2022年08月26日
ちょっとだけMリーグ#35
今回もMリーグの一局だけを取り上げます。
今日の主役は佐々木寿人プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/Y8egWL5O17g
2020年2月3日 第1試合
南3局
東家 石橋 伸洋 33800
南家 沢崎 誠 20700
西家 魚谷 侑未 22600
北家 佐々木 寿人 22900
(敬称略)
トップ目が石橋さんで二着目寿人さんや三着目魚谷さんは満貫ツモでもトップ目になり、有利にオーラスを迎えます。
ラス目の沢崎さんも跳満ツモ以上ならトップ目です。
最初に親・石橋さんの手は
ドラ石橋手牌
この手は役なしリーチになりそうな4シャンテンでが対子になればポンもありますが鳴いた後の形的に微妙で、鳴くにもスピードは微妙な手です。
石橋さんはトップ目というのもあり、放銃だけは避けたい場面です。
他家リーチにはいつでもオリられる格好にしておきたい所。
ツモツモ切り
次に南家・沢崎さんの手は
ドラ沢崎手牌
第1ツモで4対子なら七対子2シャンテンでと三元牌が揃っている事から小三元ならアガれそうです。(大三元は3種類とも対子以上になってから)
小三元だけでは満貫止まりにつき対々和・小三元や混一色・小三元にして最低跳満〜にしたい所です。
沢崎さんはラス目で3000ー6000ツモでもトップ目になれるので点棒状況的にも跳満以上にしたい場面。
ツモ打
第一打字牌で対子手や字牌対子の存在を薄める意味合いもあります。
土田さんは「大三元の匂いを消す」と表現されています。
例えば
ドラ例1
こんな手なら混一色、七対子、対々和など一色手や対子手を考えるものです。
たとえ孤立牌のでも切らず、対子になればポンを考えたり混一色・七対子などでも使える牌です。
1枚だけ先に切っておくと、そういう可能性を薄くする一打ですががカブると痛い一打にもなるデメリットもあります。
このを寿人さんがポン。
ポンドラ寿人手牌
は寿人さんの自風でドラ対子、3900〜が見えています。
ここで寿人さんが3900をアガると三着目を4000点差ほど離した二着目かつトップ目と7000点差で満貫ロン、1600−3200ツモ圏内に詰め寄ります。
これはオーラス逆転トップまで見た鳴きの意味です。
この後、沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
三元牌すべてが対子になり、これを3つポンすれば大三元テンパイになります。
麻雀プロの方で大三元パオ(包:役満を確定させる鳴き、大三元の3つ目ポン、大四喜の4つ目ポンなど)させる人は滅多に居ないと思いますが、大三元、大四喜など鳴いてもアガれる役満はキー牌さえ鳴かせなければアガれない役なのでガンガン絞って(鳴かせない)かまいません。(まれに1つポン、2つポンでアガる猛者もいますが)
この手は5対子で七対子1シャンテンで1600点、リーチで3200点では点数的に物足りず、三元牌をポンする方が満貫〜になってトップ率も上がります。
ポンで順番が飛びましたが西家・魚谷さんの手は
ドラ魚谷手牌
赤一枚あるメンツ手がメインで自風とがあり対子になればポンしていく手もあります。
ドラなのでは簡単には切れない牌で、遠くに678三色もありますが、赤やの方を大事にする手に見えます。
ドラを引けばリーチ・平和・赤・ドラの満貫もあり、トップが見えてきます。
仮に今局で満貫ロンでも、オーラスで3200点以上をアガればトップです。
魚谷さんも300点差で二着目の寿人さんと似た状況だと言えます。
ツモツモ切り
このを沢崎さんがポン。
ポンドラ沢崎手牌
この直後、魚谷さんが切ったを寿人さんがチーして打。
チーポンドラ寿人手牌
まだ3900点の2シャンテンですが、マンズかピンズにくっついてソーズリャンカンをチーできればテンパイできます。
切られたを沢崎さんがポンして打。
ポンポンドラ沢崎手牌
これでどれかポンすればテンパイになる1シャンテン。
ですが寿人さんにがあり、カンが埋まれば沢崎さんにポンされてテンパイが入ってしまいます。
魚谷さんは
ドラ魚谷手牌
は切ったのには切らず打。
魚谷さんから3枚見えでは強い待ちになります。
そういう理由から寿人さんの鳴きは無視して切ったと思われます。
