ランクル70ピックアップを春に手放したばかりで、まさか・・・とは思うものの、やっぱり興味津々なので試乗してみた。
いつもお世話になっているディーラーには新型ハイラックス試乗車がないので、ちょっと遠くの試乗車のあるディーラーに行かないといけない。
飛び込みも迷惑かと思って事前に試乗車の予約の電話してみたところ、平日にもかかわらず、午後2時以降でないと空いてないとのこと。
残念だけど、午前中しか時間がなかったので、とりあえず見るだけでもと思い、お店に向かった。
11時過ぎに到着。店舗の駐車場にはブラック(アティチュードブラックマイカ)の新型ハイラックス(Z)が展示されているので、早速見学開始。
ハイラックス特集 サクソン、ガナドール、JAOSなどのアフターパーツ特集 RV-SHUEI |
◆エクステリア
やはり、日本車にはない雰囲気を醸し出していて存在感は抜群。
長いけれどそれほど幅が広いわけではない、でも厚みがあるデザインでボリューム感満点。
デザインは今風なので、ランクル70ピックアップのように場所も時代もズレたような違和感もなし。(ランクル70ピックアップはその違和感こそが魅力なんだけど・・・)
▼フロントグリルのメッキ加工、アルミホイールはZのみ▼
▼サイドターンランプ付ドアミラー(メッキ&格納はZのみ)▼
▼おでこ中央にそびえる立つのはラジオアンテナ▼
▼ランクル70ピックアップより少し容量の大きい荷台▼
ランクル79の荷台 幅1600o 長1520o 高400o
ハイラックスの荷台 幅1520o 長1535o 高480o
鼻先にかけてシェイプするデザインゆえに、ガッツミラーが長く伸びてほんとにガッツポーズになってる。
やっぱり実物もいいね〜、と眺めていると、すぐにメカニックの方が来てくれて、営業の方に取り次いでくれると、今から試乗できるとのこと。
これはありがたい。
そんなことで、早速新型ハイラックスの試乗へ。
◆エンジン音
まずは2.4Lターボのクリーンディーゼルエンジン(直4 2.4L 2GD-FTV)をスタート。
Zグレードはスマートエントリー(Xグレードはキーあり)なので、キーを使わずブレーキを踏んでボタンをポチっとするだけ。
プラド試乗のときの初体験では驚いたもんだ。懐かしい。
エンジンをかけただけの時点ではほとんど「ディーゼルらしい」音はしない。
一応、通過儀礼でボンネットを開けて眺めてみると「ディーゼルらしい」というにはやや大人しいけれど、ガソリンエンジンとは確かに違うガラガラ音がする。
なるほど、やっぱりディーゼルだね、と当たり前の確認だけでボンネット内鑑賞は終了。
エンジンをかけただけでは車内に伝わる音は本当に小さくて、ランクル70との違いは何なの?という感じ。
ちなみに、この車のカタログ燃費は11.8km/L。
2.8Lディーゼル(1GD-FTV)のプラドと概ね同じ燃費なので、今時としては際立っていいわけではないけれど、こうガソリンが高騰してくると、ディーゼルエンジン(軽油)のメリットは相当大きい。
◆インテリア・装備
お次はインテリア。
シートこそレザーではないものの、インパネ周りは1ナンバー貨物車とは思えない質感。
特にZグレードなので随所にメッキ加工してあり、クルコン、オートエアコンなどなど、営業マンさんの言葉を借りればかなり「乗用車に寄せた」仕様。
ハイラックスを生産しているタイで販売している仕様からは、かなりの部分、日本販売仕様にグレードアップカスタムしているらしく、ドアの内側や、シフトレバー周辺、マップランプのあたりにはしっかりとドリンクホルダーや収納が作り込まれていて、ランクル70にはない「乗用車っぽい」雰囲気。
