高橋君への伝言トレンドフォローマスターセミナー
相場の7割はレンジ。このことからもわかる
ように、トレンドフォローは、本来勝率の低
い手法です。
ただ、相場の環境を的確に認識し、ポイント
を絞り込めれば、高勝率で勝ち続けることは
可能です。その方法をお伝えしていきます。
トレンドフォローのマインドセット
1.まずは全体構造から
これはすでに配布した「逆張りマスターセミナー」の冒頭でも書いたことですが、同じことがそのままトレンドフォロー、否、トレード手法すべてに言えることなので、ここで改めてその重要性を簡潔に書いておきます。
FXでお金を稼ぎたい!と思って相場の世界に参入してくるほとんどの人が、まず目を向けるのが、手法などのノウハウ、テクニックです。
「手法さえ学べば勝てる!」
そう信じてあらゆる手法を勉強しますが、まあほとんどの人はほぼ間違いなく勝てるようにはなりません。
理由は簡単です。
それは、相場の全体構造、原理原則を理解してないからです。
手法というのは、あくまでも方法論であり、手段です。本質を理解していないのに方法論だけ学んでも、当然意味ないですよね
今回はトレンドフォローに特化した内容なので、トレンドフォローを例に話します。
まず、
「トレンドフォローで勝てるのはどういう場面か?」
この問いに明確に答えられない限り、トレンドフォローで勝ち続けることはできません。
ほとんどの人は、こんな簡単な質問にさえ答えることができないのに、喰うか喰われるかという熾烈な戦いが繰り広げられている相場という戦場に意気揚々と繰り出します。
戦い方もわからない、敵の倒し方もわからない、
そんな状態でかっこいいキンキラキンの武器を持って戦場に飛びでしたも、瞬殺されるだけです。
全体構造から学ぶ意義に関しては、第2回目に配った、「逆張りマスターセミ
ナー」の「まずは全体構造から」という章を改めてお読みください。
2.トレンドフォローのイロハ
自分がこれまで紹介してきたトレンドフォローは、あくまでも”トレンド
が発生している、もしくはしたばかりの相場環境”で、短時間で利益を抜いて
くやり方ですが、従来のトレンドフォローの定義というのは、実は少々違います。
巷で言われているトレンドフォローというのは、非常にシンプルなものが多いです。
レンジブレイクアウトを狙いにいく方法、前日安値、高値、20日、50日の高
値、安値を突破したらそのままついていく方法など、
どれも小学生でもわかるくらいシンプルです。
ただ、シンプルな故にものすごい苦痛を伴います。
それは利食いをしてはいけないわけですから
そう、生粋のトレンドフォロワーというのは、相場が完全に反転するま
で利食いをしません。
これは、トレードをしたことあるすべての人が共感できるポイントだと思いますが、”利食わない”というのはものすごい苦痛なのです。
せっかく含み益が出ているのに、ひたすら利食いを我慢しなければいけないわけですし、時には莫大な含み益が損失に変わることだってあるわけです。
でも、そういった負の要素含めて、”トレンドフォロー”なのです。
このように、シンプルな反面ものすごい苦痛を伴うため、トレンドフォローには優位性が存在すると言えます。
では自分たちも、”利食わないという苦痛”を味わいながら、従来型のトレンドフォローをやらないといけないかというと、もちろんそんなことはありません。
もっとストレスの低い方法があります。
従来のトレンドフォローというのは、あくまでもトレンドが出そうな局面”全
て”で仕掛けていくやり方です。
これが、トレンドフォローの勝率の低さを生む本当の理由です。
じゃどうすればいいかというと、次の3つに絞ってやればいいだけです。
@時間足を短くすること(長くても1時間足
まで)
Aすべて仕掛けるのではなく、手法に合致す
る相場環境が来るまで待つ!
