2019年05月05日
都立中高一貫校 ★ 受検偏差値・大学合格実績の比較で見えてくること < 2019年 >
都立中学 偏差値 ランキング
★ 最初に
中学・高校の価値は、入学時の偏差値や大学合格実績だけではありません。
しかし、現実の競争社会下において、偏差値・大学合格実績という尺度による見方は、深く世の中に根付いており、また生徒諸君の勉学への努力が目に見える形で現れる数値です。
したがって、都立中高一貫校の実力を、具体的な偏差値・大学合格実績の比較で見たみたいと思います。
★ 都立中高一貫校の現状
まず、2019年5月現在の都立中高一貫校(含む区立)は次の通りです。
〇 白鴎高校附属中学校
〇 小石川中等教育学校
〇 両国高校附属中学校
〇 桜修館中等教育学校
〇 武蔵高校附属中学校
〇 立川国際中等教育学校
〇 富士高校附属中学校
〇 大泉高校附属中学校
〇 南多摩中等教育学校
〇 三鷹中等教育学校
〇 九段中等教育学校(千代田区立)
11校存在し、都民であればどの学校にも受検(受験)資格があります。
又、高校からの編入がない中等教育学校と、高校でも生徒を募集する付属中学校の二種類のタイプがあります。
★ 合格実績を見ていただく前に
まず、合格実績を見ていただく前に、今年の卒業生が受検した6年前の受検事情を振り返っておきましょう。
「都立中高一貫校、なかなか良いらしいじゃない、我が家もとりあず受検してみるか!」
6年前の受検事情を簡単に表現すると、このような言葉になると思います。
6年前の受検時、都立中高一貫校の受検倍率は多くの学校で一気に上昇しました。
例えば、桜修館では、前年の6倍弱が一気に9倍へと跳ね上がりました(男女平均倍率で)。
倍率だけではありません。
各進学塾が公表する偏差値も、大多数の学校で大きく上昇しました。
まだ卒業生を出していなかった学校の偏差値も連れ高となり、学校側の立場から見ると棚ぼた現象となりました。
(詳細は、下の< 表3>< 表4>でご確認下さい。)
これは、前年の小石川・両国・桜修館・九段の中高一貫化後1期生の大学合格実績が、多くの人にとってサプライズな内容だったためです。
小石川・両国・桜修館が東大に5名づつの合格者を出すなどの結果が、中高一貫教育のノウハウ・経験が全くなかった公立高校の初回実績としては「上出来だ!」と評価されたのです。
こうなると、「安い」「近い」だけでなく、「大学進学心配なし」が加わった都立中高一貫校への人気は鰻のぼり。
私立中学受験しか考えていなかった家庭は、2月3日は都立中高一貫校を受検してみましょうとなりました。
また、そもそも中学受験なんてものに関心を持っていなかった家庭も、そんなに良い学校なら、ダメ元で単願受検してみるかという雰囲気が一層醸成されました(我が家はこのパターン)。
★ 2019年難関国立大学合格実績
大学合格実績を見て頂くにあたり、次の4つの表を準備してみました。
〇 < 表1> 2019年 都立中高一貫校の難関国公立大学の合格者数
〇 < 表2> 2019年 進学指導重点校の難関国公立大学の合格者数
〇 < 表3> 都立中高一貫校(男子)の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
〇 < 表4> 都立中高一貫校(女子)の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
各都立中高一貫校の合格実績について、この4つの表で、進学指導重点校との実力差や入学時偏差値の変化を意識しながら、見て頂ければと思います。
<表1>と<表2>について、学校毎に卒業生の人数が異なるため、表の一番右の「割合」で、まずは概況を把握頂ければと思います。
この「割合」は、世間一般で言う難関国立大学(東大・京大・一橋大・東工大・国公立医学部)の合格率を示しています。
<表3><表4>については、次のポイントの比較を狙いとしています。
・都立中高一貫校の今年の卒業生が受検(受験)した年(2013年)と今年(2019年)の合格難易度の差
(比較に使う中学偏差値は、四谷大塚の女子80偏差値(合格する可能性が80%の偏差値))
