『運命を拓く 天風瞑想録』 (中村天風著 講談社文庫)は、私にとっての聖書です。
日本人の教典にすべき不朽の名著であると認識しています。
根拠は三つあります。
@ 日本を代表する名経営者である松下幸之助氏(パナソニックの創設者) 、稲盛和夫氏(京セラ創業者)、永守重信氏(日本電産創業者)が、中村天風師を師と仰いでいる。
大リーグで活躍中の大谷翔平さんも 『運命を拓く』を精読しているそうです。
A 『運命を拓く』は、編集に当たった天風会員の堀尾正樹氏が十五年かけて心魂を注いでまとめ上げた渾身の作品である。
天風師の語り口、迫力、感化力、が見事に表現されていて、行間に情熱が溢れている。
B 天風哲学は理屈をこねくり回した訳のわからない哲学ではなくて、実生活に役立つ実践哲学であり、百年以上の伝統と実績を誇る。
天風哲学の教義は極めてシンプルです。
『運命を拓く』から抜粋すると次のようになります。
心を絶対的に積極化し、精神態度を本来あるべき姿に即応させること。
人生は心一つの置きどころ。
人間の心で行なう思い方、考え方が、人生の一切を良くもし、悪くもする、というのが人生支配の根本原則である。
天風教義の目的は、どんな場合にも、たとえば身に病があろうが、なかろうが、運命が良かろうが、悪かろうが、その他の人生事情のいかんにかかわらず、いつも一切に対して、その心の力で、苦を楽しむの境涯に活きる活き方をすることにある。
これが第一義的の活き方なのである。
この本の77頁〜78頁に天風哲学の真髄が書かれています。
「 天風哲学は、たとえ人生に苦難や苦痛はあろうとも、それを心の力で喜びと感謝に振り替えていくのである。
心が積極的になれば、振り替えることが出来るのである。
振り替える方法をいつも教えているではないか。
天風哲学が、世界的にユニークであるというのはここであり、同時にここが最も重要な点である。
であるから天風哲学は、神秘的な宗教的な信仰で導くような、価値のない教え方を断じてしないのである。
どこまでも真理そのもので導いていく努力をしているのである。
『いかなる場合にも、常に積極的な心構えを保持して、堂々と人生を活きる』
ここに天風哲学の最も重点が置かれていることを忘れてはいけない。
さらにわかりやすくいえば、腕に自信のある船乗りは、静かな海より、荒波を乗り切る航海の方が張り合いがあるという。
これと同じく、病や苦難から逃げたり、避けたりせず、『矢でも鉄砲でも持ってこい』 と、苦しみ、悲しみに挑戦し乗り越えていき、自分の力でこれを打ち砕いていく気持ちになれ、というのが、天風哲学の真髄である。」
さらに、この本の238頁に『本当の幸福とは何か』 が書かれています。
「 本当の幸福とは、自分の心が感じている、平安の状態をいうのだ。
いくら心身統一法を何十年やっても、幸福は向こうから飛び込んで来るのではない。
自分の心が、幸福を呼ばなければ、幸福は来やしない。
だから、現在の生活の状態、境遇、環境、職業、何もかも一切のすべてを、心の底から本当に満足し、感謝して活きているとしたら、本当にその人は幸福なのである。」
天風哲学はシンプルでわかり易いのですが、非常に奥が深いです。
繰り返し呼んでいますが、読むたびに新たな気づきがあります。
一生読み続けるつもりです。
あなたにも熟読玩味をお奨めします。
(結論)
『運命を拓く』を繰り返し読もう!
『運命を拓く 天風瞑想録』(著者 中村天風 講談社文庫)
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