2010年08月09日
PCのマザーボードの種類と規格(その1)
PCに関する基礎知識として各種の規格を調べてみました。全文字数が10,000字を超えるので(その1)と(その2)に分けてアップしました。
先ずは、マザーボードの規格について。(その1)
マザーボードには様々なサイズの製品があり、使っているPCが故障しマザーボードを交換するはめになった場合には、マザーボードに関する知識が必要となります。
PC(IBM/AT互換PC)普及以前にはパソコンメーカーが独自に設計したため他メーカとの互換性は殆どありませんでした(パソコン価格が高価だったので余計なことをする余裕があった)。
その後、PCの価格が劇的に下がったため製造がOEMによる外注となり、コストを掛けてカスタマイズするだけの経済的なメリットが薄れたためか、大昔に比べて変なカスタマイズを行うメーカーが減りました。
ただDELLやHPなど世界中で大量に販売するPCセットメーカーは、製造工程の合理化のためなのか物理的な形状が独自規格となっています。
またマザーボードの規格のうち、一般人が手に触れそうな規格のみを対象とし、ブレードサーバーなどで採用されているSSIなど修理するにも高価過ぎて一般人では必要に乏しいと考えられる規格は割愛しました。
ATX規格のマザーボードの大きさの比較
ATX規格とITX規格のマザーボードの大きさの比較
ITX規格/DTX規格/DTX規格のマザーボードの大きさの比較
(参考サイト)
MBFormFactor情報
form factor.org
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
PCの代表的なマザーボード規格(目次)
(その1)はここで、(その2)は(その2)で紹介します。
・AT(その1)
・BabyAT(その1)
・LPX(その1)
・NLX(その1)
・ATX(その1)
・Full-ATX(その1)
・MiniATX(その1)
・MicroATX(その1)
・FlexATX(その1)
・BTX(MTX/MicroBTX/picoBTX)(その1)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
以下、(その2)で紹介します。
VIAが中心となって提唱した工業用小型マザーボード用の規格
・MiniITX(その2)
・Nano-ITX(その2)
・Pico-ITX(その2)
AMDが提唱した規格(2007年)
・DTX(その2)
・Mini-DTX(その2)
NVIDIAが提唱した規格
・ION(その2)
------------------------------------------------------
AT規格(IBM) ---- Full Size AT
・幅305mm(12inch)x奥330mm(13inch)
IBM社製最初のパソコン(PC)に搭載されたマザーボードの規格
マザーボード画像例
BabyAT規格
・幅216mm(8.5inch)x奥330mm(13inch)
AT規格の小型にしたもの。
(例) Biostar M6VLAなど
LPX規格(Western Digital)
・幅229mm(9.0inch) ×奥330mm(13.0inch)
AT規格をベースとし、ライザーカードによりインターフェース等を拡張する。
マザーボードの形状やコネクタの配置、ライザーカードの物理的電気的仕様などが規定されておらず、互換性のない場合もある。
NEC/富士通などの国産メーカーがデスクトップPCに採用
メーカー独自仕様の部分があり、異なるメーカのPC間の互換性は低かった。
(例)富士通FMV-DeskPower FMV-499D3など
NLX規格(intel)
・幅203〜229mm(8.0〜9.0inch)x奥254mm〜345mm(10.0〜13.6inch)
LPXの規格統一版。
マザーボードの形状やコネクタの配置、ライザーカードの物理的電気的仕様などが細かく規定され互換性が考慮されている。
NEC/富士通/日立/IBMなどの国産メーカーが、省スペースタイプのPCに採用。
しかしカスタマイズによりメーカー独自仕様の部分を作ったため、異なるメーカのPC間の互換性が損なわれた。
マザーボード画像例
右のメインボードを、左のライザーカードに差して使用する。
ATX規格(intel)
・幅305mm(12inch)x奥244mm(9.6inch)
・拡張スロット上限数7本
現在も製造されている規格
マザーボード画像例(Biostar TPOWER X55A)
Full-ATX規格
・幅305mm(12inch)x奥260mm(10.25inch)
マザーボード画像例
MiniATX規格
・284mm(11.2inch)x208mm(8.2inch)
ATX規格の小型版。
すぐ後にMicroATX規格が発表されたので厳密な意味のMiniATXマザーは非常に少ない。
MicroATX規格
・幅244mm(9.6inch)x奥244mm(9.6inch)
・拡張スロット上限数4本
現在も製造されている規格
マザーボード画像例
FlexATX規格
・幅229mm(9inch)x奥191mm(7.5inch)
・拡張スロット上限数3本
高さ制限が厳しいため、Slot1/SlotAはFlexATX規格では採用できない。
IBM社製スリムPCに採用された。
マザーボード画像例
BTX規格(intel)
・幅325mm(12.8inch)x奥267mm(10.5inch)
・最大7スロット
ATXマザーボードと比べて、インターフェースカードの位置が上下(左右)逆となっている。
2003年にインテルにより熱問題を解消する為に提唱されたが、インテル一社の都合による規格変更という趣が強く、普及せず2007年には製造中止となった。
普及を妨げた最大の理由は、ATXより幅が大きく筐体を含めたシステムであったので、既存のATX-PCの買い替え用途としてはコスト上昇のため敬遠されたのと、低発熱のCoreDuoなどのCPUが発売されたためCPUの熱処理の重要度が下がったため。
なお同時にBTXの小型規格も提唱された。
* microBTX規格(BTXの小型版)
・ 幅264.16mm×奥266.7mm
・ 4スロット
* picoBTX規格(microBTXの小型版)
・ 幅203.20mm×奥266.7mm
