2022年05月03日
ちょっとだけMリーグ#1
今回は趣向を変えてMリーグファイナルの最終戦(12試合目)、優勝を決定づけるアガリの出た南2局2本場のみに絞って私のちょっとした解説をおまけしておさらいしてみましょう。
ネタバレの嫌な方は先に動画からご覧ください。
https://t.co/fBM2lrijJm
今回に限り、選手名は敬称略でお送りします、お許しください。
最終戦の前に4チームのスコアは
KADOKAWAサクラナイツ 189.8
セガサミーフェニックス 162.3
渋谷ABEMAS 105.8
KONAMI麻雀格闘倶楽部 ー119.0
とKONAMIだけが3位と224.8ポイントも離されている状況。(1ポイント=1000点、224.8ポイントは点棒に換算すると224800点差、実際はウマとオカがある為多少変わる)
東家 滝沢和典(KONAMI)
南家 多井隆晴(ABEMAS)
西家 近藤誠一(セガサミー)
北家 堀慎吾(KADOKAWA)
敬称略
でスタートした一戦は東場から滝沢の親連荘(6000オール、2700オール、4200オール)で大差がつき、デカトップで終わりそうな展開に。
南2局1本場は多井と堀の激しいぶつかり合いになる。
堀が先制リーチすると
ドラ堀手牌
多井は追いかけリーチ。
多井手牌
終盤に多井がツモり、1000は1100オール。
リーチツモドラ裏ドラ多井手牌
こうして迎えた南2局2本場が勝敗を分ける一局となった。
点棒状況は
東家 多井 24000
南家 近藤 23600
西家 堀 6000
北家 滝沢 46400
最終戦前の4チームのポイント差から、多井はトップを取った上でライバル2チームを三着・四着に落とす必要がある。(サクラナイツと84.0P差、セガサミーと56.5P差でサクラをラス、セガを三着にしたい)
四人の配牌は
ドラ東家配牌
親の多井はの役牌を重ねながら重なったらポンして2900〜を狙いたい。
南家配牌
南家の近藤は平和を見ながら字牌を処理したい手。
西家配牌
西家の堀はメンツ手を見ながら進める手に見える。
北家配牌
北家の滝沢は789三色同順狙いか?
今局の中心となる堀の打牌とツモを中心に進めていくこととする。
親の多井はを対子にして
ツモ打。
これで親はが鳴けるかどうかで進行度合いが変わる。
堀は
ツモ打
ツモ打
ツモ打
ツモ打
で字牌と端牌(1と9)を処理して次の手牌。
ドラ堀手牌
と、堀が受け入れのイーシャンテン一番乗り。
特にドラ受けカンチャンがネックだ。
仮にドラが入ってもリーチ・ドラ2600で逆転手には大きく足りない。
現在、二着目の多井と堀は18000点差で追いつくには跳満ツモか親直撃以外は三倍満ロンが必要になる。(子から倍満ロンでも1400点足らず、親から満貫直撃も800点足りない)
5巡目、近藤はネックのペンを引き、イーシャンテン二番目。
ドラ近藤手牌
この同巡、堀は
ドラ堀手牌
あまり迷わず
ツモ打
とする。
へのくっつきもそれほど悪くないが、マンズの何を引いても対応しやすく受けた。
たとえばダイレクトドラツモやカン、カン引きも悪くない。
あるいはやツモで対子落としタンヤオへの変化もある。
引きなら
ドラ手牌1
引きでも
ドラ手牌2
こうなれば切りでカンチーやポンもできる。
この次巡、ちょっとした事件が起こる。(動画3:08頃)
近藤がツモ山を間違え、違う牌に触れてしまったのだ。
これに裁定が下ったが、近藤は牌を見ていないことから、ノーペナルティとなる。(もし見ていればアガリ放棄のノーテン扱いにもなっていただろう)
近藤は早めのイーシャンテンで多少、焦りの気持ちやプレッシャーに押されたのもあったのかもしれない。
この同巡、親の多井も
ドラ多井手牌
これで多井は三番目のイーシャンテンになる。
引きならテンパイで、即リーチもある。
この同巡、堀は
ツモツモ切り
ここで滝沢の捨牌を見ると、
滝沢捨牌
後に当たり牌になりそうな所ばかり切られている。
滝沢のKONAMIは親番がなくなり実質目無しで、勝者を決める一打をしないよう、黒子に徹する選択をした。
親の多井にも危なそうな牌だが、点棒状況的にメンゼンでリーチを目指していると判断したのかもしれない。(ABEMASはトップが必要)