B長期足の環境認識をする(長期足の方向
性、相場環境を加味する)
これだけです。この3つを追求していくことによって、ストレスの少ない、高勝率のトレンドフォローを仕掛けていくことができるようになります。
3.トレンドはいつか反転する
極めて当たり前の話で恐縮ですが、トレンドはいつかどこかで反転します。
そう、永遠にトレンドが一方方向に継続することはあり得ないのです。
でも、なぜかトレンドフォローを仕掛けて損切りになると、ひどく落ち込む人がいるわけです。
どんなにトレードの達人と呼ばれるような人でも、絶対損切りはします。こればっかりはしょうがないです。
だってトレンドはどこかで終わるわけですから。
損切りに会わない人というのは、未来を読める人だけです。もちろんそ
んな特殊能力というのは備わっていないわけですから、潔く損切りすればいいんです。
損切りを避けよう、避けようって思えば思うほど、損切りを
連発するなんていう意味不明な現象を起こす前に、トレンド転換に引っかかって損切りになるのは当たり前なんだ!
こう強く自覚しましょう。もともと避けることなんて無理な訳ですから、”避けようマインド”をとにかく嫌悪しましょう。
トレードというのは、損切りしてなんぼです。損切りが仕事といっても過
言ではありません。それくらい損切りを”当たり前のこと”にしちゃいましょ
う!誰でもその領域に必ずいけます。
というか”損切り”っていう名前がよろしくないですね
損を切るというよりかは、先行投資というニュアンスのほうが正しいですね。
未来に得るはずの利益をちゃんと手にするために、目の前の損失をさっさと手放す。そうすれば次のチャンスにも乗れますからね。
まあ利を伸ばせて、さらに勝率も高くて、そしてさらに損切りもない、こんなことは絶対にないですし、こういう欲張りな考えでトレードしてる間は全然上達しません。
何かを選択したならば、何かをすてなければいけません。こ
れが相場の世界のルールです。
相場の世界で長く生き残っていくためには、泥臭くやるしかないんですよ結
局。一切のストレス無く、機械のように勝ち続けられるというのは幻想です。
かっこよくスタイリッシュでモダンなトレードをする必要はないわけです。
淡々と、泥臭くいきましょう。
4.チャートパターンに関する個人的な思い
よく、FXはチャートパターンで勝つ!みたいなことを聞きますが、正直パターンだけでは根拠として弱いです。
「お!、このパターン知ってる!エントリーしよう♪」って意気揚々と参入して、見事に損切りに会った人はたぶん数えきれない程いるはずです。
当然です。パターンだけで勝てたらそりゃ苦労しません。そこにもう一つ見抜かなければいけない要素があるんです。
それは、「相場のエネルギー」です。
そのチャートパターンの裏側に隠れている市場のエネルギーの大小を見極められるようにならないと、高勝率で勝ち続けることは至難の業になります。
例えば、
5分足で綺麗なダウントレンドのチャートパターンが出ていたとします。で、ちゃんとレジスタンスも形成されているように見えると。これは完璧なセットアップだ!と思って、売りエントリーしてみたら、見事に逆行。まあよくある話です。
5分足で綺麗にダウントレンドを形成していたとしても、1時間、4時間などの長期足が強いアップトレンドを形成していたとしたら、5分足のちょっとしたトレンドの優位性なんて一瞬で掻き消されます。
大枠の中で見たら、相場のエネルギーは買い側が圧倒的に大きいわけですから、そのエネルギーに逆らえば、どれだけいいチャートパターンだろうが負けます。
多くの人はここを全く理解してません。いや、気づいてすらいません。だから負けまくります。
見るべきは、
「チャートパターン」×「相場のエネルギー」
なのです。
次により具体的なエントリーポイント、環境認識、チャートパターンの
説明に入ます
その前に前の伝言にある「トレンドとは何か」を確認しておいてください
なぜなら、トレンドとは何なのかを理解できていないのに、トレンドフォローは仕掛けられないからです。
5.トレンドフォローの実践戦略
1.ボラティリティ
エントリーする際に見ておくべき非常に重要な指標がボラティリティです。
これは、逆張り、順張り問わず、常に相場のボラティリティがどうなっているのかはある程度把握しておく必要があります。
逆張りで攻める場合、当然拡大しきったボラティリティが縮小していく局面で仕掛けていきますが、逆にトレンドフォローの場合、ボラティリティが急激に拡大したポイントで一気に攻めていきます。
このように、トレンドフォローを仕掛ける際に味方につけるべきボラティリティの特徴というのは、逆張りとは180度真逆になりますので注意が必要です。
では、トレンドフォローを仕掛けるのに適した、ボラティリティが拡大していく場面のチャートを見て行きましょう
どうですか?何となくボラティリティが拡大する局面というのがイメージできましたか?
