2020年11月17日
え??サザエさんはこの枠に入りますか??
“スパイ”に“取り違え子”…ジャンプとマガジンで「複雑な家族モノ」が人気のワケ
既刊5巻以下ながら早くも話題を呼んでいるマンガの中で、ともに「家族」が共通のテーマになっている、2つのヒット作品があるのをご存じだろうか。
ひとつは、漫画誌アプリ『少年ジャンプ+』で連載中の、遠藤達哉氏による大ヒット作品『SPY×FAMILY』。2019年3月の連載開始後すぐに話題となり、コミックス第1〜4巻はそれぞれ100万部を突破、9月初旬に発売された第5巻も週間1位に。
現在までに累計発行部数600万部を超える『少年ジャンプ+』の看板作品となっている。
そしてもうひとつが、2020年1月より週刊少年マガジンで連載中の『カッコウの許嫁』。『ヤンキー君とメガネちゃん』や『山田くんと7人の魔女』でも知られる吉河美希氏による最新作で、ラブコメ作品でありつつも、取り違え子という「家族」をテーマにした話題作だ。
『カッコウの許嫁』は、連載開始3ヵ月で同誌の初表紙を飾り、今年5月発売のコミックス第1巻は4週連続で重版に。7月には講談社のコミックス製造部数第1位、純出荷部数第1位、受注数第1位の「三冠」を達成し、11月17日に最新巻にあたる第4巻が刊行される。
ともに家族をテーマにしながら、かたやスパイアクション、かたやラブコメという真逆のテイストを織り込んだ両作品。なぜ現代では「複雑な家族モノ」がウケているのか。
今回は週刊少年ジャンプ編集部『少年ジャンプ+』担当で『SPY×FAMILY』の担当編集者・林士平(りん・しへい)氏と、週刊少年マガジン編集部で『カッコウの許嫁』の担当編集者・乙黒和彦(おとぐろ・かずひこ)氏、それぞれに作品が生まれた背景やマンガならではの面白さを聞いた。
家族モノは読者層が幅広い
まずは両作品について、簡単に振り返っておこう。
『SPY×FAMILY』は敵国に潜入したスパイ「黄昏」ことロイド・フォージャーが、名門校に息子を通わせるターゲットに接近するため、殺し屋稼業を営む妻のヨル、娘のアーニャと疑似家族となり、ひとつ屋根の下で暮らす様子を描く作品だ。
担当編集の林氏によると、ヒットの背景には家族がテーマだからこその、幅広い層からの支持があるそうだ。
林「みなさん『SPY×FAMILY』について色々な受け取り方をしてくださっていて、幅広い年齢層に刺さっているな、と感じています。年齢によって見るポイントも違っていて、アーニャちゃんを自分のように思う幼い読者や、子育ての大変さと楽しさに共感いただいている親世代や、『こんな時期もあったな』という子育てを終えた世代の方もいらっしゃって、それぞれの見方で楽しんでくださっています」
一方、『カッコウの許嫁』は、病院の手違いで「取り違え子」となり、お互いに本来とは異なる家庭環境で育った海野凪と天野エリカが、実の子も育ての子も可愛いと思った両家の思いつきで許嫁になることから物語がはじまるラブコメディ。
同じく『週刊少年マガジン』で連載&アニメ化され、今年2月に完結した『五等分の花嫁』(累計発行部数1250万部以上)と入れ替わる形で、週刊少年マガジンの新たな人気ラブコメ作品となった。
乙黒「連載開始後すぐに注目していただけたのは、過去作品のヒットによる読者の期待や『五等分の花嫁』が終わったタイミングで、ラブコメの需要に上手くハマったことも大きかったと思っています。ですが、あくまでそれは状況の話であって、もともと『カッコウの許嫁』は、読み切りを週刊少年マガジンで3つ掲載して一番人気の作品を連載化する企画から生まれた作品でした。そういう意味でも、最初から作品を好きでいてくれる“初期勢”の方々がついてくれていたことも、後押しになったと思っています」
それぞれ異なるユニークな作品ではあるものの、共通しているのは、シンプルな血縁関係にとどまらない家族の絆や、家族のかたちの多様性が描かれていること。
思えば、2018年に世界三大映画祭のひとつ、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した、是枝裕和監督による疑似家族をテーマにした映画『万引き家族』や、翌2019年の同賞&アカデミー作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』など、昨今は様々な分野で家族を描いた作品が話題になっていた。