最近はプラドやMIRAIにも試乗させてもらったお陰で、インパネの中に液晶があるようなハイテク装備自体にはそれほど驚いたりしなくなったけれど、収納なんかは、これくらいはランクル70もできただろうにねぇ〜、という思いは湧いてくる。
カタログで見ていただけではわからなかった点としては、運転席上部空間の狭さ。
高さも幅も先端に向けて細くなる流線形のデザインのおかげで、運転席に座ると、おでこのすぐ上に天井がある感じ。
そもそも、全高がランクル70は1920(バン)、1950(ピックアップ)であるのに対してハイラックスは1800しかない(最低地上高はほぼ同じ)ことに加えて、デザインもあるので、仕方ない。
ランクル70みたいなカクカク車と乗り比べなければ何とも思わないんだろうな(ランクル70のカタログには室内高などの記載があるんだけど、新型ハイラックスにはないから正確なところは不明)。
そして、装備的にはZグレードには自動ブレーキ(プリクラッシュセーフティシステム)まで搭載しているというのだからビックリ。(新型プラドも同様らしい)
あとは、Z・X両グレードとも、リアゲートの取っ手部分にバックカメラも予め搭載されているのはありがたい。この長い車体でカメラ無しでバックするのは自分には無理。
◆走り心地
さて、路上に出ようと走り始める。
新型ハイラックスの車内はやはり乗用車っぽく静か。
加速しようとアクセルを踏み込むときだけディーゼルのガラガラ音の小さいやつが聞こえるけれど、小声で充分会話可能。
ランクル70と何が違ってこんなに静かなるんだろ・・・
新型ハイラックスもリアは板バネだというから、ランクル70に近い乗り心地かな、と思っていたのだけれど、案外柔らかい、これまた乗用車っぽい乗り心地。
まぁ、大した凹凸を乗り越えるような場面もなかったからよく分からないし、営業マンさんは後部座席に重たい自分が乗っているからかも、と言っていたけれど、それだけではないような・・・
◆エンジン
2.4Lディーゼルターボエンジン(2GD-FTV いわゆるクリーンディーゼルエンジン)、2トンを超える車重の新型ハイラックスに力不足はないのかな?と以前から思っていて、乗り始めてしばらく、遠慮がちにアクセルを踏んでいたこともあって、やっぱり、ちょっと反応が鈍いかな、非力かなぁ、と一丁前に思ったりしていたけれど、ただの思い込み。
慣れてきて思い切りよくアクセルを踏み込んで走るようになると、全然そんなことなし。
坂道でもグイグイ昇る力強さに、街乗り専門家としては何の不満もない感じ。
上りの山道なんか走るとどんな感じなんだろ、と興味がわいた。
MT車のようにガチっと2速に入れてグイッ、3速に入れてグーン、スイッみたいなレスポンスを望まなければ十分な走りじゃないかと。
◆回転半径
また、新型ハイラックスのカタログを見ていて、全長5335mm、ホイールベース3085oとランクル79(全長5270o ホイールベース3180o)を上回る長い車体のわりに小さい最小回転半径6.4mは実際どんなものかと思ったけれど、やはりランクル79よりは、はるかに小回りが利く。
・再販ランクル70ピックアップ:7.2m
・ディフェンダー110:6.4m
・再販ランクル70バン:6.3m
・ベンツ ゲレンデ(G63 AMG):6.2m
・ランクル80VX−LTD(後期型):6.0m
・現行パジェロ5ドア:5.7m
・レンジローバーイヴォーク:5.5m
・プリウス“ツーリングセレクション”:5.5m
決して「普通の車」と比べて小回りが利くほうではないけれど、この程度なら都心部の街乗りでも(狭い駐車場を除いては)困る場面は少ないんじゃないかな?