見るべきポイントとしては、ボリンバジャーバンドの拡大です。「エクスパンション」と呼びます。
もう一つ注目して欲しいのは、エクスパンションが起こる前の相場環境です。
上記4つのチャートをもう一度見てください。
エクスパンションが起こる前の相場環境に何か共通点を見いだせませんか?
ボラティリティが拡大する直前というのは、大抵レンジです。
ここ超重要な部分ですよ。
つまり、トレンドフォローでエントリーできそうな場面を手っ取り早く見つけ
るためには、単純にレンジを探せばいいわけです。
レンジを見つけたら、「チャンス」だと思ってください。だって、いずれ上か下どちらかにブレイクアウトするわけですから。
そこに”札束が落ちてる”と知っていれば、最低限札束争奪戦には参加
しましょう。みんなが参加するのでトレンドが伸びるのです
トレンドフォローを狙うべきポイントというのは、大別して2つ
あります。
1つ目が、レンジからのブレイクアウト。
2つ目が、トレンド転換からのトレンドフォローです。
まずは一つ目、「レンジからのブレイクアウト」でトレンドフォローを仕掛けていく方法を説明していきます。
6.レンジからのブレイクアウト
まず最初に、レンジの種類を確認しておきましょう。
一口にレンジといっても、形状は様々です。
逆張りで狙うべきレンジの形状というのは、基本的に一つだから
です。高値と安値がある程度綺麗に揃っているレンジ形状しかやりません
ただ、レンジからのブレイクアウトを狙っていく場合、基本的なレンジの形状はすべて押さえておくべきなので、これから解説していきます。
レンジ形状@ 平行レンジ
これはまさに上下の高値、安値がある程度綺麗に揃っています。
レンジ形状A アセンディングトライアングル
このレンジの最大の特徴は、安値が切り上がっていることです。つまり買いの力が増していくレンジなのです。ということは、当然上方向にブレイクする可能性が高いレンジだと言えます。
レンジ形状B ディセンディングトライアングル
アセンディングトライアングルの逆バージョンです。高値がきり下がっていることからもわかるように、高値が切り下げていくレンジです。下方向にブレイクしやすいレンジです。
レンジ形状C 三角保合い
かなり有名なパターンです。高値が切り下がり、安値が切り上がっていく
レンジです。
レンジに関しては、とりあえずこの4つさえ押さえておけば十分です。
どうでしょう?案外見分けるのはそんな難しくないはずです。形さえ覚えてしまえば、後は同じようなパターンを探すだけなので。
それと、繰り返しになりますが、レンジを一定期間形成後、すべてのパターンでブレイクアウトが発生していることがわかると思います。
そして、ボリバンに注目してください。狭い状態から、一気にバンドが拡大してますよね?
こういう場面をしつこいようですが狙っていきます。逆に、こういう場面まで動きません。
加えてマルチチャートだと黄緑の15分足SMAが青の
優秀な将軍、武将ほど、攻めるタイミングを最も重要視します。
「いつ、攻めるのか」これは簡単なように思えて、コツを掴むまで時間が
かかる場合があります。ほとんどの人は完全に見切り発車をしてしまってま
す。
戦局を見極めることが出来ず、むやみに突っ込んでいく将はまず間違いなく死にます。
トレードする際は、必ず、戦略+タイミングを意識してください。
7.トレンド転換
続いてトレンド転換のパターンについて解説していきます。
基本的に、トレンド転換には4つのパターンがあります。では具体的に見て行きましょう。
トレンド転換@ ダブルトップ
高値で2回止められ、ネックラインを割ってくるのが特徴です。実際の相場では、ここまで綺麗なパターンが毎回出るわけではないですが、その辺りは経験値をあげてパターンを識別できる目を養っていく必要がありのは言うまでもありません。
トレンド転換A ダブルボトム
ダブルトップの完全に逆バージョンですね。逆になっただけで後はすべて同じです。やはりポイントはネックラインのブレイクです。
トレンド転換B ヘッドアンドショルダー
一番右の山が、前回高値に到達できずに反転していくパターンです。けっこう頻繁に見るパターンです。このパターンも上2つ同様ネックライン割れがポイントになってきます。
トレンド転換C リバースヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーの逆バージョンというだけで、それ以外は通常のヘッドアンドショルダーと何ら変わりません。