これは「これまでの血縁関係だけの家族の在り方への違和感」と「色々な家族があっていい、色んな家族が描かれていい」という、今の時代らしい傾向とも見えるのだ。
そして、『SPY×FAMILY』と『カッコウの許嫁』の場合は、どちらもシリアスになりすぎず、随所にそっと差し込まれるコミカルなユーモアが心地いい。
通常、複雑な家庭を描くとどうしてもエピソードが重くなりがちだ。しかし、そこをマンガ特有のコミカルさで描くことで、「ああ、彼ら彼女たちにとっては何気ない日常なんだな」と思えてくる。複雑な家族事情でも、自然体で応援したくなる姿に共感を覚える内容になっているのだ。
林「僕は小さい頃に『赤ちゃんと僕』(白泉社)がすごく好きだったんです。あそこにも、大家族がいたり、ひとりっ子がいたりと、色んな家庭が出てきていたと思います。
もちろん、『赤僕』は小学生の男の子が幼い弟の世話をしなければいけなくなるという、『SPY×FAMILY』とはまた違うテーマでしたが、実は作者の遠藤さんも『赤僕』が好きだったそうで、「『赤僕』ではこうでしたよね」と、互いの共通言語のようになっていたりもしました」
乙黒「『カッコウの許嫁』の連載がはじまった頃には、既に『SPY×FAMILY』が人気を集めていましたし、カンヌ映画祭で毎年家族をテーマにした映画が受賞するなど、世の中的に『家族』を描いた作品が広く話題になっていました。
そこで、本誌で凪とエリカ、妹の幸の3人が「洋平(海野家の父。凪と幸の育ての親で、エリカ&幸の血の繋がった父親)と釣りに行く回」を恐る恐る出してみたら、意外にもいつもより好評だったんです。
僕の感覚だと、少年誌のラブコメでデートに親がいるのはタブーだと思っていましたし、そもそも『父親と釣りに行って楽しかった回』って、週刊マンガではなかなかないと思うのですが(笑)、その辺りの感覚も変わってきているのかな、と実感しました。これはより家族をしっかり軸に据えていこう、と思うきっかけにもなったと思います」
小説や映画にはない「表現の自由度」
作品自体が面白いことが大前提ではありつつも、映画/ドラマやアニメ、小説など様々なジャンルにおいて、時代の流れとでも言うかのように、共通のテーマが同時に人気を博すことは多くある。
その中において、「マンガにしかできない表現」として二人が魅力を感じる部分はどこにあるのだろうか?
林「たとえば、『キングダム』の群衆を実写で撮ろうと思ったら、『予算は一体いくらかかるんだ? 』という感じですが、マンガの場合『描くことができれば、全て自由に表現できる』のは大きいと思います。動かないがゆえに、想像で埋められる範囲が広いといいますか。そういう意味での表現の自由度は圧倒的に高いのかな、と。
(映像化されていないからこそ、誰に対しても)『世界で一番美しい人』という表現が成り立つように、一番個人の感情がにじみ出せるのは『小説』かもしれませんし、一方で『映画』や『ドラマ』などのビジュアライズされた作品は、人々の間でのイメージのブレが少なくなってより多くの人に届きやすくなる、というようなそれぞれの利点があると思います。僕の中では、その間のいいバランスのところにあるのが、マンガなのかなと思います」
乙黒「実写にしてしまうと、現実にはありえないことを表現するハードルが上がったりしますが、マンガの場合、誰かが2階から飛び降りたときに、それを『偶然無事だった』としても『ケガをした』としても、どちらの方向でも成立させることができると思うんです。
仮にケガをした場合も、翌週に治っていても納得できてしまいますよね。そんなふうに、リアルな表現とフィクショナルな表現の両方を選べて、その先を表現できる自由さがあるとも思います」
最後に、担当編集者としてこれまでの『SPY×FAMILY』『カッコウの許嫁』の家族描写で印象的だったシーンや、「ここを見てほしい」というポイントを聞いた。
林「印象的だった家族のシーンは選ぶたびに変わりそうですが、今思いつくのは、犬(ボンド)が家に来たときの描写です。“憧れの家族”というか、フォージャー家に大きい犬が来た瞬間に、家族感がさらに強まったと思うんです。
4巻の表紙を犬のボンド単体で行く話になったときも、社内的には不安もあったかもしれませんが、『犬も家族ですから! 』と押し切りました(笑)。ボンドは未来が予知できますから、物語もさらに複雑で面白くなってきたように思います。