・都立の中高一貫校と進学指導重点校の合格難易度の差
(比較に使う高校偏差値は、V模擬・W模擬の80偏差値。「中学受験偏差値」≒「高校受験偏差値」−「10」”と言われるため、高校偏差値から「10」引いた数値が中学受験偏差値と並ぶように表示。)
< 表1> 2019年 都立中高一貫校の難関国公立大学の合格者数
※ ()無は今年の実績、()有は昨年の実績
※1:東大理V合格者は国医でカウントせず(東大でカウント)
< 表2> 2019年 進学指導重点校の難関国公立大学の合格者数
※ ()無は今年の実績、()有は昨年の実績
※1:東大理V合格者は国医でカウントせず(東大でカウント)
< 表3> 都立中高一貫校(男子 )の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
※都立高校については、ここ数年で偏差値に大きな動きがない為、2019年分のみを表示。
< 表4> 都立中高一貫校(女子)の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
※都立高校については、ここ数年で偏差値に大きな動きがない為、2019年分のみを表示。
★ 見えてくること
さて、各都立中高一貫校の大学合格実績を見ていただいて、どのように感じたでしょうか。
前回記事の速報ベースで記載したことと被りますが、私の感じたことを書いていこうと思います。
〇 増え続ける難関国立大学合格者数
都立中高一貫校11校全体の難関国立大学合格者数は、次のとおり、年々増加の一途です。
<2016年>121名 → <2017年>137名(+16名)→ <2018年>147名(+10名)
→ <2019年>172名(+25名)
凄いですよね。
毎年毎年、「2桁増」という中国の軍事予算並の増加ペースで、合格者数を増やし続けています。
都立中高一貫校と同程度の偏差値帯にある私立中学・高校にとって、この状況は脅威でしかないでしょう。
大学受験は椅子取りゲームと同じ。
都立中高一貫校の椅子が増えると、どこかの学校の椅子が減る訳ですから。
石原元都知事の夢であった「都立高校の復権」は、進学指導重点校の頑張りと合わせて、今後もまだまだ続くように思われます。
〇 学校間の差がやや拡大傾向
都立中高一貫校11校の結果を眺めてみると、合格割合が1〜3位の小石川・武蔵・桜修館と4〜11位の両国などとの間に、やや大きな差が出たように思えます。
小石川・武蔵は、毎年、立派な実績を出していますが、今年は更に結果を上乗せしました。
桜修館は、今年、実績を倍以上とし、大きく飛躍しました。
ただこの3校以外は、想像していた程に結果を出せていない印象です。
表3・表4にある各校のA列・B列を比較頂ければと思います。
多くの学校で今年の卒業生の入学時学力は前年より高かったと思われますが、その後の学習指導方法等で差が出たのかもしれません。
しかしながら、都立中高一貫校間ではノウハウ共有の仕組みが確立されています。
したがって、今年あまり結果の出せなかった学校も、いずれ実績を上げてくるものと思われます。
〇 現役対決、実は「都立中高一貫校の上位校 ≧ 都立トップ校」
表1と表2で、都立中高一貫校と進学指導重点校の各上位3校の結果を見比べて頂きたいと思います。
都立中高一貫校の小石川・武蔵・桜修館と進学指導重点校の日比谷・国立・西の差がかなり小さくなりました。
まだ都立トップ校の日比谷・国立・西の方がやや合格割合が高い状況と言えますが、実は、”現役”合格率で難関国公立大学の合格状況を見ると、事情が異なってきます。
現役合格率とは、浪人を除いた現役だけの合格者数を卒業生数で割った割合となります。
言わば、2019年卒業組だけのガチンコ同級生対決です。
多くの学校を比較しても見づらいので、小石川・武蔵・桜修館と日比谷・国立・西の6校で比較しましょう。
( 算出式 : 現役合格率 = 現役合格者数 ÷ 卒業生数 )
・小石川 : 23.7% ( 37名 ÷ 156名 )
・日比谷 : 17.8% ( 57名 ÷ 321名 )
・桜修館 : 16.6% ( 25名 ÷ 151名 )
・武蔵 : 14.1% ( 27名 ÷ 191名 )
