運送業の約2〜3割が廃業になるといわれる 2024年問題
運送会社で働く運転手にとっては死活問題です( 一一)
各運送会社ではどんな取り組み方をしているのでしょうか?
今回は筆者の知り合いの勤務する運送会社での2024年問題の取り組みや 変化した事に
ついて紹介したいと思います (/・ω・)/
目次
2024年問題とは
荷待ち時間の改善
・荷待ち時間とは
・荷待ち 待たせ方の大問題
配車(運行計画)
労働時間の改善
・労働時間が変わった事で・・
運転手の待遇改善
・運転手の給与(運行手当)
2024年問題とは
物流・運送業界の【2024年問題】とは働き方改革法案により 運転手の労働時間
に上限が課されることで生じる問題の総称のことです
具体的には運転手の時間外労働時間が年間960時間に制限される事で 一人あたりの
走行距離が短くなり 長距離で物が運べなくなると懸念されています
さらに 物流・運送業界の売上減少 トラック運転手の収入の減少なども考え
られると言われています(・.・;)
荷待ち時間の改善
荷待ち時間の改善として作業時間の予約制(時間指定)を導入している企業があります
作業する車両をあらかじめ予約しておく事で 入場を制限しているのです
入場制限がないと一度に車両が集中して集まり 荷待ち時間が発生します
場合によっては数十台ものトラックが路上で順番待ちで待機し 何時間も並んでいる
事もあります
同じ時間帯に車両が集中しても 一定台数以上は作業出来ないので
それぞれ車両の入場時間を指定し分散する事で 荷待ちを防ぐ事が出来るのです
運転手側も時間が指定されていればその時間に行けばいいので 無駄な待機時間を
減らす事が出来ます(労働時間を短縮する事ができます)
しかし予約時間に間に合うよう運行スケジュールを調整しないといけない事もあるので
逆に 時間を縛られてしまうデメリットもあります
想定外のトラブルや交通渋滞などが発生すると 運行スケジュールの調整が必要になったり
場合によっては予約時間に間に合わない事もあります
■荷待ち時間とは
荷待ち時間とは 荷主が荷物の積み下ろしをする間 運転手が待機する時間のことで
運転手がコントロールできない待機時間が 長時間労働を助長する要因の一つと
言われています
荷待ち時間の改善に向けて取引先企業や運送会社でも いろいろな対策を
実施しています
機械の導入や荷役の増員・予約システムの導入など 製品の入出荷や車両の
受け入れ体制を見直し 業務の効率化が図られ始めています
荷待ち時間が削減されれば 運転手の労働時間の短縮に繋がると考えられます
■荷待ち 待たせ方の大問題
運転手はその多くの荷待ち現場において 待機所も用意されず呼ばれたら
すぐに入れる所で待っているようにと指示されます
呼ばれてすぐに入庫できる場所はもはや路上しかありません
そして順番列に並んでいる前のトラックが進めば 自分も詰めなければならず
仮眠を取って待機していることも出来ないうえ 路上にはトイレすらない(もちろん
食べる物も持参していないといけない)
そのため トイレに行く回数を減らすべく 摂取する水分を減らす運転手もいます
真夏でも近所迷惑になるという理由で エンジン音と排気ガスをおさえるように
とアイドリングストップさせられ(エンジンを切る)
運転手のなかには暑さに耐えかねて トラックに下にもぐって待機する人までいます
熱中症になる人もいますし 死亡した運転手の事例もあります
配車(運行計画)
運行計画を利益重視ではなく 労働時間を意識した内容に変化しています
これまでの運行だと利益は出せても 労働時間を遵守しにくい傾向が多かったが
無理なく時間を守れる運行計画を作成するようになりました
休憩・休息時間を意識した運行計画です
労働時間を遵守した結果 中には利益が取れない運行もありますが
一運行では利益がでなくても その他の運行で利益を生み出す計画を立て
トータル(月間)で利益を出せるようにしています
また大手企業など取引先の中には 運行スケジュールの見直しを行った所も多く
運転手はより労働時間を守りやすくなったといえます
■配車とは・・
配車とは必要に応じて車や運転手を割り当てる事で 配送先や荷重に合わせて
車両や運転手を割り当てます
配送先と車両が複数ある為 その中から最適な組み合わせを選びます
配車係は配送先や荷量だけでなく 運転手のスキルや性格なども考えて考慮する
必要がある為 難易度の高い業務です
労働時間の改善
労働時間を管理する為週単位での運転手の労働時間表を点呼場に掲示した
こうする事で運転手ごとの労働時間が週単位で分かるようになります
(これまでは月単位で 翌月に表示をしていた)
週単位で個別に労働時間を把握することで 法令を遵守した勤務計画を組み 月間の
労働時間の超過を防ぐ取り組みをしています
1ヶ月の労働時間の上限は 基本284時間です・・
時間を超過しそうな運転手に対しては 労働時間を短縮する運行に切り替えるなど
の配車を割り当てることで 時間調整を行います
また労働時間を見える化する事で 運転手に労働時間の意識をしてもらえます
週単位で労働時間を集計するので 今自分がどのくらいの時間労働し 後どの
くらい業務が出来るのかわかります
■労働時間が変わった事で・・・
●休息時間が9時間と長くなって体が楽になった
8時間だとゆっくり休めない事が多かった 1時間休息が増えた事でもだいぶ違います
休息時間8時間➔9時間
●分割休息でとれる時間が最低3時間からになったことで 分割して休息がとりやすくなった
4時間だと分割休息が取れない事が多かったので 労働時間が守れない原因になっていた
4時間休めないことが多いが 3時間ならわりと取り易い
●移動できる距離が少なくなった事で 次の日の出発が早くなった
一日の労働時間が最大15時間と短くなった為 目的地まで距離があっても早い時間
からトラックを止めて休息(睡眠)するようになった
その為 開始時間も早くなり早朝出発(AM2:00〜3:00 とか多くなった)
しないといけないので 朝早くから起きるのがいやだ ゆっくり出来ないなど・・
といった意見を周囲で聞くようになりました
運転手の待遇改善
運行手当が 一部ベースアップした
運行回数・労働時間が短くなっても 運転手の賃金を下げない為の会社の方針です
全ての運行手当が上がった訳ではないですが それでも平均的に給与は増えたようです
労働時間が減っても給与は変わらない もしくは増えた感じなので
運転手にとってはうれしいのでは? という意見が多いように感じますが
中には運行手当の上り幅が一定ではなく 運行内容によって違うので待遇が
あまり変わらず 不満の声を漏らす人もいます
労働時間の規制が厳しくなった影響で 長時間働く事は出来なくなりましたが
給与が激減して生活に困ることは 今の所はなさそうです
もし同じ給料ならほとんどの人は長時間働こうとは思わないです し時間を無視して
たくさん働きたい人ばかりではないですよね!
年齢を重ねると 体が動かなくなって以前ほど働けなくなります
■運転手の給与(運行手当)
一般的にトラック運転手は 走行距離に応じて運行手当が支払われます
その為 長時間労働の対価として多くの収入を得ていた運転手も少なくありません
しかし労働時間に制限が掛かれば走行距離も短くなる為 収入が減少してしまいます
そうなると運転手の離職に繋がる為 運転手不足はより深刻になるでしょう
また労働時間の規制は走行距離に影響を及ぼすことから 一日に運べる
荷物の量の減少に繋がります
そんな状況のなか 十分な収益を確保するためには 運賃の値上げが必要になるでしょう
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