ですがこれを寿人さんがチーして1シャンテン。
チーチーポンドラ寿人手牌
沢崎さんの手が進むが出ない形になったのは寿人さんにとってラッキーの1つです。
その2巡後、寿人さんテンパイ。
チーチーポンドラ寿人手牌
この次巡、沢崎さんがドラをツモ切り。
これをテンパイしていた寿人さんがポンして打。
ポンチーチーポンドラ寿人手牌
ドラポンしてタンキ待ちになりましたが沢崎さんが
ポンポンドラ沢崎手牌
ポンしていて対々和・でも満貫、ここに1枚でもあれば小三元、大三元も考えるはずで、それなら跳満〜役満まであります。
もし沢崎さんが大三元ならシャンポン待ち高目で当たり牌の可能性が高いを自分の待ちにもしたい。
そこから寿人さんはタンキ待ちにして沢崎さんの大三元を防ぐ目的も最初から想定していたと思われます。
そういう意味のドラポン、裸タンキです。
その次巡、寿人さんはそのタンキ待ちにチェンジ。
ポンチーチーポンドラ寿人手牌
このツモ直前、沢崎さんのをポンしたので元々はは沢崎さんのツモでした。
ドラポンしなければ沢崎さんは大三元出来合いテンパイが入っていました。
ポンポンドラテンパイ例1
どこまで寿人さんが意識していたのかは謎ですが、この嗅覚は伊達じゃない(格闘倶楽部だけに)。
おそらくここにドラ引きなら加カンして跳満以上にするプランも算段済みでしょう。
次巡、石橋さんは
ドラ石橋手牌
七対子で粘っていますが、切れない牌が多く苦しい形。
この同巡、魚谷さんも
ドラ魚谷手牌
カンとカンが残っていて寿人さんはドラポン、は場に2枚切れとソーズ変化やドラ引きにも期待できません。
3巡後、沢崎さんはツモ切りでこれは3枚目のです。
魚谷さんはこれをチーして・赤3、満貫テンパイカン待ち。
チードラ魚谷手牌
残りツモ3回になった時、魚谷さんがツモ。
沢崎捨牌
沢崎さんの捨牌を見るとマンズは、ピンズは、ソーズはが切られています。
当たり前の話ですが、捨牌は手牌の中で不要なものが切られます。
つまり捨牌の反対が手牌の中にある可能性が高いわけです。
ということはマンズは、ピンズは、ソーズはのどれかがある可能性が高いわけです。
そう考えるとピンズはのどれかを持っているだろうと考えられます。
となるとはロンかチーかポンされる可能性が高い牌と言えるでしょう。
魚谷さんは沢崎さんの下家なのでポンかロンしかありませんが。
実際、沢崎さんは
ポンポンドラ沢崎手牌
カンチーできる1シャンテン。
魚谷さんはツモ切り。
ここで困ったのが次巡の石橋さん。
ドラ石橋手牌
ここで前巡、魚谷さんの通した切りすると、沢崎さんがチーしてテンパイ。
チーポンポンドラ沢崎手牌
個人的にここは寿人さんが前巡通した切りで良かったと感じます。
寿人さんが1枚切り+ドラ表示に1枚+石橋さん1枚の3枚見え、寿人さんドラポン3枚見えでシャンポン待ちもなく、リャンメン待ち、カンチャン待ち以外はタンキ待ちしかないのと寿人さんが通したばかりで少なくともこの1巡は通ります。
周囲の牌が見えないピンズよりは鳴かれにくく、私なら切りします。
この同巡、寿人さんがツモ切り、魚谷さんのアガリです。
ロンチードラ魚谷手牌
このアガリは・赤3、8000点でした。
大三元をめぐり沢崎さんと寿人さんが争う中、漁夫の利を得た形の魚谷さん。
これで
石橋 33800
沢崎 20700
魚谷 30600
寿人 14900
寿人さんをラス目に落とす大きなアガリとなりました。
この試合は最終的に
魚谷 +59.9
沢崎 +4.4
石橋 −19.2
寿人 −45.1
で終了します。
今回のまとめ
・仮に役満相手でも鳴くタイプの役満(大三元、大四喜、清老頭)はキー牌を鳴かせなければかなりの確率でアガリを防げる(大三元は、大四喜、清老頭)
・それを利用してパオ(包)になる牌を待ちにする手はある(ポンが入り寿人さんタンキ待ち)
ポンチーチーポンドラ寿人手牌
↓魔王頑張れ!な人はクリック
麻雀ランキング
にほんブログ村
【このカテゴリーの最新記事】
この記事へのコメント
コメントを書く
この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/11559281
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。
この記事へのトラックバック