2022年07月08日
ちょっとだけMリーグ#12
このところ沢崎さんの回が続いて肝心のMリーガー企画が途絶えてしまい申し訳ありません。
今回から通常回に戻ります。
この企画はMリーガーの良い部分に注目し、一局だけを掘り下げるものです。
今日の主役は伊達 朱里紗プロです。
まずは動画からご覧ください。
https://youtu.be/tmCTF5Zk5P0
2021年1月31日第2試合
東3局になり、点棒状況は
東家 伊達 朱里紗 28800
南家 多井 隆晴 21800
西家 小林 剛 25800
北家 堀 慎吾 23600
(敬称略)
前局、伊達さんが裏ドラ2枚乗せて親番を迎えた東3局、親の伊達さんがトップ目ですが二着目とはたった3000点差、伊達さんはこの親番で二着目を引き離すような大きめのアガリが欲しい状況です。(12000、18000など)
それ以外の他家はトップ目に追いつくようなアガリが欲しい、後はトップ目の親番は流してしまいたいと思っているはずです。
親の伊達さんの手は
ドラ伊達手牌
パッと見でも345三色同順やダブ、などが重なるとポン、メンゼンでも鳴きでもアガリの見える手になりそうです。
ここから19字牌を切るとタンヤオ・三色同順・赤2の12000、ピンズカンチャンが変化して平和になることもあります。
ツモ打
次に南家・多井さんは
ドラ多井手牌
すでに2メンツ完成のメンツ手3シャンテンですが雀頭がなく赤もドラもありません。
この手にでも引けばタンヤオ、雀頭ができてリャンメン待ちになれば平和もあります。
だいぶ遠くに234三色もありますが現時点では先程あげたタンヤオか平和狙いで進めます。
また、役牌が重なってポンもありますが赤・ドラがないので鳴かない寄りです。
ツモ打
次に西家・小林さんは
ドラ小林手牌
この手は789三色同順が最初から見え、横に伸びれば平和、やがありタンヤオは難しそうです。
ここから456を全部切る展開になればチャンタ、更に字牌を切れば純チャンもあり、純チャン・三色同順ならリーチして跳満にもなります。
後は役牌が重なればポンもありますが、1000点のポンはあまりしたくない手です。
ツモ打
最後に北家・堀さんは
ドラ堀手牌
最初から5ブロックあり平和が見えます。
タンヤオにはやがあり不確定の形。
役牌があり対子にしてポンもあります。
また、ドラが1枚ありこれを対子にするかターツにする必要があります。
そうなった場合、愚形受け入れでここが待ちで残りやすくなるので、他家とぶつかった時は負ける可能性が高いかもしれません。
ツモ打
次巡、伊達さんは
ドラ伊達手牌
暗刻ができ2シャンテン、カン、カンチーのどちらかなら鳴ける手です。
たとえば
チーチードラテンパイ例1
これなら3枚使いでその外側が狙い目の三色同順・赤2、5800点待ちです。
同巡、小林さんはツモで
ドラ小林手牌
789三色も見えてきたのとドラくっつきもあります。
今後が重なったりドラ2枚引きなら
手牌例1
手牌例2
また同巡、堀さんは
ドラ堀手牌
1メンツ完成で2シャンテンと一歩前進。
次巡、伊達さんはネックの片方が埋まり
ドラ伊達手牌
後は残りのネック、カンがどうなるか、枚数などに注目する場面。
最初の1シャンテンは伊達さん。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
雀頭候補が2つになり2シャンテン。
次巡、伊達さんはツモでツモ切りしますが
ドラ伊達手牌
とすればツモにも対応できますが、安全牌を一枚は持っておきたかったのと待ちをの待ちにしたかったのだと想像されます。
また同巡、多井さんは
ドラ多井手牌
雀頭ができ、メンツ手2シャンテン。
同巡、堀さんはドラ切りでタンヤオ意識のようです。
ドラ堀手牌
次巡、多井さんは
ドラ多井手牌
マンズへのくっつきとピンズ、引きも見ています。
平和かタンヤオの役ありにしたい所。
ピンズ引きによっては一盃口もあります。
同巡、小林さんは
ドラ小林手牌
4対子になり七対子の2シャンテンで、次にツモなら七対子1シャンテンに取る手です。
