2021年05月01日
時間が無い?〜欠乏の行動経済学があるじゃないか〜
起業のスタートはタスクがいっぱい時間が無い
「いつも時間がない」人が考えるべき3つのこと
○足りないことばかりに気を取られて、スラックを知っていまっすか?
○トンネリングに陥っいませんか?
○足りないのは実は処理能力だっり?
1.スラック
スラックとは何でしょうか。端的に言えば、それは、余裕のことです。スラックとはゆるみやたるみを意味する言葉です。 たとえばスーツケースに物を入れたときの空きスペースのようなものです。
空きスペースというと、無駄なものだと考える人もいます。スペースがあれば、限界まで物を詰め込んで容量ぴったりに整頓したい衝動に駆られる人もいるでしょう。
しかし空きスペースは、無駄ではなく、常に確保しておかなければならないものです。
あなたが今使っているパソコンやスマートデバイスは、容量を限界まで使用しているでしょうか。いいえ、そんなことをしたら処理が重たくなったり、更新データを受け取れなくなったりしてしまいます。
あなたは今日の昼食を、もう食べきれない限界まで食べましたか。いいえ、そうしたら、きっと動けなくなって眠ってしまうので腹八分目以下にとどめたでしょう。
どんな場合にも、システムがうまく機能するためには、スラックという空きスペースが不可欠なのです。
余裕を持たせておくことが、スムーズな対応につながり、かえって時間の節約になるのです。
毎日計画を立てた学生より、月ごとに計画を立てた学生のほうが成績がよくなった例も、スラックを用意して余裕をもたせることの価値を示す一例といえます。
2.トンネリング
余裕をもたせることの価値がわかるのに、限界ギリギリまで圧迫されているとき、にそれを選択するのはクレイジーに思えます。相場におけるドカン損切りも同じです。
これはトンネリングという現象が起こっているからです。
トンネリングとは、視野が狭まることです。あまりに集中するあまり、まわりにあるものが目に 入らなくなり、ただ一つ、目の前につづくトンネルの中の一点だけしか見えません。
問題が複雑な場合にトンネリングが生じると、真の解決策に気づかないまま、実りのない努力を続ける悪循環に陥りかねません。
成績が悪く勉強時間が足りないと思っている生徒は、トンネリングによって、夜遅くまで塾に行くようになり、睡眠不足になって、日中の授業に集中できず、さらに成績が悪くなって睡眠時間を削り…という悪循環に陥るかもしれません。
たいてい、問題のループに陥ってどんどん泥沼にはまっている人は、トンネリングに陥っています。
自分自身の問題に頭がいっぱいになりすぎて、視野が狭くなり、目先の表面的な解決策に専念するあまり、かえって問題を悪化させてしまっているのです。
トンネリングから抜けだして、真の解決策を知るには、冷静な他者の観点から物事を見なければなりません。
3.処理能力
わたしたちが「いつも時間がない」と感じるとき、それは本当に「時間」が足りないのでしょうか。
実際には「時間」ではなく「処理能力」が足りない場合が少なくありません。
睡眠を削り、仕事を増やすなら、脳が過労状態になり、処理能力が低下します。すると、仕事を終わらせるのに前より時間がかかるようになり、勤務時間を増やす前よりさらに時間が足りなくなるのです。
処理能力を低下させるのは、睡眠不足や過労だけではありません。
もちろん睡眠不足も処理能力を低下させますが、それ以上に心配や思い煩いのほうが、処理能力を低下させるのです
処理能力を確保するのに必要なのは、しっかりとした睡眠、食事、健康管理、レクリエーションのための時間を取り分けることです。
「いつも時間がない」人がそれらに時間を取り分けるのは勇気のいることですが、結果として処理能力が上がって、時間が節約されるようになるのです。
特に心配ごとや思い煩いで頭がいっぱいになっている人は、有名なGTD(Getting Things Done)が役立つかもしれません。
(p91)
「いつも時間がない」人の処方箋
休息時間を確保することにより労働の質を高め生産性を高めることが狙いで、同制度を導入する企業が増えている。
イクスピアは一つの作品を完成させた後、次の作品に取り組むまで、怠惰であったと言われています。
シェイクスピアと比べているわけではありませんが、一般的に、いつも忙しくしている人は創造的ではないような気がします。
ですから、怠けることを恥ずかしいことだとは思っていません。
生活に当てはめるためにはこう考えてみることができます。
■足りないことばかりに気を取られて、スラックを確保するのを忘れていないだろうか
■トンネリングによって近視眼的な対策にこだわり、悪循環に陥っていないだろうか
■足りないのは実は処理能力ではないだろうか
こうした点を考えてみるなら、本当に足りないものは何かを見極め、真の解決策を実践することができるでしょう。
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