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2016年09月28日

≪横浜の患者連続殺人事件> 医療に詳しい人物関与か・・・痕跡目立ない犯行



横浜市神奈川区の大口病院で点滴に異物を混入された入院患者2人が中毒死した事件は、医療に知識のある人物が関与したとの見方が浮上している。

事件では、中毒症状を引き起こす界面活性剤を含む消毒液が、点滴袋のゴム栓から注射器で混入されたとみられる。

注射器を使った薬液などの注入は日常的な医療行為で、痕跡が残りにくい。

界面活性剤は体内に入ると死に至る可能性がある一方、他の薬品類ほど管理が厳重でなく、悪用が発覚しにくいことを認識していた可能性もある。


【いつ異物が混入?】入院患者が死亡するまでの経過

界面活性剤にはさまざまな種類があるが、医療機器などの消毒液に使われるタイプの成分は殺菌作用が強い。

高い濃度で人体に入ると死に至る可能性がある。

過去には、誤って飲んだ患者が死亡した例や、看護師が誤って点滴に混入した例などが報告されている。

点滴で直接血中に投与し、血中濃度が高まれば危険性が増す。


点滴袋のゴム栓に注射針を刺す方法は、医療現場で看護師らが点滴にビタミン剤などを注入する際に行っている方法と同じだった。

点滴のゴム栓は収縮性が強く、注射針を刺しても密閉性が保たれる上、痕跡が目立たない。

こうした特性が利用された可能性がある。


また、人体に影響の大きい薬品類は保管する数量など管理が徹底されているのに対し、消毒液は厳重に管理されていない。

ナースステーションなどに常備されており、容易に入手することができる。

こうしたことから、医療機器の取り扱いに慣れている人物が関与したとの見方が浮かんでいる。


神奈川県警によると、中毒死したのは横浜市港北区の無職、八巻信雄さん(88)と、同市青葉区の無職、西川惣蔵さん(88)。

界面活性剤が原因の中毒死とされ、県警は殺人容疑で捜査している。


中毒死した2人に投与された点滴と同時期に病院4階のナースステーションに保管され、未使用だった点滴約50袋のうち、10袋前後のゴム栓に貼られた保護フィルムに、細い針で刺した穴が残っていた。

点滴袋には患者の氏名などが記載されているが、捜査関係者によると、2人とは別の複数の患者に投与する予定のものも含まれていたという。

県警は、無差別に界面活性剤が混入された可能性があるとみている。


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