・国立 : 13.4% ( 43名 ÷ 322名 )<※2>
・西 : 11.0% ( 35名 ÷ 317名 )
<※2> 医学部の現浪比率が不明のため、東大・京大・一橋・東工大合計との同比率で医学部現役合格者を仮算出して記載
どうでしょうか。
割合の高い順に並べて見ましたが、小石川・桜修館・武蔵の高い現役合格率が光り輝いていませんか。
これは、都立中高一貫校は全般的に現役で大学に進学しようとする意識・傾向が強く、合格者に占める現役の比率が高いためです。
小石川は、日比谷を上回り、4〜5人に1人が合格しています。
桜修館は、日比谷とほぼ互角、国立・西を確実に上回り、6人に1人が合格しています。
武蔵は、国立とほぼ互角、西を上回り、7人に1人が合格しています。
この状況を見て、「都立中高一貫校の上位校と都立トップ校は並んだ!」と言うことに、異議を唱える人はいないと考えます。
(※)ご参考
私立中学・高校との比較もしておこうと思います。
類似環境(都内・共学)かつ同偏差値圏の渋谷教育学園渋谷中学高等学校を比較対象に見てみましょう。
渋渋における2019年の難関国立大学の現役合格率は16.4%と、桜修館とほぼ同じでした。
渋渋の2013年の80偏差値は63程度と、受験(受検)時の立ち位置は、小石川と近く、桜修館よりも上であったと言えます。
このように、私立中学・高校との比較でも、都立中高一貫校の健闘ぶりが際立ちます。
< ご参考 >
〇 "お勧め!" 論理的思考力を鍛えるための学習
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※ 2018年の各都立中高一貫校におけるZ会会員合格者数:桜修館(52名)、三鷹(47名)、大泉(29名)、九段(29名)、白鴎(28名)、南多摩(28名)、富士(25名)、両国(24名) 、武蔵(23名)、小石川(22名)、立川国際(21名)
Z会は適性検査と同じ「考えさせる」系統の問題が多いため、このように大勢が各都立中高一貫校で合格しているのだろうと思います。
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〇 論理的な文章構成力を習得するための本
都立中高一貫校の適性検査対策は、「論理的な」考え方を身に付けることです。
各校で出題形式に差がありますが、作文はいかに論理的な文章を書けるかがポイントとなります。
論理的思考による文章の書き方を指導している福嶋国語塾の福嶋先生の本から、都立中高一貫校の適性検査対策に最も適したものを紹介します。
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しかし、ここで紹介する”のうだま―やる気の秘密”は、科学的根拠に基づく事実を簡単に説明している本です。
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< お役だち情報 >
※ 5〜6年生になる子供を持つ保護者の方、こちらもぜひご覧下さい。
★ 【都立中高一貫校】新6年生(現5年生)の都立中高一貫校の目指し方
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※ 作文対策に悩んでいる方は、こちらをご覧下さい。
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★ 最初に
中学・高校の価値は、入学時の偏差値や大学合格実績だけではありません。
しかし、現実の競争社会下において、偏差値・大学合格実績という尺度による見方は、深く世の中に根付いており、また生徒諸君の勉学への努力が目に見える形で現れる数値です。
したがって、都立中高一貫校の実力を、具体的な偏差値・大学合格実績の比較で見たみたいと思います。
★ 都立中高一貫校の現状
まず、2019年5月現在の都立中高一貫校(含む区立)は次の通りです。
〇 白鴎高校附属中学校
〇 小石川中等教育学校
〇 両国高校附属中学校
〇 桜修館中等教育学校
〇 武蔵高校附属中学校
〇 立川国際中等教育学校
〇 富士高校附属中学校