8.エントリー
いよいよエントリー方法の解説に入っていきます。
トレンドフォローで狙うのは、ブレイクアウト、トレンド転換後の2発
目の波動です。
ブレイクアウト、トレンド転換の1発目の初動が第一波です。そして、次の2発目のブレイクアウトが第2波です。この第2波を捉えることに集中します。
そして第2波エントリーをする際に押さえておくべきポイントが3つありますので、それを確認していきましょう。
@3つのシナリオ
AW,Mの波形
Bボリバンの拡大
この3つを押さえておけば、精度の高いエントリーを実現することが可能となります
@3つのシナリオ
ブレイクアウト、トレンド転換が発生した後、基本的には頭の中で3つのシナリオを想定しておきます。
この、”想定しておく”というのが実は非常に大事で、こうなったらこうする、この場合はこうする、という行動規範を自分の中に持っておくことによって、エントリーする際に起きる迷いをかなりの割合で払拭することができます。
逆に、行き当たりばったりのトレードをしていると、エントリーする場面が来る度に迷うわけです。「ここで合ってるのかなー?」「逆行しないだろう
か?」。
これは全くもって生産的とは言えませんよね。だって、エントリー後に自分が思った方向に伸びるかどうかなんか誰もわからないわけですから。
自分達が出来ることは、あくまでも想定したシナリオに従ってエントリーしていくことだけです。迷ってる暇があるならエントリーして損切りになったほうがまだマシです。その損切りトレードから何かを学べるわけですからね。
では3つのシナリオの説明に入りたいとおもいます。
シナリオ@ サポート、レジスタンス無し
ブレクアウト発生後、サポート、レジスタンスで支えられずに押し目、戻しを形成して再度ブレイクアウトしていくパターンです。自分ははこのパターンでエントリーしていくことが多いです。
シナリオA サポート、レジスタンス有り
シナリオ@の逆で、しっかりと支えてくれるサポート、レジスタンスまで値段が到達した後、再度ブレイクアウトしていくパターンです。王道です
シナリオB サポート、レジスタンス+聖杯
これはエントリーの根拠が重なっている非常に勝ちやすいシナリオです。サポート、レジスタンスで支えられていて、さらにボリバンのミドルライン(20期間移動平均)でサポートされるシナリオです(聖杯という手法です)。
出現頻度は少ないですが、発生した場合は迷うことなくエントリーします。
それだけ勝率が高い手法です。
">AW,Mの波形</span>
トレンドフォローを仕掛ける際、トレンドが出てる方向にエントリーしたからといって、必ずしも勝つわけではないですよね?
むしろ散々損切りになった後、思惑の方向に伸びていくことなんてザラにある
わけです。なんでこんなことが起こるかというと、単純にエントリータイミン
グが下手だからです。
ブレイクアウトが発生すれば、皆勇んでその値動きに飛び乗ります。で、飛び
乗った瞬間相場が逆行し、損切りに会い、その直後に伸びていく・・・
悲しいですよね 笑 でもよくあることです。
で、エントリーする際に最も見ておかなきゃいけないのは、波形です。買い
の場合はW, 売りの場合はM。
ここを意識するだけで、エントリー後の逆行というのは極端に減るはずです。というか、減ります。減らざるを得ないです。
なぜなら波形というのは、相場の理屈だからです。相場の理屈に合わせたトレードとは、つまり、相場の呼吸に合わせたトレードです。ここでエントリーしたいとか、飛び乗りたいとか、そういうのは全て自分の都合です。
自分の都合は一旦横に置いておいて、相場の呼吸を体で感じれるようになりましょう。相場の呼吸に合わせることができれば、エントリーした瞬間に巡行するトレードの回数も当然増えていきます。
Bボリバンの拡大
トレンドフォローを仕掛ける場合に必須の要素が、ボラティリティの拡大です。手法が大事だとか、エントリータイミングが大事だとか、いろいろ言って来ましたが、
それらが機能するのは、相場の環境があってこそなのです。トレンドフォローという手法は、究極言うと”トレンド”、”ブレイクアウト”という優位性を味方につけなければ勝てないわけですから、ボリバンの拡大=ボラティリティの拡大は、トレンドフォローを仕掛ける場合は常に念頭に置いておきましょう。