に消費者ニーズに応えるために舵切りをし、難しい栽培に必死に取り組んできた。
野菜の味には自信があるが、農薬が危険なものではないと一般認識が広まった場合、「無農薬野菜」であること以外にどう付加価値をつけるべきなのか悩んでる。と言いました。
日本では長い間、物の売れない時代が続きました。
その中で農産物も他と差別化した付加価値を見出すために無農薬や有機栽培に取り組んだ生産者、事業者が多くいました。
その思いに賛同した企業は、販路として通販を初めて見たり、「無農薬は安心安全!」「オーガニックは身体に良い!」と誇大広告をし、自然派食品店を増やしてみたり、無農薬野菜を扱った健康レストランなんかを始めたり、各種マーケティングをし、「無農薬・オーガニック」を強固たる位置にのし上げました。
ほとんどの生産者は農薬の安全性は揺るぎないものになってる以上、日本の農作物はどれを選んでも安全と理解してます。
ただ、先述した販売マーケティングに関わった生産者の一部は、それ以外の売り方をできなくなってしまってるという現状もあるのです。
オーガニックや無農薬を安心安全という盾にして営業してる店舗も、この実情を知らないか、もしくは分かった上で方向転換できないでいると思います。
その一方で全体の1%にも満たない有機農業、無農薬栽培こそが素晴らしいと評価され、99%の慣行栽培農家は多大なる食糧生産に貢献してきたにも関わらず、安全確保してる農薬で言われのない中傷を受け続けたという事実にも目を向けないといけないのです。
これを読んでくださってる方の中にも「農薬って安全な範囲でしか使われてないって知ってるよ」「無農薬、オーガニックは安全の保証じゃないよね」とご理解いただいてるかたも沢山いると思います。
ただ、気になる情報ばかり毎日目にするような現代社会では、事実ではないことに尾ヒレがついてその効力がいつの間にか大きくなってしまうことがあります。
関係者が努力し続けた50年を、知識のアップデートをせずに未だに誤認し、「農薬危険商法」としてビジネスに繋げている販売者を、生産者側も危惧しているのが、今の現場の声です。
こんな想像もできないような農業の裏側を話されたって戸惑う消費者の方も多いと思います。
ただ、私自身はこの長かった農薬危険商法はもう終わりにしてほしいし、生産現場では農薬危険なんて笑い話になるくらい過去の話なのに、未だに消費者が優良誤認するような販売をしてる事業者にも大いに責任があると思っています。
自分も含めてより多くの消費者が農産物に対する知識のアップデートをしていくことが、結果的に「食の安心安全」をより強くすることになり、消費者と生産者が近くなり、日本の農業を守ることに繋がります。
今まで農薬を使用しないことが「安心安全」の代名詞だったのに、急に農薬危険だなんて大昔の話だよって言われても信じられない方もいると思います。
誤解しないで頂きたいのは、オーガニックや無農薬が悪いのではなく、「農薬を危険と思い込んで」そこから派生していくビジネスやマーケティングに巻き込まれないで、ということをお伝えしたいのです。
今まで通り、無農薬や有機野菜を気に入って買っていただいてた方は、これからも購入することで生産者を支えることになります。
販売者側も徐々にスタイルを変えていくことになるでしょう。
有機、無農薬、慣行など今の生産現場はその垣根を超えて、お互いのよいところを取り入れて、なるべく環境や資源を大事にしながら前向きに仕事をしています。
その中で消費者である私たちがいつまでも「残留農薬って何か怖いよね」程度の知識でいてはもったいない。
農薬を気にしながら野菜やフルーツを食べる時代はとっくに終わってるので、スーパーでもいいし、農家さんから直接でもいいし、野菜、お米、フルーツをもっと楽しんで食べてほしいと思います。
ベジママキッチン の設立当初からの願いである「つくる人とたべる人をつなぐ」を大事にして、今日は農薬に関する話をさせていただきました。
より多くの方にこの内容が伝わりますように。
ベジママキッチン
代表:折笠
かねてより、取り組んできた内容ではありますが、今日は皆さんに農業の具体的な風評被害について現場の声を交えてお話しさせていただきたいと思ってます。
「農薬」をテーマにした内容なので、思ってた事実と違うことに驚いたり、ショックを受けるかたもいるかもしれませんが、風評被害が抑えられないところまで来ており、生産者側も深刻に捉え議論しています。
今日はそんな「農薬」のお話。
昨今、ネット界隈、テレビや書籍など様々な場所で目にする「農薬危険」のワード。
実はこれ、50〜60年前くらいの話を未だに信じて盛り上げてる方がいるのを知ってますか?