一丁前にランクル70ピックアップの時を思い出してコーナーを曲がろうとして、ついつい小回りになりすぎてハンドルを戻したりしてしまった。
◆お値段
一通りいろいろな新型ハイラックス話を教えてもらいながら試乗を終えて、次はお見積りをお願いした。
今回のハイラックス、メーカーオプション一切なしの2グレードなので、いたってシンプル。
ディーラーオプションはフロアマットのみ。
自動車取得税と重量税はクリーンディーゼルエンジンということでなんと免除。
そして驚くことに、現在オーダーしても納車時期は来年の2018年10月ということなので、10月登録前提で以下の金額。
ハイラックスX 3,407,338円
ハイラックスZ 3,882,538円
まぁ、ほとんどランクル70の新車時価格と似たようなものかな。
ちなみにランクル70同様、ディーラーの利幅の薄い車で、大幅な値引きは将来的にも望み薄じゃないかとのことだった。
◆全体的な感想
プチアメ車っぽい厚みあるスタイルと、存在感。
最初はランクル70ピックアップとの比較という意識だったのだけれど、実物を見ると、ランクル70とは別世界(ジャンル)の車という感じがした。
だからといって、魅力がないかというと、まったく反対で、今風なデザインとトラックらしからぬ高級感はオンリーワンな感じでとても魅力的だった。
AT車なので、本格的なクロカンをやるような人にはモテないかもしれないけれど、TRDから12月に発売予定のキャノピーをはじめ多くのパーツが用意されていたり、今後いろいろ出るであろうアフターパーツを使ってカスタムすると、色々なオーナー好みのハイラックスを作ることができそうだし、カスタム面でも楽しめそう。
自分的にはシンプルなデザインと装備のXグレードのハイラックスに惹かれるけれど、「この手の車」らしくラダーフレームに板バネ、パートタイム四駆にリアデフロック付きなんて仕様でありながら、自動ブレーキやスマートエントリーなどの最新装備が組み合わされるZグレードも魅力的ではある。
余裕があれば、2台目としてZグレードを買って見た目だけXグレード風にダウングレード、ってのが理想かな?
ちなみに、今日の営業マンさんのお客さんで古いハイラックスピックアップに乗っていた人はほとんどの人が乗り換えたとのこと。
新型の人気に加えて、旧型の中古車市場での人気が後押ししているのだとか。
おまけといっては何だけれど、ハイラックスサーフも中古車市場で高値になっているらしい。ピックアップだけしか発売されなかったので、サーフに期待していた人たちが中古に殺到中??
確かに、ランクル70がピックアップしか再販されてなかったら同じことになってたかもしれないなぁ・・・ランクル70はバンが出て良かった。
そんなことを考えながらランクル70に乗って帰路について、やっぱりランクル70はいいなぁ〜、と・・・
お忙しい中、試乗させていただいたディーラーの営業マンさんに感謝。
【ニューハイラックス用にJAOS製TRIBE CLAWホイール!】
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牽引力2000kg対応で耐久性の高いヒッチメンバー shur-liftヒッチメンバー・ハイラックス125系
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コメントありがとうございます。こちらも本命見積りはブラックのXでした。高級感あって良かったです。丸目70の存在感にはかないませんけどね〜
コメントありがとうございます。今回のハイラックスみたいな車が売ってるってだけで嬉しいですよね。
ランクル70、ハイラックス、次は何かと期待しちゃいます。
いかにも働く車の雰囲気があってベランダから眺めてます、存在感アリアリですね。
初代サーフ乗りだったので興味はつきない再販ハイラックスですが、試乗はしていなかったりします。
ダブルキャブは前職で使ったことが有り、前輪独立懸架とリアリーフの設定が乗用車的で素晴らしいと感じていました。
ハイラックスの先進的なインテリアとボディのデザインは売りの必須項目ですが、天井の低さと乗り込む時の頭をぶつけやすいのが難点(車高が有って足が短いとどうしても)。
昔々、十代の頃に丸目のフロントリーフのダブルキャブを見て四駆を必ず買うって決めたのを思い出します。
再販ハイラックスは荷台の扱いを貨物車的な物からパーソナル性の高い物にしてとても嬉しく思います。
(実はこんなのが欲しかったんですよね、しかし70ピックアップには難しいか・・・)