〇 大泉高校附属中学校
〇 南多摩中等教育学校
〇 三鷹中等教育学校
〇 九段中等教育学校(千代田区立)
11校存在し、都民であればどの学校にも受検(受験)資格があります。
又、高校からの編入がない中等教育学校と、高校でも生徒を募集する付属中学校の二種類のタイプがあります。
★ 合格実績を見ていただく前に
まず、合格実績を見ていただく前に、今年の卒業生が受検した6年前の受検事情を振り返っておきましょう。
「都立中高一貫校、なかなか良いらしいじゃない、我が家もとりあず受検してみるか!」
6年前の受検事情を簡単に表現すると、このような言葉になると思います。
6年前の受検時、都立中高一貫校の受検倍率は多くの学校で一気に上昇しました。
例えば、桜修館では、前年の6倍弱が一気に9倍へと跳ね上がりました(男女平均倍率で)。
倍率だけではありません。
各進学塾が公表する偏差値も、大多数の学校で大きく上昇しました。
まだ卒業生を出していなかった学校の偏差値も連れ高となり、学校側の立場から見ると棚ぼた現象となりました。
(詳細は、下の< 表3>< 表4>でご確認下さい。)
これは、前年の小石川・両国・桜修館・九段の中高一貫化後1期生の大学合格実績が、多くの人にとってサプライズな内容だったためです。
小石川・両国・桜修館が東大に5名づつの合格者を出すなどの結果が、中高一貫教育のノウハウ・経験が全くなかった公立高校の初回実績としては「上出来だ!」と評価されたのです。
こうなると、「安い」「近い」だけでなく、「大学進学心配なし」が加わった都立中高一貫校への人気は鰻のぼり。
私立中学受験しか考えていなかった家庭は、2月3日は都立中高一貫校を受検してみましょうとなりました。
また、そもそも中学受験なんてものに関心を持っていなかった家庭も、そんなに良い学校なら、ダメ元で単願受検してみるかという雰囲気が一層醸成されました(我が家はこのパターン)。
★ 2019年難関国立大学合格実績
大学合格実績を見て頂くにあたり、次の4つの表を準備してみました。
〇 < 表1> 2019年 都立中高一貫校の難関国公立大学の合格者数
〇 < 表2> 2019年 進学指導重点校の難関国公立大学の合格者数
〇 < 表3> 都立中高一貫校(男子)の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
〇 < 表4> 都立中高一貫校(女子)の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
各都立中高一貫校の合格実績について、この4つの表で、進学指導重点校との実力差や入学時偏差値の変化を意識しながら、見て頂ければと思います。
<表1>と<表2>について、学校毎に卒業生の人数が異なるため、表の一番右の「割合」で、まずは概況を把握頂ければと思います。
この「割合」は、世間一般で言う難関国立大学(東大・京大・一橋大・東工大・国公立医学部)の合格率を示しています。
<表3><表4>については、次のポイントの比較を狙いとしています。
・都立中高一貫校の今年の卒業生が受検(受験)した年(2013年)と今年(2019年)の合格難易度の差
(比較に使う中学偏差値は、四谷大塚の女子80偏差値(合格する可能性が80%の偏差値))
・都立の中高一貫校と進学指導重点校の合格難易度の差
(比較に使う高校偏差値は、V模擬・W模擬の80偏差値。「中学受験偏差値」≒「高校受験偏差値」−「10」”と言われるため、高校偏差値から「10」引いた数値が中学受験偏差値と並ぶように表示。)
< 表1> 2019年 都立中高一貫校の難関国公立大学の合格者数
※ ()無は今年の実績、()有は昨年の実績
学校名 | 卒業生 | 東大 | 京大 | 一橋 | 東工 | 国医 | 合計 | 割合(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
小石川 | 156 (148) | 16 (12) | 9 (2) | 5 (4) | 8 (8) | 7 ※1 (5) | 45 (31) | 28.8 (20.9) |