戦後の日本は食糧危機回避のためにたくさんの農薬を使って、食糧生産し国民を飢えから守ってきたという背景があります。
この時は「科学」なんてものより、明日食べる物に困ってた時代なので虫に効く、病気に効くと言われた農薬をたくさん使っていました。
安全性の概念が浅かった当時の農薬は、一部危険な物もあり、使い方を間違えた沢山の農家さんが犠牲になった背景があります。
そこから同じ轍を踏むわけにはいかないと、科学的根拠を元に法や使用量規定も明確にし、危険だった農薬は全面排除されました。
それ以降は「使用方法を間違えた」という以外では生産者が犠牲になった事件はありません。
そこから生産現場や農薬メーカーなどが血の滲むような努力をし、「より安全に」をテーマに今日まで農薬研究は進められてきました。
今現在ある農薬で使用規定を間違えなければ、身体に影響の出る農薬は何一つありません。
残留農薬に関しても作物ごとに厳しく定められているので、無毒性微量であるか検知できないレベルのゼロに近い水準を保っています。
つまり、無農薬だろうと有機だろうと農薬を使った野菜だろうと差異はないのです。
この事実を無視し、未だに「農薬は危険」とした商法が世の中に幾つあるでしょうか。
食品関連、健康関連、自然派関連、飲食関連、マルチ商法、詐欺まがいのビジネスなど企業だけでなく、個人レベルで「農薬を悪」としたビジネス形態が蔓延してるのが今の日本です。
一般的に農薬を使用する慣行栽培の生産者だけでなく、有機、無農薬栽培の生産者さえも「農薬は危険ではない」という事実が明白のため、風評被害に苦しんでいます。
ある有機農業の生産者は、「オーガニック」「有機野菜」と謳えば、「安心安全」と紐付き多くの消費者に良い作物であるというイメージを定着させてきた。
ただ、現場の実情としては便利なツール(化学農薬や化学肥料、資材など)を手放した、ただの農法に過ぎず、有機野菜が他の野菜と比べて安全である保証はないし、優れてるわけでもない。
オーガニックや有機栽培という言葉だけがブランド定着し、一人歩きしてるような感じだ。と言いました。
ある無農薬栽培の生産者は、農薬が不安視された時代に消費者ニーズに応えるために舵切りをし、難しい栽培に必死に取り組んできた。
野菜の味には自信があるが、農薬が危険なものではないと一般認識が広まった場合、「無農薬野菜」であること以外にどう付加価値をつけるべきなのか悩んでる。と言いました。
日本では長い間、物の売れない時代が続きました。
その中で農産物も他と差別化した付加価値を見出すために無農薬や有機栽培に取り組んだ生産者、事業者が多くいました。
その思いに賛同した企業は、販路として通販を初めて見たり、「無農薬は安心安全!」「オーガニックは身体に良い!」と誇大広告をし、自然派食品店を増やしてみたり、無農薬野菜を扱った健康レストランなんかを始めたり、各種マーケティングをし、「無農薬・オーガニック」を強固たる位置にのし上げました。
ほとんどの生産者は農薬の安全性は揺るぎないものになってる以上、日本の農作物はどれを選んでも安全と理解してます。
ただ、先述した販売マーケティングに関わった生産者の一部は、それ以外の売り方をできなくなってしまってるという現状もあるのです。
オーガニックや無農薬を安心安全という盾にして営業してる店舗も、この実情を知らないか、もしくは分かった上で方向転換できないでいると思います。
その一方で全体の1%にも満たない有機農業、無農薬栽培こそが素晴らしいと評価され、99%の慣行栽培農家は多大なる食糧生産に貢献してきたにも関わらず、安全確保してる農薬で言われのない中傷を受け続けたという事実にも目を向けないといけないのです。
これを読んでくださってる方の中にも「農薬って安全な範囲でしか使われてないって知ってるよ」「無農薬、オーガニックは安全の保証じゃないよね」とご理解いただいてるかたも沢山いると思います。
ただ、気になる情報ばかり毎日目にするような現代社会では、事実ではないことに尾ヒレがついてその効力がいつの間にか大きくなってしまうことがあります。
関係者が努力し続けた50年を、知識のアップデートをせずに未だに誤認し、「農薬危険商法」としてビジネスに繋げている販売者を、生産者側も危惧しているのが、今の現場の声です。
こんな想像もできないような農業の裏側を話されたって戸惑う消費者の方も多いと思います。
ただ、私自身はこの長かった農薬危険商法はもう終わりにしてほしいし、生産現場では農薬危険なんて笑い話になるくらい過去の話なのに、未だに消費者が優良誤認するような販売をしてる事業者にも大いに責任があると思っています。
自分も含めてより多くの消費者が農産物に対する知識のアップデートをしていくことが、結果的に「食の安心安全」をより強くすることになり、消費者と生産者が近くなり、日本の農業を守ることに繋がります。
今まで農薬を使用しないことが「安心安全」の代名詞だったのに、急に農薬危険だなんて大昔の話だよって言われても信じられない方もいると思います。
誤解しないで頂きたいのは、オーガニックや無農薬が悪いのではなく、「農薬を危険と思い込んで」そこから派生していくビジネスやマーケティングに巻き込まれないで、ということをお伝えしたいのです。
今まで通り、無農薬や有機野菜を気に入って買っていただいてた方は、これからも購入することで生産者を支えることになります。
販売者側も徐々にスタイルを変えていくことになるでしょう。
有機、無農薬、慣行など今の生産現場はその垣根を超えて、お互いのよいところを取り入れて、なるべく環境や資源を大事にしながら前向きに仕事をしています。
その中で消費者である私たちがいつまでも「残留農薬って何か怖いよね」程度の知識でいてはもったいない。
農薬を気にしながら野菜やフルーツを食べる時代はとっくに終わってるので、スーパーでもいいし、農家さんから直接でもいいし、野菜、お米、フルーツをもっと楽しんで食べてほしいと思います。
ベジママキッチン の設立当初からの願いである「つくる人とたべる人をつなぐ」を大事にして、今日は農薬に関する話をさせていただきました。
より多くの方にこの内容が伝わりますように。
ベジママキッチン
代表:折笠
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11572716
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック