今回もMリーガーの良い部分に注目して一局だけ掘り下げます。
今日の主役は瀬戸熊 直樹プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/9fYhjDfdNQ0
２０１９年１０月２６日 第２試合
東４局２本場
東家 勝又 健志 54900
南家 鈴木 たろう 12500
西家 茅森 早香 17900
北家 瀬戸熊 直樹 14700
現在、勝又さん一人が大きめのトップ目で他家３人は団子状態。
瀬戸熊さんは二着目と3200点差で2600ロンや500-1000ツモでも二着目になり、またラス目とも2200点差で400-700ツモでも入れ替わってしまいます。
ここは大きいアガリ、満貫以上のアガリが欲しい場面です。
トップ目との点差が大きく、できればトップ目から直撃したい所でもあります。
最初に親・勝又さんの手牌は
ドラ勝又手牌この手はドラ対子でリーチ・ツモ・ドラ２で4000オールになるので好形待ちにしてツモりにいくか１２３三色や平和をつけて役ありでアガるかのどちらかのプランで良さそうです。
ツモ
打次に南家・たろうさんの手は
ドラたろう手牌最初から４対子で七対子２シャンテンや
で一盃口、暗刻が増えれば対々和や三暗刻もあります。対子の多さを意識しつつ対子手を中心に見る手のようです。
ツモ
打続いて茅森さんの手は
ドラ茅森手牌この手はマンズ２メンツ、ピンズ２メンツの予定で進めます。
もしピンズが伸びればピンズ一気通貫やピンズ混一色を見ます。
ツモ
打最後に北家・瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌この手は
や、がありこちらも対子手を意識しながら進めましょう。対々和や三暗刻、その先にはツモり四暗刻もあります。
ツモ
打次巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌これで
があり＋の２ターツと見ます。マンズ１メンツ、ソーズ２メンツ予定で雀頭はドラ対子で後１メンツ作れば良いだけです。
同巡、たろうさんは
ドラたろう手牌一盃口は残るものの、対子手を見ているようです。
もしこの手を七対子と見るなら１シャンテン。
次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌カンはまだ保留しておき、１シャンテンになったら考える程度で良いでしょう。真ん中に近い
に
や
がくっつけば良い待ちにもなります。 例１例２例１なら
、例２は待ちですが自分から４枚が見えているのが大きく、その外側は相手に使いづらく、山にも残っていそうです。次巡、勝又さんは
ドラ勝又手牌ドラ暗刻で12000は確実になります。
その２巡後、勝又さんは
ドラ勝又手牌ソーズリャンメンターツができ、次にツモ
で一気通貫の目ができました。例３例４例５例３に
、例４に、例５に引きなら一気通貫です。同巡、茅森さんは
ドラ茅森手牌暗刻ができ、カンチャンとペンチャンが残る２シャンテン。次巡、瀬戸熊さんは
ドラ瀬戸熊手牌などピンズを横に使える形に。２巡後、たろうさんは
ドラたろう手牌七対子
タンキ待ちテンパイ。ダマテンでは1600は2200点ですが三着目から直撃なら三着目になれます。
次巡、たろうさんは
ドラたろう手牌タンキ待ちにチェンジ。この同巡、瀬戸熊さんは
アンカン
ドラ槓ドラ瀬戸熊手牌アンカンでカンドラのリンシャンツモ。ここから打
。ラス目の瀬戸熊さんはリーチして２倍になった裏ドラ狙いか
ポン含みの対々和も考えています。次巡、勝又さんは
切りでたろうさんの当たり牌ですがこれをスルー。この同巡、茅森さんは
ドラ槓ドラ茅森手牌カンドラが３枚も乗り、満貫以上になった茅森さんは２シャンテン。
更に次巡、茅森さんは
ドラ槓ドラ茅森手牌
引きテンパイになる１シャンテン。また同巡、瀬戸熊さんは
アンカンドラ槓ドラ瀬戸熊手牌が暗刻になりテンパイした瀬戸熊さんは即リーチ！これは出アガリでもリーチ・
・三暗刻・対々和の跳満、ツモれば四暗刻です。次巡、
タンキ待ちになったたろうさんは追いかけリーチ！ドラ槓ドラたろう手牌たろうさんの
は場に１枚切れ、山に２枚。瀬戸熊さんの
は茅森さんに１枚であと１枚、はあと２枚。この２軒リーチを受け、ドラ３の茅森さんは２シャンテン戻し。
次巡、瀬戸熊さんは
リーチツモアンカンドラ槓ドラ裏ドラ槓裏ドラ瀬戸熊手牌四暗刻になるツモ
の役満、裏ドラ３枚もおまけに乗ってますが、役満には関係ねえ！byよしお瀬戸熊さんは役満の２本場、8200-16200ツモです。（+1000）
このアガリで
勝又 38700
たろう 3300
茅森 9700
瀬戸熊 48300
勝又さんに１万点近く差をつけたトップ目になりました。
この半荘でラス親の勝又さんに2400点差まで迫られた瀬戸熊さんトップで終了します。
瀬戸熊 ＋７５．２
勝又 ＋３１．８
たろう −３４．５
茅森 −７２．５
もしたろうさんが七対子アガリ
を見逃ししなければ生まれなかった役満です。今回の瀬戸熊さんのように対子が増えれば対子手に決め打ちしてみるのを個人的におすすめします。
瀬戸熊直樹は１９７０年８月２７日生まれ、千葉県八千代市出身。
１９９８年、プロテスト合格。
２０００年、鳳凰戦A２リーグ昇級。
２００４年、A１リーグ昇級。
２００６年、發王位獲得。
２００９年、鳳凰位獲得。
２０１０年、鳳凰位連覇。
２０１１年、十段戦制覇。
２０１２年、十段戦連覇。３度目の鳳凰位獲得。
２０１３年、十段戦３連覇。
２０１６年、７年連続出場していた鳳凰位決定戦に出られず、スランプと噂される。
２０１８年、Mリーグドラフトにてチーム雷電から２位指名される。
２０２１年、A１リーグ最下位で初めて降格と１８年ぶりのA2リーグ参加決定。
２０２１年、最強戦優勝。
瀬戸熊プロは日本プロ麻雀連盟時代の多井隆晴プロと親しい関係にあり、瀬戸熊さんが最強戦優勝時に多井さんが最近落ち目の僕に対して『セトが本気になったらこんなもんじゃない』と言われた言葉がずっと支えになったと仰っています。
發王位決勝卓での親連荘から「クマクマタイム（KKT）」、片山まさゆき氏の漫画で「卓上の暴君」と呼ばれる。
趣味はパチンコで近所のホールを「ベル子ちゃん」と呼ぶ。
また奥さんには頭が上がらないらしく、小遣い制を導入しています。https://youtu.be/aT4d57s5GPo
雀風はあまり鳴かないメンゼン特化型でそういう意味では同チームの黒沢咲プロや村上淳プロに近い。
インタビューでは、他の事は何も知らなくていいくらいの麻雀職人になりたいと語っている。
Mリーグ初年度には７チーム中最下位で「自分がA級戦犯なのは間違いない」とも。
Mリーグ２０１８−２０１９は−２８３．４ポイント（２１人中２０位）、２０１９−２０２０は＋２０．９ポイント（２９人中１２位）、
２０２０−２０２１は＋５７．０ポイント（３０人中１１位）、２０２１−２０２２は−４０５．５ポイント（３２人中３２位）。
瀬戸熊さんはMリーグのような一発・赤・裏ありルールでは連盟ルールとの大きな違いに対応できていないように見えます。
赤３枚ある分、食いタンでも満貫になりやすかったり役牌ポンでも1000点になりづらい、リーチの打点が跳満や倍満になりやすく一度の放銃が命取りにもなりかねません。
鳳凰戦でA2リーグに降格してしまった瀬戸熊プロの復活を望む声も多いんじゃないでしょうか。
今回のまとめ
・３度の鳳凰位、３度の十段位など連盟のタイトル多数
・多井隆晴プロと盟友で多井さんも認める実力者
・最近はA2リーグ降格など落ち目に見えるが最強戦２０２１優勝
・家は小遣い制で奥さんの力が強い
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