2022年06月12日
ちょっとだけMリーグ#2
今回はいつもと趣向を変えて過去のMリーグの試合で注目の1局だけをピックアップして自分なりの解説を入れつつ選手の魅力にも迫ろうかと思っています。
今日の主役は沢崎誠プロです。
まずは先に動画からご覧ください。
https://youtu.be/Z7h9GCrrpZU
今回は南2局で点棒状況は
東家 沢崎 誠 51900
南家 佐々木寿人 2800
西家 萩原聖人 14800
北家 石橋伸洋 30500
(選手名は敬称略)
トップ目の沢崎さんは二着目と21400点差で、放銃せずオーラス石橋さんの親さえ流してしまえばかなりトップが取れる局面です。
お詫び:今回は動画の都合上、3巡目途中からになります。ご了承ください。
Mリーグルール:テンパイ連荘、食いタン・後付けあり、赤3枚、途中流局なし、ダブロン・トリロンなしなど
西家捨牌
ツモドラ萩原手牌
萩原さんのこの手、ピンズ一気通貫と789三色同順を見てなのだと思いますが、ここで一気通貫を見ると唯一の雀頭を失ってしまうのと一気通貫にはが必ずいるのがネックで、私なら2巡目のは切らず打、789三色と平和を見て進めます。
ただでさえ最短あと3局で二着目と15700点差の三着目ではそうそう高い手は入らないと思われますし、まずは満貫くらいを目標に進めるのでいいでしょう。
この手にとドラがありリーチ・平和・赤・ドラの満貫くらいならアガれそうです。
萩原さんはネックのペンを引き、打。
次に石橋さんは
ドラ石橋手牌
この手はと赤2枚+ドラと役牌2つあり、これはどこからでも鳴いて良い手です。
当然からポンでも、カン、チーでもOKです。
ただしチーはタンヤオっぽく見せられないので鳴くのならよりはです。
ここで石橋さんは打としますが、くらい切ってもいいかなとは感じます。
今後のマンズを全部ツモ切ってしまうよりはマンズ多面張も見て残すのはアリだと思います。
次に沢崎さんの手牌は
ツモ打ドラ沢崎手牌
赤もドラも無く役もまだ見えていない状態でペン受け入れがネックでアガリは難しそうで微妙な手です。
沢崎さんは親の押しが強いのでおなじみですが、安くてメンツ手3シャンテンでは相手リーチが入ると押し返しづらいでしょう。
続いて南家の寿人さんは
ドラ打寿人手牌
マンズ2メンツや789三色同順も見て打。
ドラ引きやドラ待ちも考慮した一打です。
萩原さんは引きで789三色や平和が現実的に。
ドラ打萩原手牌
すでに受け入れの1シャンテン一番乗り。
ここで萩原さんが切ったを石橋さんがチーして打。
チードラ石橋手牌
これでチー、ポンならテンパイの1シャンテン。
この次巡、石橋さんが引きテンパイ。
チードラ石橋手牌
・ドラ・赤2満貫の待ちテンパイ。
次巡、親の沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
ペンが残るメンツ手2シャンテン。
その後も沢崎さんは
ツモ打
ツモ打
ツモ打
ツモ打
ツモツモ切り
で沢崎さんは
ドラ沢崎手牌
カンと受け入れのタンヤオ1シャンテン。
この同巡、寿人さんはドラを対子にして
ドラ寿人手牌
この役なしドラ2の1シャンテン、二枚切れのを安全牌代わりにして、いつでもリーチしそうな構えにしています。
この同巡、石橋さんが三暗刻で役牌のを引きますがツモ切り。
トップ目の沢崎さんと石橋さんは21400点差でドラタンキ待ちなら・三暗刻・赤2・ドラ2で倍満ですがさすがに石橋さんからドラ表示牌を含めた3枚見えで、待ちなら山にも居そうです。
あわよくば沢崎さんから8000点直撃なら一気に5400点差まで迫れます。
チードラ仮想テンパイ形1
この次巡、沢崎さんがツモで打。
ドラ沢崎手牌
この時の石橋さんの捨牌が
石橋捨牌
石橋さんはでテンパイですが、捨牌にと3〜7牌が多く、タンヤオには見えません。
後は字牌が第一打以降、他の字牌が1枚しか切られていないのは不自然です。
これは「手役の見えない鳴きは役牌暗刻か役牌バック」に当てはまるのでこれは字牌を使った手だろうと推測できるわけです。
それに345三色同順狙いなら、タンヤオ狙いになるのが自然です。(タンヤオ・三色・赤2など)
また、石橋さんは切り以降、ずっとツモ切りを繰り返しています。
ここにも沢崎さんは違和感があったのかもしれません。
沢崎さんはテンパイまで切らないのかと思いきや次巡
ツモ打
ドラ沢崎手牌
と完全にオリてしまいました。
点棒を持っているトップ目だから選択肢も広がりいつでもオリられるのが強みですが、この辺りの繊細な押し引きも沢崎さんの持ち味だと言って良いでしょう。
もう少しアガりたい場面でも手牌に執着せずオリられるのも、相手に敏感なベテランらしい選択です。
どうしても四暗刻ツモや親連荘のような攻撃的イメージが強い沢崎さんにもこんな一面があります。
目無しになった時、ファイナルシリーズでも他家に鳴かせたり放銃しないように黒子に徹していたり人によっては評価されにくい部分での活躍が光る、良い選手です。
この同巡、萩原さんが上家寿人さんのをチーしてテンパイ。
チードラ萩原手牌
ならアガれる方の789三色同順・赤・ドラ3900点テンパイ。
その後萩原さんはションパイをつかんでオリ。
その次巡、萩原さんが引きでテンパイ復活。
チードラ萩原手牌
ただしは石橋さんに暗刻で純カラ。
その後萩原さんもオリて石橋さん一人テンパイで流局しました。
チードラ石橋手牌
メンツを構成する時に3と7はタンピンでもチャンタ・純チャンでも使える牌でこれを使わない=それ以外の手の可能性が高い、と言えるわけです。
また、456は孤立牌でもくっつきの点では優秀で、リャンメン受けを作る時には貴重な戦力になります。(その次が3と7)
つまりこれらを合わせた3〜7牌の切られ方に注目すれば、テンパイ・ノーテンや狙っている役の種類をある程度絞る事ができます。
特に石橋さんが切ったドラ表示牌は開局時から残り3枚でドラそばという事もあり他家にとっても重要な牌の1つです。(ドラ表示牌+ドラ=ドラターツ)
今回のまとめ
・3〜7牌の切られ方でテンパイ・ノーテンや狙っている役の種類がわかる(石橋さんの捨牌の3〜7はとドラ表示牌を含めて何枚も切られている)
・手役の見えない鳴きは役牌暗刻か役牌バック(後付け)
・沢崎 誠選手は受け(守備)た時もスゴイ!
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