2017年06月12日
プレゼントによさそう「EVERWIN」と博庵(HIROAN)コラボの名刺入れがアイテムが11,000円(税込11,880円)!
Onkyo Digital Solutions にて、父の日ギフトに(あるいは自分用に)オススメな「EVERWIN」と博庵(HIROAN)のコラボアイテム「EVERWIN+ MAISON DE HIROAN アイテム」(財布、カードケースと名刺入れ)が一万円台から販売されています。個人的なオススメは、仕上げのすごさがわかるシンプルアイテム「EVERWIN+ MAISON DE HIROAN 21556 ボレロシリーズ封筒型名刺入れ 11,000円(税込11,880円)」です。まず、EVERWIN は山一インターナショナルのブランドで、博庵(HIROAN)は浅草の紳士革小物のメーカーです。興味があるのは、ブランドよりも、博庵(HIROAN)製であるという点です。
このシリーズの特徴として、加工技術は言うまでもなく、良質なレザー、ハンドメイドといった点のみならず、財布の小銭入れ部分以外は、金具を極力抑えたデザインも魅力的です。長期に渡って愛用するようなレザーアイテムは、金具やレザーとの接触部分に傷みが集中して、全体として味よりも金属部分の汚さが目立つこともありますのでで、廉価な金具を安直に用いるくらいなら、本コラボアイテムのようなシンプルさを売りにしたデザインもありがたいですね。
個人的には多少のレザークラフトの心得はあるつもりですが、同じ素材を与えられても本製品のようには作り込めるまで成長できる気がしないです。レザークラフトを多少なりとも心得のある方は、このレベルで仕上げるのがいかに手間を必要とするか、難しいか悟ってしまうと思います。リンク先のページにも多少の説明がありますが、少々補完しておくと、薄い2枚の(ほぼギン面のみの)レザーの繊維方向を違えて貼り合わせて強度を出す「ベタ貼り」技術、裏表ギン面になるこの加工は、高級品にしか用いないコスト高な方法で、薄いレザーを皺なく圧着することも難しい技術です(巷の高級ブランドでも、よくてシャンタンなどの素材を貼るか、フェイクレザーを使ったりしてごまかすことがあります)。レザーに詳しくない方が見れば、フェイクレザーの成形品と見間違えるほど薄くできています。
次にコバ磨きですが、これば手間と労力を惜しまなければできる仕上げ方法ですが、大量生産される製品で、コバを布で磨いて輝かせているものはあまりありません。理由は完成までに時間がかかりすぎることで、おおよそ製品の一辺あたり五分以上はかかります。そのため、一般的なレザーの財布などはアクリル系の染料を塗って乾かすだけで完成させて時間的手間を省きます。でも、本製品は上のベタ貼りした薄いレザーのコバを、ワックスを塗って手間のかかる布磨きしています。磨くときはある程度の力を加えなければならないので、厚めのレザーなら力業で誰でもできますが、薄めレザーは力加減が微妙ですので神経も使います。手間を惜しんだ製品と比べて明らかに高級感、安心感も感じます。最後に小銭入れのポケットなどの内装に用いられている「ヘリ返し」のシャープさ、この点はほれぼれするところで、合成皮革で作ってもこう上手くできないだろうと思うほど、細くて強く、しかも美しく仕上がっています。機械でこの微妙な作業が出来るとは思えないので、地味な手作業(もちろん機械は使うはず)で仕上げているはずです。
使用しているレザーは、北米産のレザーだそうですが、栃木ブランドと並ぶ兵庫県姫路市のタンナーがなめしています。いわゆる姫路レザーなのかなと思いましたが、シリーズのアイテムに使われているのはタンニンなめしのレザーだけでもないようです。
コードバンやブライドルといった、レザーそのものが超高級というアイテムとは少し違って、主に仕上げ技術の方にフォーカスしたアイテムではありますが、価格的には高くはありませんね。レザークラフトを嗜む方は、目指すお手本として一作品ぐらいは持っておいてもいいかと思う一方、実用的に普段使いして味わった方が楽しいかとも思います。シンプルで高級感もあるので、値打ちのわかる方にプレゼントするのもいいですが、自分用としてもホント、いいと思います。
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