多井にも欲しい牌だが、堀にも必要牌のドラやカンが先切りされている。
次巡、堀は引きで
ドラ堀手牌
堀はここで小考して打。
ピンズはでと引きでリャンメン受け入れができる。
マンズはどのロスもしたくない判断からだろう。
あとはタンヤオへの変化もある。
ツモ打
次巡、近藤がツモ切ったを多井がポンして打。
ポンドラ多井手牌
これで多井は引きテンパイのさらに形の良いイーシャンテンに変化する。
この同巡、堀はツモで
打ドラ堀手牌
これで引きならタンヤオになる。
あるいはマンズのカンチャンが埋まれば端にかかった平和リーチも打てる。
ドラ手牌3
手牌4
手牌5
ツモ打
次巡、多井と堀はツモ切りだが近藤はさらに良いイーシャンテンに変化。
ドラ近藤手牌
ツモツモ切り
次巡、近藤は
打ドラ近藤手牌
場にドラが二枚切れなのもあり、ピンズとソーズ変化を見てドラ受けを切る近藤。
この同巡、堀はツモ切り。
ツモツモ切り
次巡、を引いた多井はを加カンしカンドラはで堀の手が高くなる。
リンシャン牌で多井の形が良くなる。
加カン多井手牌
多井は少しでも高くしたかったと思うが、鳴いている以上、相手がメンゼンである以上は自分にメリットは薄く、相手には表ドラと裏ドラを2倍にするカンで個人的にはあまりおすすめしない。
それにリーチするか迷っている人もリーチ寄りにしてしまいかねないのも理由だ。
この同巡、近藤テンパイ。
ドラ近藤手牌
1000点テンパイと親に対応する意味も込めてダマテンと思われる。
また、が見えてなさ過ぎるのも変に感じたのかもしれない。
堀はツモ切り。
ツモツモ切り
次巡、多井と近藤はツモ切りの中、堀が魂のテンパイを入れる。
ドラ堀テンパイ形
ツモ打リーチ
待ちリーチ・平和・ドラ2の高目タンヤオ。
この時点で近藤のは場に一枚切れ、堀に二枚のあと1、多井に四枚の純カラで計一枚。
堀のはが場に一枚、滝沢の手に一枚の残り二枚、は近藤と堀に一枚ずつで場に一枚切れの残り一枚で合計三枚。
枚数だけで言えば堀有利だが・・・。
次巡、多井もテンパイ。
加カン多井手牌
ここからアンカンで近藤の待ちが薄いのを見せる。
新ドラでさらに堀の手が高くなる。
リンシャンツモでこれをツモ切り。
近藤のツモはで一発で当たり牌を引くことになった。
待ちのが近藤から見えるだけで5枚なくなり、1000点であまり押す理由もなくなる。
ここで近藤は現物の切ってオリ。
堀は
ツモツモ切り
次巡、多井は引きで顔が歪みながらツモ切り。
同巡、堀もツモ切り。
ツモツモ切り
次巡、多井はツモで苦しそうな表情を浮かべるが、ここは前巡通った切りで対々和へ。
アンカン加カンドラ槓ドラ多井手牌
多井はシャボ待ちだがは場に一枚切れであと一枚、は場に一枚切れ、もう一枚は滝沢の手にあり純カラの合計一枚だけ。
すると最後のを近藤が引き多井のアガリの可能性は0になった。
その同巡、堀のツモには・・・があった。
このままでも嬉しいアガリ(リーチ・平和・ツモ・ドラ3の跳満)だが、もう二枚あれば倍満にもなる。
三枚ある裏ドラ表示牌をめくるとで、一枚だけ乗っていた。
リーチツモドラ槓ドラ裏ドラ堀アガリ形
リーチ・ツモ・平和・ドラ3・裏の跳満の二本場、3200-6200。
これで堀は多井を800点差でまくり三着目になってサクラナイツ初優勝を決定づけるアガリとなった。
南2局2本場終了時
東家 多井 17800
南家 近藤 20400
西家 堀 18600
北家 滝沢 43200
オーラスで堀がラス親で2000オールツモ、7700ロンとさらにABEMASを引き離し、オーラス1本場でもテンパイ・ノーテンを巡る熱いバトルがあったのを忘れてはならない。
それについては須田良規プロがキンマwebに上げているコラムを読んで頂けるとより理解が深まるだろう。
個人的には多井の加カンは不要だったと感じている。
その理由としては多井にカンドラが乗る確率が高くないことと堀のリーチに余計なカンドラと裏ドラを与えるのが大きな理由だ。
他家がリーチする理由を与えるのも良くない。(カン1回で表ドラ2倍、裏ドラ2倍、2回で3倍・・・)
それよりは連荘の可能性を上げる工夫を探す方が現実的だろう。
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