・ 1スロット
(microBTXの例)
マザーボード画像例
先ずは、マザーボードの規格について。(その1)
マザーボードには様々なサイズの製品があり、使っているPCが故障しマザーボードを交換するはめになった場合には、マザーボードに関する知識が必要となります。
PC(IBM/AT互換PC)普及以前にはパソコンメーカーが独自に設計したため他メーカとの互換性は殆どありませんでした(パソコン価格が高価だったので余計なことをする余裕があった)。
その後、PCの価格が劇的に下がったため製造がOEMによる外注となり、コストを掛けてカスタマイズするだけの経済的なメリットが薄れたためか、大昔に比べて変なカスタマイズを行うメーカーが減りました。
ただDELLやHPなど世界中で大量に販売するPCセットメーカーは、製造工程の合理化のためなのか物理的な形状が独自規格となっています。
またマザーボードの規格のうち、一般人が手に触れそうな規格のみを対象とし、ブレードサーバーなどで採用されているSSIなど修理するにも高価過ぎて一般人では必要に乏しいと考えられる規格は割愛しました。
ATX規格のマザーボードの大きさの比較
ATX規格とITX規格のマザーボードの大きさの比較
ITX規格/DTX規格/DTX規格のマザーボードの大きさの比較
(参考サイト)
MBFormFactor情報
form factor.org
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
PCの代表的なマザーボード規格(目次)
(その1)はここで、(その2)は(その2)で紹介します。
・AT(その1)
・BabyAT(その1)
・LPX(その1)
・NLX(その1)
・ATX(その1)
・Full-ATX(その1)
・MiniATX(その1)
・MicroATX(その1)
・FlexATX(その1)
・BTX(MTX/MicroBTX/picoBTX)(その1)
--------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
以下、(その2)で紹介します。
VIAが中心となって提唱した工業用小型マザーボード用の規格
・MiniITX(その2)
・Nano-ITX(その2)
・Pico-ITX(その2)
AMDが提唱した規格(2007年)
・DTX(その2)
・Mini-DTX(その2)
NVIDIAが提唱した規格
・ION(その2)
------------------------------------------------------
AT規格(IBM) ---- Full Size AT
・幅305mm(12inch)x奥330mm(13inch)
IBM社製最初のパソコン(PC)に搭載されたマザーボードの規格
マザーボード画像例
BabyAT規格
・幅216mm(8.5inch)x奥330mm(13inch)
AT規格の小型にしたもの。
(例) Biostar M6VLAなど
LPX規格(Western Digital)
・幅229mm(9.0inch) ×奥330mm(13.0inch)
AT規格をベースとし、ライザーカードによりインターフェース等を拡張する。
マザーボードの形状やコネクタの配置、ライザーカードの物理的電気的仕様などが規定されておらず、互換性のない場合もある。
NEC/富士通などの国産メーカーがデスクトップPCに採用
メーカー独自仕様の部分があり、異なるメーカのPC間の互換性は低かった。
(例)富士通FMV-DeskPower FMV-499D3など
NLX規格(intel)
・幅203〜229mm(8.0〜9.0inch)x奥254mm〜345mm(10.0〜13.6inch)
LPXの規格統一版。
マザーボードの形状やコネクタの配置、ライザーカードの物理的電気的仕様などが細かく規定され互換性が考慮されている。
NEC/富士通/日立/IBMなどの国産メーカーが、省スペースタイプのPCに採用。
しかしカスタマイズによりメーカー独自仕様の部分を作ったため、異なるメーカのPC間の互換性が損なわれた。
マザーボード画像例
右のメインボードを、左のライザーカードに差して使用する。
ATX規格(intel)
・幅305mm(12inch)x奥244mm(9.6inch)
・拡張スロット上限数7本
現在も製造されている規格
マザーボード画像例(Biostar TPOWER X55A)
Full-ATX規格
・幅305mm(12inch)x奥260mm(10.25inch)
マザーボード画像例
MiniATX規格
・284mm(11.2inch)x208mm(8.2inch)
ATX規格の小型版。
すぐ後にMicroATX規格が発表されたので厳密な意味のMiniATXマザーは非常に少ない。
MicroATX規格
・幅244mm(9.6inch)x奥244mm(9.6inch)
・拡張スロット上限数4本
現在も製造されている規格
マザーボード画像例
FlexATX規格
・幅229mm(9inch)x奥191mm(7.5inch)
・拡張スロット上限数3本
高さ制限が厳しいため、Slot1/SlotAはFlexATX規格では採用できない。
IBM社製スリムPCに採用された。
マザーボード画像例
BTX規格(intel)
・幅325mm(12.8inch)x奥267mm(10.5inch)
・最大7スロット
ATXマザーボードと比べて、インターフェースカードの位置が上下(左右)逆となっている。
2003年にインテルにより熱問題を解消する為に提唱されたが、インテル一社の都合による規格変更という趣が強く、普及せず2007年には製造中止となった。
普及を妨げた最大の理由は、ATXより幅が大きく筐体を含めたシステムであったので、既存のATX-PCの買い替え用途としてはコスト上昇のため敬遠されたのと、低発熱のCoreDuoなどのCPUが発売されたためCPUの熱処理の重要度が下がったため。
なお同時にBTXの小型規格も提唱された。
* microBTX規格(BTXの小型版)
・ 幅264.16mm×奥266.7mm
・ 4スロット
* picoBTX規格(microBTXの小型版)
・ 幅203.20mm×奥266.7mm
・ 1スロット
(microBTXの例)
マザーボード画像例
【PC関連の最新記事】
この記事へのコメント