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<第1話> 滞納太郎の、その夏・4 [2021/11/11 16:00]
公平で客観的な表現をめざすことは、家族を語る場合、冷たいことなのか。あるいは、冷たく伝わってしまうのか。
勤め人の父が亡くなり、のちに就職でわたしが家を出た。以来、専業主婦の母は県外の実家にひとりでいた。
父が遺した実家を、事業に失敗した(させられた)わたしが抵当でとばすまでは。
二十余年の孤独ののち、愚息のせいで家財をうばわれ知人係累一切ない土地への転居。心中察するにあまりある。
だが共に連帯保証人であった以上は果たすべき責任がある。
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<第1話> 滞納太郎の、その夏・3 [2021/11/09 08:00]
公平で客観的な表現をめざすことは、家族を語る場合、冷たいことなのか。あるいは、冷たく伝わってしまうのか。
人は、老いる。老い方はそれぞれだ。
同居の母は後期高齢者。介護等級は要介助1、生活行動はほぼ単独で可能。時に言動に論理性を欠く。
年齢なりの視力や聴力の衰えがあり、日常生活での支障は明らかだが、認めない。矯正しようともしない。
知覚の不正確は周囲・状況の認知を不正確にし、それゆえ判断や言動も不正確になる。とくに、時間と空間の価値に対して。
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