武蔵 | 191 (191) | 8 (13) | 3 (1) | 13 (6) | 6 (1) | 5 ※1 (3) | 35 (24) | 18.3 (12.6) |
桜修館 | 151 (152) | 7 (5) | 2 (0) | 5 (3) | 8 (2) | 5 (2) | 27 (12) | 17.9 (7.9) |
両国 | 194 (196) | 5 (3) | 0 (3) | 4 (3) | 3 (8) | 4 (3) | 16 (20) | 8.2 (10.2) |
三鷹 | 158 (149) | 4 (2) | 1 (2) | 3 (3) | 2 (0) | 1 (0) | 11 (7) | 7.0 (4.7) |
立川国 | 142 (149) | 2 (4) | 1 (0) | 2 (4) | 1 (1) | 1 (1) | 7 (10) | 4.9 (6.7) |
南多摩 | 146 (152) | 1 (5) | 0 (0) | 3 (2) | 2 (2) | 1 (1) | 7 (10) | 4.8 (6.6) |
九段 | 146 (145) | 2 (0) | 1 (2) | 2 (1) | 1 (1) | 0 (3) | 6 (7) | 4.1 (4.8) |
大泉 | 193 (190) | 0 (2) | 0 (0) | 6 (1) | 2 (0) | 0 (0) | 8 (3) | 4.1 (1.6) |
白鴎 | 222 (231) | 3 (6) | 0 (0) | 3 (4) | 1 (3) | 0 (1) | 7 (14) | 3.2 (6.1) |
富士 | 184 (191) | 3 (2) | 0 (1) | 0 (1) | 1 (2) | 0 (3) | 4 (9) | 2.2 (4.7) |
11校合計 | 1.883 (1,894) | 51 (54) | 17 (11) | 46 (32) | 35 (28) | 23 (22) | 172 (147) | 9.1 (7.8) |
11校平均 | 171.2 (172.2) | 4.6 (4.9) | 1.5 (1.0) | 4.2 (2.9) | 3.2 (2.5) | 2.1 (2.0) | 15.6 (13.4) | 9.1 (7.8) |
< 表2> 2019年 進学指導重点校の難関国公立大学の合格者数
※ ()無は今年の実績、()有は昨年の実績
学校名 | 卒業生 | 東大 | 京大 | 一橋 | 東工 | 国医 | 合計 | 割合(%) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日比谷 | 321 (325) | 47 (48) | 5 (6) | 23 (25) | 4 (10) | 15 (28) | 94 (117) | 29.3 (36.0) |
国立 | 322 (369) | 16 (26) | 19 (14) | 28 (19) | 18 (7) | 11 (9) | 92 (75) | 28.6 (23.0) |
西 | 317 (309) | 19 (19) | 16 (11) | 11 (12) | 12 (12) | 13 ※1 (10) | 71 (64) | 22.4 (20.7) |
戸山 | 310 (314) | 12 (11) | 7 (5) | 7 (8) | 12 (7) | 13 (6) | 51 (37) | 16.5 (11.8) |
青山 | 276 (275) | 10 (7) | 6 (3) | 12 (11) | 3 (4) | 4 (2) | 35 (27) | 12.7 (9.8) |
八王子東 | 314 (316) | 7 (0) | 2 (3) | 4 (8) | 11 (5) | 2 (2) | 26 (18) | 6.4 (5.7) |
立川 | 314 (321) | 2 (3) | 3 (3) | 6 (4) | 7 (10) | 2 (1) | 20 (21) | 6.4 (6.5) |
7校合計 | 2.174 (2,283) | 113 (107) | 58 (36) | 91 (77) | 67 (52) | 60 (46) | 389 (316) | 17.9 (13.8) |
