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2021年09月16日

『火花』又吉直樹

主人公スパークスの徳永は漫才師あほんだらの神谷さんに弟子入りする。
売れない漫才師二人の生活の中で、
笑いを追求していく独特の世界を綿密に描き出していく。
二人のやりとりを通して、
笑いを追求し続ける売れないお笑い芸人の
深い世界を垣間見た気がした。

【Quotation 引用】
「趣味やったらね、趣味やったらそれでいいと思うんですよ。
でも、漫才好きで続けたいなら、そこを怠ったらあかんでしょ」

「ネットでな、他人のこと人間の屑みたいに書く奴一杯おるやん。
作品とか発言に対する正当な批評やったら、しゃあないやん。
それでも食らったらしんどいけどな。
その矛先が自分に向けられたら痛いよな。
まだ殴られたほうがましやん。」
・・・・
「だけどな、それがそいつの、その夜、
生き延びるための唯一の方法なんやったら、
やったらいいと思うねん。
・・・
でもちゃんと腹立ったらなあかんと思うねん。
受け流すんじゃなくて、気持ちわかるとか子供だましの嘘はいて、
せこい共感促して、仲間の仮面被って許されようとするんじゃなくて、
誹謗中傷は誹謗中傷として正面から受けたらなあかんと思うねん。
・・・
人を傷つける行為ってな、一瞬は留飲が下がるねん。
でも、一瞬だけやねん。
そこに安住している間は
自分の状況はいいように変化することはないやん。
他を落とすことによって、
今の自分で安心するというやり方やからな。
その間ずっと自分が成長する機会を失い続けてると思うねん。」


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感想(28件)


タグ:又吉直樹
posted by 熊谷篤治 at 09:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 読書
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