同巡、堀さんは対子になり打
ドラ堀手牌
次巡、伊達さんが2巡連続のドラツモ切りでドラを取っておけばこんなテンパイにもなっていました。
ドラテンパイ例2
三色同順・赤2・ドラ2の18000テンパイもありました。
同巡、多井さんはドラ引き打
ドラ多井手牌
また同巡、小林さんはツモ打
ドラ小林手牌
引きも見ながら、789三色同順を中心に見ています。
同巡、堀さんはツモ打で
ドラ堀手牌
678三色変化もわずかにあるピンズ上メンツも考えています。
後はのうち2枚引きリーチも。
次巡、多井さんはマンズを処理して
ドラ多井手牌
ピンズ2メンツ+ソーズ2メンツかピンズ1メンツ+ソーズ3メンツ形に。
また同巡、堀さんはツモ打。
このを伊達さんがチーして打テンパイ。
チードラ伊達手牌
伊達さんの捨牌と仕掛けを見ると
伊達捨牌
チードラ伊達手牌
捨牌を見てもドラが不要で食いタンを意識させるもので、伊達さんの手はタンヤオ・三色・赤やタンヤオ・赤2、5800点のような手を連想させます。
つまりが盲点になるわけです。
それ+が伊達さんから3枚見えでその外側が山に眠っている可能性が高いとも言えます。
ここで切ったを堀さんがポンして打。
ポンドラ堀手牌
普段ならポンの1000点は仕掛けない堀さんが鳴いているのは気になります。
この次巡、多井さんがツモ切りでますますスジのが切りやすくなりました。
同巡、小林さんは前巡、堀さんが切った切り。
ドラ小林手牌
次巡、伊達さんはツモで
チードラ伊達手牌
ここからのどちらを切るのか?の二択です。
切りの場合、三色同順・赤2の5800点まで。
切りの場合、待ち高目のタンヤオ・三色同順・赤2、12000点テンパイ。
アガりやすい5800と高目12000点の比較ですが、はまず出ないと思われますが、高目が外側寄りのなのでまだ狙い目です。
点棒状況からトップ目とはいえ大きめアガリが欲しい伊達さんの立場からは12000点が魅力的に見えるのでしょう。
ここは切りタンヤオに取りました。
チードラ伊達手牌
同巡、堀さんはツモ切り、これに伊達さんからロン。
ロンチードラ伊達手牌
高目ロンで12000点、二局連続で伊達さんは堀さんから計20000点をもぎ取りました。
そこから伊達さんと多井さんとのマッチレースになり、
トップ 伊達 朱里紗 39600
二着 多井 隆晴 36700
三着 堀 慎吾 13300
四着 小林 剛 10400
(敬称略)
とトップはハナの差、2900点差で伊達さんに。
2013年、声優事務所に所属。
2014年、麻雀を扱ったアニメ「咲-Saki-全国編」への出演から麻雀にハマる。
個人的に親しい小山剛志氏がオーナーを務める雀荘「オクタゴン」でフリーに毎日通うようになる。
2019年、日本プロ麻雀連盟のプロ雀士になる。
2021年、連盟の30歳未満の女流プロを集めた第1期桜蕾戦で優勝、初めてのタイトルを獲得。
同年8月、Mリーグドラフト会議でKONAMI格闘倶楽部から1巡目指名を受ける。
更に同年11月18日、Mリーグ史上最高スコア105500点トップを取り話題になる。
このトップにより年間最高得点のタイトルを獲得。
2022年、21半荘でMリーガー32人中4位の成績を収める。
今後の活躍が期待される女流プロの一人。
伊達さんは声優でありながらプロとしても活躍されている一人です。
プロ暦3年目でMリーグデビューは異例の抜擢で他の女流プロより好成績を収めています。
私の見立てでは押し引きは女流でトップクラスと言っても過言ではないでしょう。
多少、強引な仕掛けが見受けられるものの、着順への意識が強く見えます。
私から見ても彼女が連盟の鳳凰戦A1リーグに上がる日もそう遠くないんじゃないでしょうか。
今回のまとめ
・「咲-Saki-全国編」から麻雀にハマる
・プロ歴3年目でMリーガーの異色の存在
・Mリーグ最高得点105500点の記録を出した人
・彼女の押し引きは女流トップクラス
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