2016年04月30日
大日本帝国陸軍
大日本帝国陸軍は、1871年(明治4年) - 1945年(昭和20年)まで日本に存在していた軍隊組織である。通常は、単に日本陸軍や帝国陸軍と呼ばれた。解体後は、別組織である陸上自衛隊との区別などのため旧日本陸軍もしくは旧帝国陸軍という名称も使用される。
名称
大日本帝国陸軍の名称は、国外からの呼称もしくは対外的な連絡文書、公文書等の一部に明治10年代から用いられた。例として、1918年(大正7年)に当時の陸軍大臣大島健一がイギリス国王ジョージ5世に充てた祝電「英国皇帝陛下ヘ陸軍大臣ヨリ祝電(一月二十五日午後一時三十分発電)」では、日本陸軍・帝国陸軍・大日本帝国陸軍の各名称が使用されている。
英称はImperial Japanese Army、Japanese Imperial Army、Japanese Armyなど。このうち「大日本帝国陸軍(日本帝国陸軍)」に相当するImperial Japanese Armyの名称・呼称は、1913年(大正2年)にイギリス陸軍省が駐日イギリス大使経由で外務大臣牧野伸顕に充てた、日本の新型騎兵銃である四四式騎銃1挺の寄贈を依頼する英文などで使用されている。
陸軍の軍旗
帝国陸軍の前身である御親兵が発足するよりも前の1870年(明治3年)5月、新生帝国陸軍のシンボルとして十六条旭日旗を意匠とした陸軍御国旗を採用し、更に1879年(明治12年)に改めて陸軍御国旗の仕様を一部改正した旭日旗が軍旗として制定されている。
この軍旗は連隊旗として歩兵連隊と騎兵連隊のみに対し大元帥(天皇)から親授されるものであったが、旭日旗の意匠は「帝国陸軍の象徴」として軍民問わず広く認知・使用されていた。また、旭日の意匠を用いたいわゆる「旭日旗」を日本において初めて考案・採用したのは帝国陸軍である。
帽章
帝国陸軍の建軍初期は旭日章を意匠としたものを「日章」と称し帽章に使用していたが、のちに一般師団(一般将兵)に属する者および陸軍軍属は「五芒星(五光星)」を意匠とした「星章」を、「近衛」の称呼を冠する近衛師団に属する部隊に属する者は「星章」の周囲を「桜葉」で覆ったものを帽章として使用した。しかしながら、旭日章を帽章とする「第一種帽」は将校准士官が正装時に着用する「正帽」として、また、儀丈部隊でもある近衛騎兵連隊に属する下士官兵は騎兵将校准士官正衣(正帽)に準じる「供奉服」を、ともに第二次大戦期まで存続・使用している。
組織
帝国陸軍の組織は、役所である官衙・部隊組織である軍隊・将兵を養成ないし再教育する学校(実施学校・補充学校)と、これらのいずれにも属さない特務機関とに区分されていた。
官衙 陸軍省(陸軍大臣)
参謀本部(参謀総長)
教育総監部(教育総監) 陸軍航空総監部(航空総監) - 第二次大戦最末期に軍隊化
防衛総司令部(防衛総司令官) - 第二次大戦最末期に軍隊化 陸軍兵器行政本部(旧陸軍技術本部・陸軍兵器本部)・陸軍技術研究所・陸軍造兵廠・陸軍燃料本部・陸軍兵器補給廠・陸軍軍馬補充部・陸軍恤兵部・陸軍陸地測量部・陸軍中央気象部・陸軍運輸部・陸軍船舶司令部・内地鉄道司令部・陸軍築城部
陸軍航空本部・陸軍航空技術研究所・陸軍航空審査部・陸軍航空工廠・陸軍航空輸送部
陸軍機甲本部
陸軍被服本廠・陸軍製絨廠・陸軍需品本廠・陸軍衛生材料本廠・陸軍獣医資材本廠・陸軍糧秣本廠
憲兵司令部・要塞司令部・連隊区司令部等
軍隊 部隊編制は主に総軍・方面軍・軍・師団・集団・旅団・団およびそれらを構成する連隊(聯隊)や大隊を中心とする、歩兵部隊並びに砲兵部隊、騎兵部隊、工兵部隊、輜重兵部隊、機甲部隊、航空部隊、空挺部隊、船舶部隊等の特科部隊からなる。平時は師団およびそれを構成する部隊のみが有り、総軍・方面軍・軍は戦時・事変時に軍令により置かれる。
「大日本帝国陸軍の軍の一覧」、「大日本帝国陸軍師団一覧」、「大日本帝国陸軍連隊一覧」、および「大日本帝国陸軍飛行戦隊一覧」も参照
学校 教育総監部管轄 陸軍士官学校・陸軍予科士官学校・陸軍幼年学校・陸軍予備士官学校
陸軍戸山学校・陸軍歩兵学校・陸軍科学学校・陸軍野戦砲兵学校・陸軍重砲兵学校・千葉陸軍高射学校・陸軍工兵学校・陸軍輜重兵学校・陸軍習志野学校・陸軍通信学校・陸軍少年通信兵学校
陸軍省管轄 陸軍憲兵学校・陸軍経理学校・陸軍軍医学校・陸軍獣医学校・陸軍法務訓練所・陸軍兵器学校・陸軍騎兵学校・千葉陸軍戦車学校・四平陸軍戦車学校・陸軍機甲整備学校・陸軍少年戦車兵学校
参謀本部管轄 陸軍大学校・陸軍中野学校
航空総監部管轄 陸軍航空士官学校・明野陸軍飛行学校・下志津陸軍飛行学校・浜松陸軍飛行学校・熊谷陸軍飛行学校・太刀洗陸軍飛行学校・白城子陸軍飛行学校・仙台陸軍飛行学校・鉾田陸軍飛行学校・陸軍少年飛行兵学校・大分陸軍少年飛行兵学校・大津陸軍少年飛行兵学校・所沢陸軍航空整備学校・岐阜陸軍航空整備学校・立川陸軍航空整備学校・陸軍航空通信学校等 - 第二次大戦最末期に航士校・少飛校を除き軍隊化
特務機関 元帥府・軍事参議院・侍従武官府・東宮武官・皇族王公族附武官・陸軍将校生徒試験委員 特務機関に準ずるもの 委託学生・外国留学生・大公使館附武官等
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