2022年08月30日
ちょっとだけMリーグ#37
今回もMリーグの一局だけを掘り下げていきます。
今日の主役は多井 隆晴プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/9Cppu6zp2Yw
2021年3月10日 第1試合
南1局
東家 魚谷 侑未 31500
南家 丸山 奏子 11700
西家 二階堂 瑠美 33700
北家 多井 隆晴 23100
(敬称略)
トップ目と二着目の点差は微差、三着目と二着目の差は満貫くらい、ラス目の丸山さんは三着目と跳満1つ分くらい離れています。
※動画の都合上、親4巡目〜になります。
最初に親・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
この手は3対子ありますがマンズが西ヨーロッパ形と悪形です。
形だけで言えば全部奇数のと似ていると言う方もいらっしゃるかもしれませんが、全部奇数ではそこから先にまだ変化があります。(2がくっついて23579)
2468という形は2468が対子になるかダイレクトにカンチャン受け入れを引くしか変化はありません。
他にもこれが1枚減った、246と357の比較でも同様です。
からのリャンメン変化はがくっつくだけですが、にはリャンメン変化はとがくっつく2通りあります。
つまり偶数のリャンカン形の伸びは奇数のリャンカン形に劣るわけです。
魚谷さんの手は3シャンテンですが愚形受け入れが多く、テンパイスピードはあまり早いとは言えません。
対子が増えれば七対子、役牌ポンもできますが赤もドラもなく安手ではリーチと戦うかどうか迷ってしまいそうです。
ツモツモ切り
次に南家・丸山さんの手は
ドラ丸山手牌
この手はほぼタンヤオで1暗刻+3対子で七対子や対々和もあります。
ブロック数を数えてみると、、、と4ブロック揃っているのでブロックはあと1つになります。
ドラにくっついても使えるように一応、ドラも残しました。
ツモ打
ここは234三色の伸びも見ながら打する手はあります。
続いて西家・瑠美さんの手は
ドラ瑠美手牌
この手はチャンタ・ドラ、チャンタ・789三色同順・ドラ、純チャン・三色同順・ドラなど5200~12000の手になりそうですが、ペン、ペン、カン、カンなど愚形受け入れが4つもあり、三色同順狙いなら更に愚形が増えることになります。
後、789三色狙いの場合、ドラ表示牌が1枚少ないのでここが待ちになった時はアガれない可能性が高いです。
ツモツモ切り
最後に北家・多井さんの手は
ドラ多井手牌
ソーズは引きでのリャンメン、引きリャンカン、一盃口もある形になります。
また、ドラ引きでもリャンメンで使えます。
ソーズは引きで使えます。
またピンズが待ちになると強い形で暗刻の外側待ちになります。(5が真ん中で467はすべて外側待ち)
他家はを使いづらくなっていて、ある程度出アガリも期待できます。
ツモ打
次巡、魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
4対子になり、七対子2シャンテン。
同巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
ドラにくっつき、安全牌気味の切りで目いっぱいの形。
また同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
切りでペン待ちでリーチした時の布石を打ったのとソーズは受け入れとドラくっつきでも使える形でどこも切りたくなかったのでしょう。
特にペンは場を見てみると
魚谷捨牌
丸山捨牌
瑠美捨牌
多井捨牌
丸山さんの捨牌の、瑠美さんの捨牌のを見ると、この2人はを持っている可能性が低いと見ます。
特に丸山さんはと持っていてもタンヤオ確定でない限りはとは切らないものです。
またとあっても1メンツ+雀頭でこれもタンヤオ確定以外での切りはあまりありません。(例外として対々和、三暗刻は切る)
瑠美さんはチャンタ、789三色同順狙いなのでと持っていたわけですが、この時点で山には3枚残っています。
次巡、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
これで789三色の種6枚になりましたが三色にはあと3枚、チャンタ・三色の4シャンテンとスピードで明らかに遅れています。
次巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
引き5対子で七対子1シャンテン、次にツモならテンパイ。
日吉さんは「四暗刻を捨てました」と実況されていますが、四暗刻を見るには早過ぎます。
同巡、瑠美さんは
ドラ瑠美手牌
対子ができ、やっと3シャンテン。
そして次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
一盃口完成で1シャンテン、ドラ表示牌で後々当たり牌になりそうなから処理しています。
多井さんはペンによほど自信がお有りのようです。
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
最初に伝えた、強い形の待ち即リーチ。
この待ちなら山にもある可能性は高いでしょう。
は魚谷さんに2枚、丸山さんに2枚の純カラ、は丸山さんに2枚の山に2枚、は魚谷さんが1枚切り、丸山さんに1枚で山に2枚の2+2=4枚です。
リーチの次巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
多井さんの現物がありますが南場でラス目の丸山さんはここを反撃のチャンスと見たようで、1シャンテンを維持。
次巡、丸山さんは
ドラ丸山手牌
多井さんの当たり牌を重ねてテンパイ即リーチドラタンキ待ち。
は丸山さんに1枚と瑠美さんに1枚で山には残り2枚。
丸山さん追いかけリーチの次巡、多井さんがツモアガリ。
リーチツモドラ裏ドラ多井手牌
このアガリはリーチ・ツモ・一盃口・赤・裏の2000-4000です。(+1000)
多井さんのペンが山にいる読みが見事にハマった一局でした。
丸山さんの粘りも良かったですがドラタンキ待ちでは枚数的にも厳しく(最大3枚まで)出やすい待ちでもありません。
このアガリで
魚谷 27500
丸山 8700
瑠美 31700
多井 32100
多井さんは一躍トップに立ちました。
この試合は結局、
多井 +52.7
瑠美 +4.0
丸山 −16.3
魚谷 −40.4
この日のトップで多井さんは4年連続+200ポイントを達成します。
更に4着回避率1位も決定しました。
今回のまとめ
・奇数のリャンカン形と偶数のリャンカン形、とでは変化の少なさから偶数のリャンカン形が劣る、はだけ、はだけしか横に伸びない
それに対しはでリャンメンに変化、そこから西ヨーロッパ形も悪形でに劣る
・序盤の捨牌から山にある牌が見えることもある(丸山さん、瑠美さんからは山にある)
・暗刻+1牌形、などの形は暗刻の外側の牌は特に他家にも使いづらく(メンツにしづらいから暗刻や対子の縦でしか使えない)、自分にはアガりやすい良形
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