2016年12月11日
総務省はNHKに対して、テレビ番組のインターネットへの同時配信を解禁する方針を固めた。五輪へ向け31年実施目指す。
総務省はNHKに対して、テレビ番組のインターネットへの同時配信を解禁する方針を固めた。
NHKの同時配信を規制している放送法を改正し、平成32(2020)年の東京五輪・パラリンピックに間に合うよう31年からの実施を目指す。
総務省は、すでに解禁している民放各社に対しても、同時配信への積極的な参入を求める方針で、東京五輪・パラリンピックを前に放送の世界は大きく変わることになる。
総務相の諮問機関である情報通信審議会の政策部会は、ネット同時配信に向けた技術的な問題を議論する委員会の設置を決定。来年6月までに中間報告をまとめ、30年6月までに最終的な報告を出す予定だ。
また、この委員会とは別の検討会でNHKの業務範囲について議論している。
総務省はこれらの議論を踏まえ、同時配信の際の著作権処理、通信システムの整備、費用負担の問題の検討を進める。
総務省が解禁を決めたのは「放送とネットの融合」が急速に進んでいるためだ。
スマートフォンの普及で、アマゾンや米ネットフリックスなどの海外の動画配信サービスが参入し、ネットでの動画視聴は当たり前になった。テレビ離れが進む若者を取り戻す狙いもある。
高市早苗総務相は「手軽に番組を楽しんでもらう面からも進めていくべきだ」と語っている。
民放はテレビ東京や東京MXが一部番組で同時配信しているが、拡大には複雑な著作権処理や設備投資が必要となる。
キー局の番組がネットで視聴できるようになると独自番組の制作が難しい地方局の経営が打撃を受ける可能性がある。
NHKは従来、災害時など限定的にしか許されていなかったが、同時配信に意欲的だ。ネット視聴者にも受信料の負担を求めるとみられ、受信料負担のあり方も焦点となる。
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