7校平均 | 310.6 (326.1) | 16.1 (15.3) | 8.3 (5.1) | 13.0 (11.0) | 9.6 (7.4) | 8.6 (6.6) | 55.6 (45.1) | 17.9 (13.8) |
< 表3> 都立中高一貫校(男子 )の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
---------------< 都立中高一貫校 >------------- | < 進学指導重点校 > |
---|
中学偏差値 | (A)2012年 | (B)2013年 | (C)2019年 | 高校偏差値 | (D)2019年 |
---|---|---|---|---|---|
66 | - | - | - | 76 | 日比谷 |
65 | - | - | 小石川 | 75 | 西 |
64 | - | 小石川 | - | 74 | 国立 |
63 | 小石川 | - | - | 73 | - |
62 | - | - | - | 72 | - |
61 | 武蔵 | 武蔵 | 武蔵 | 71 | 戸山 |
60 | - | 両国 | 桜修館 両国 大泉 | 70 | 八王子東 |
59 | - | 桜修館 | - | 69 | 青山 立川 |
58 | 両国 | - | 九段(B 南多摩 三鷹 | 68 | - |
57 | - | 九段(B 大泉 白鴎 | 立川国 白鴎 富士 | 67 | - |
56 | 九段(B 三鷹 | 南多摩 三鷹 富士 | - | 66 | - |
55 | 立川国 桜修館 白鴎 富士 | 立川国 | - | 66 | - |
54 | 南多摩 大泉 | - | - | 66 | - |
< 表4> 都立中高一貫校(女子)の7年前・6年前・現在、及び、進学指導重点校との偏差値比較
---------------< 都立中高一貫校 >------------- | < 進学指導重点校 > |
---|
中学偏差値 | (A)2012年 | (B)2013年 | (C)2019年 | 高校偏差値 | (D)2019年 |
---|---|---|---|---|---|
66 | - | - | - | 76 | 日比谷 |
65 | - | - | 小石川 | 75 | 西 |
64 | 小石川 | 小石川 武蔵 | 武蔵 | 74 | 国立 |
63 | - | - | - | 73 | - |
62 | 武蔵 | 桜修館 両国 | 桜修館 両国 | 72 | - |
61 | - | - | - | 71 | 戸山 |
60 | 両国 | - | 九段(B 南多摩 大泉 | 70 | 八王子東 |
59 | - | 九段(B 大泉 白鴎 | 立川国 白鴎 | 69 | 青山 立川 |
58 | 九段(B 三鷹 | 南多摩 富士 三鷹 | 富士 三鷹 | 68 | - |
57 | 立川国 桜修館 大泉 富士 | 立川国 | - | 67 | - |
56 | 南多摩 白鴎 | - | - | 66 | - |
★ 見えてくること
さて、各都立中高一貫校の大学合格実績を見ていただいて、どのように感じたでしょうか。
前回記事の速報ベースで記載したことと被りますが、私の感じたことを書いていこうと思います。
〇 増え続ける難関国立大学合格者数
都立中高一貫校11校全体の難関国立大学合格者数は、次のとおり、年々増加の一途です。
<2016年>121名 → <2017年>137名(+16名)→ <2018年>147名(+10名)
→ <2019年>172名(+25名)
凄いですよね。
毎年毎年、「2桁増」という中国の軍事予算並の増加ペースで、合格者数を増やし続けています。
都立中高一貫校と同程度の偏差値帯にある私立中学・高校にとって、この状況は脅威でしかないでしょう。
大学受験は椅子取りゲームと同じ。
都立中高一貫校の椅子が増えると、どこかの学校の椅子が減る訳ですから。
