伊達の徒然なるままに

馬場さんのことは、前回エピソード1を読んでくだされば、だいたいお分かりいただけると思いますので今日は、エピソード2をご紹介します。
　私が、以前勤めていた印刷会社では、年に２回、正月明けと盆明け位に社員大会と銘打ち、大阪南港にあるコスモスクエアーというホテル付きの大ホールを1日貸切で社員一同、取引関係会社の一部、取引銀行関係の役員などをご招待し、社員の日頃の活動内容や、TQC(総合品質管理）活動、業績推移、次年度目標表明やそのほか、業績に貢献の有った社員を表彰する一大イベントを行います。ざっと総勢200人から300人くらいかな。
　その中で、社員表彰というプログラムがあり、どこで仕入れた来たのか？わかりませんが、どこかの大企業で実践しているらしいのですが、表彰にあたり、優秀な者を表彰するのは、当たり前なんですが、ダメな方でも表彰しょうということを始めたんです。まあ、見せしめでしょうが。映画に詳しい人なら、アカデミー賞の反対の最低映画に贈られる賞があるのをご存知でしょうか？今、私も正式名称が思い出せませんが。
　社員表彰の場面で、勤続5年表彰や10年表彰、トラブル未然防止賞、改善提案賞、資格取得賞などなど、舞台の上で各社員表彰、表彰状授与。そこに、チョンボの王様賞といのがあり、何と馬場〇治さんの名が呼ばれました。
　馬場さんは、うれしそうに舞台に参上、ものすごく喜んでいます。まさにこの上なくご満悦というところです。社長から表彰状を受取り、この世の最上の幸せという感じです。
　会場のあちらこちらから、馬場さん「よろこんでるでー」という冷やかな声がひっきりなし。
　舞台から降りてきた当の本人はと言えば、「こんなんもらったん初めてや！」としきりに喜んでいます。それ以上私たちは、本人が喜んでいる以上何も言えませんでした。さすがに馬場さん、本当の意味を理解していません。誰か？教えてやらんとあかんの違う？と思えど誰が言うねん状態。
　ここからが、馬場さんの本領発揮。翌日、会社に出社してきた馬場さん、「昨日、チョンボの王様賞もらったが、アレって馬鹿にされてるんやー」と怒っています。他の者は、何を今さら言うてんねん、気が付くのが遅すぎるわー状態。
　馬場さんの一番弟子によると、昨日馬場さんは、喜びに充ち溢れ、家に帰り家族に、「会社からこんな貰ってん」と自慢したらしいんです。「どれどれ」と息子さんが表彰状を見て、「おやじ、喜んでる場合やないやろう。これっておやじ、馬鹿にされてるやんけー」と。
　それを聞いた馬場さん、ようやく「馬鹿にされてるんかー」と怒りだしたそうです。
　これも実話です。
　
　







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