石原元都知事の夢であった「都立高校の復権」は、進学指導重点校の頑張りと合わせて、今後もまだまだ続くように思われます。
〇 学校間の差がやや拡大傾向
都立中高一貫校11校の結果を眺めてみると、合格割合が1〜3位の小石川・武蔵・桜修館と4〜11位の両国などとの間に、やや大きな差が出たように思えます。
小石川・武蔵は、毎年、立派な実績を出していますが、今年は更に結果を上乗せしました。
桜修館は、今年、実績を倍以上とし、大きく飛躍しました。
ただこの3校以外は、想像していた程に結果を出せていない印象です。
表3・表4にある各校のA列・B列を比較頂ければと思います。
多くの学校で今年の卒業生の入学時学力は前年より高かったと思われますが、その後の学習指導方法等で差が出たのかもしれません。
しかしながら、都立中高一貫校間ではノウハウ共有の仕組みが確立されています。
したがって、今年あまり結果の出せなかった学校も、いずれ実績を上げてくるものと思われます。
〇 現役対決、実は「都立中高一貫校の上位校 ≧ 都立トップ校」
表1と表2で、都立中高一貫校と進学指導重点校の各上位3校の結果を見比べて頂きたいと思います。
都立中高一貫校の小石川・武蔵・桜修館と進学指導重点校の日比谷・国立・西の差がかなり小さくなりました。
まだ都立トップ校の日比谷・国立・西の方がやや合格割合が高い状況と言えますが、実は、”現役”合格率で難関国公立大学の合格状況を見ると、事情が異なってきます。
現役合格率とは、浪人を除いた現役だけの合格者数を卒業生数で割った割合となります。
言わば、2019年卒業組だけのガチンコ同級生対決です。
多くの学校を比較しても見づらいので、小石川・武蔵・桜修館と日比谷・国立・西の6校で比較しましょう。
( 算出式 : 現役合格率 = 現役合格者数 ÷ 卒業生数 )
・小石川 : 23.7% ( 37名 ÷ 156名 )
・日比谷 : 17.8% ( 57名 ÷ 321名 )
・桜修館 : 16.6% ( 25名 ÷ 151名 )
・武蔵 : 14.1% ( 27名 ÷ 191名 )
・国立 : 13.4% ( 43名 ÷ 322名 )<※2>
・西 : 11.0% ( 35名 ÷ 317名 )
<※2> 医学部の現浪比率が不明のため、東大・京大・一橋・東工大合計との同比率で医学部現役合格者を仮算出して記載
どうでしょうか。
割合の高い順に並べて見ましたが、小石川・桜修館・武蔵の高い現役合格率が光り輝いていませんか。
これは、都立中高一貫校は全般的に現役で大学に進学しようとする意識・傾向が強く、合格者に占める現役の比率が高いためです。
小石川は、日比谷を上回り、4〜5人に1人が合格しています。
桜修館は、日比谷とほぼ互角、国立・西を確実に上回り、6人に1人が合格しています。
武蔵は、国立とほぼ互角、西を上回り、7人に1人が合格しています。
この状況を見て、「都立中高一貫校の上位校と都立トップ校は並んだ!」と言うことに、異議を唱える人はいないと考えます。
(※)ご参考
私立中学・高校との比較もしておこうと思います。
類似環境(都内・共学)かつ同偏差値圏の渋谷教育学園渋谷中学高等学校を比較対象に見てみましょう。
渋渋における2019年の難関国立大学の現役合格率は16.4%と、桜修館とほぼ同じでした。
渋渋の2013年の80偏差値は63程度と、受験(受検)時の立ち位置は、小石川と近く、桜修館よりも上であったと言えます。
このように、私立中学・高校との比較でも、都立中高一貫校の健闘ぶりが際立ちます。
< ご参考 >
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※ 2018年の各都立中高一貫校におけるZ会会員合格者数:桜修館(52名)、三鷹(47名)、大泉(29名)、九段(29名)、白鴎(28名)、南多摩(28名)、富士(25名)、両国(24名) 、武蔵(23名)、小石川(22名)、立川国際(21名)
Z会は適性検査と同じ「考えさせる」系統の問題が多いため、このように大勢が各都立中高一貫校で合格しているのだろうと思います。
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