ただし、作品に入れる要素が増えるほど矛盾も生じやすくなりますし、確かに『考えなければいけないパーツが多いぞ』といつも思います(笑)。ただ、この辺りは遠藤先生が気を遣ってくださっていて、僕はむしろ『大丈夫です。コメディなので! 』とそれを推し進める役割なんです。そうやって、どう『笑い』と『リアル』を行き来できるかを追求しています。
また、注目してほしいポイントとしては……ぜひ、アーニャちゃんの表情を見てもらいたいですね。彼女は本当に表情が豊かで、毎回色々な顔を見せてくれます。そして、そうやって色んな表情を見られることが、家族の幸せのひとつだとも思っています」
乙黒「僕は1話目の最後のページで、妹の幸が言う、『そっか…お兄ちゃんてお兄ちゃんじゃなかったんだ…』というセリフが印象的でした。
凪と幸はずっと家族として暮らしてきたわけですが、血が繋がっていないことが分かったことで、2人は変わらず家族であるけれど、でも家族ではないという、不思議な関係になりました。ネームでそのコマを見たとき『この作品はイケるかもしれない』と思ったのを覚えています。
『カッコウの許嫁』は、話が進むごとに、家族として、恋人としての距離感が変わっていくのが魅力の作品です。『恋愛』だけでなく、『家族』の目線が入っているので、その辺りに注目していただきたいですし、たとえば妹の幸だったら、『お兄ちゃんという呼び名が変わる日はくるのか? 』など、色々なことを想像しながら楽しんでもらえると嬉しいです」
今も昔も世の中の「こんな物語を読みたい!」というシンプルな欲望を表現した作品がヒットに繋がってきた。その意味では『SPY×FAMILY』や『カッコウの許嫁』が人気を集める背景には、「様々な家族のかたち」が社会に広く浸透し始めつつあるということなのかもしれない。
ありそうでなかった展開や設定、キャラクターたちを
見事に形にして
うまく魅せてますよね
好みは分かれるが
アーニャの可愛さは必見
スパイファミリー大好きです。
キャラクターの魅力、話の面白さ、シンプルながら読みやすい絵柄など、ジャンプの細かく書き込まれた熱いバトル漫画にちょっと疲れた私に本当にちょうどいいです(笑)
アーニャがとにかくめちゃくちゃ可愛いです。
スパイファミリーは読んでますが、ギャグとして読んでるので、「複雑な家族もの」と言われるとちょっと違う感。
いずれ家族に近づいていくでしょうが、家族ものとは思ってないです。
小説家になろうの異世界転生とか、膨大な数あるならわかるけど。
たった2作品だけ人気なだけで「家族もの人気」と括るのはどうなんだろ。
「鬼滅が流行ったから大正時代を舞台にした漫画が人気」と言われるくらいの違和感がある。
アーニャの「ちち」「はは」と呼ぶのが大好きです。
試し読みからどハマりして、全巻買って読んでます。
「戦争」が背景にある重い話しなのに、笑える要素が満載なのが、また面白いです。
ジャンプ+の連載で、メディア露出も少なく、アニメ化もされてないのにすでに600万部売れてるのは正直驚異的。間違いなくアニメ化すると思うので、今のうちにチェックしとくといいかも。
アーニャの声が誰になるかも楽しみ♬
何この謎考察。家族ものが受けてるんじゃなくて、受けてるなかの家族ものをピックアップしただけ。
それに、受ける理由はテーマだけなら漫画家も編集も苦労しない。
漫画大して読んでない人では?
漫画人気にあやかりたいのかもしれないが、考察するには材料が全く足りてないし、人気のワケも薄い。
こんな物語を読みたい!ではなく、こんな作品や作り方があったのかという部分が不可欠。
SPY×FAMILYは読んでいます
遠藤先生作品が好きなのでこの作品でたくさんの人に知られたのは嬉しい限りです
過去の作品も面白いので興味ある方には読んで欲しいです
初期のTISTAも名作です
なろう系までいくと極端だけど、やっぱ万能感のある主要キャラがいる作品は強い
途中色々あっても綺麗に終われる話がいい
ただ、その途中の色々が見せ方下手な作家だとストレスしかたまらない。スパイの人の話は、途中のドタバタも面白いし不快感がない
複雑な家族っていうのとは違うんじゃね? 単にコメディをやるうえでいろんな要素が盛り込めるように、「家族であり恋人でもある」とか、「他人であるが娘でもある」みたいに関係性をドッキングしてるだけだろ。
現実にはあり得ない関係性だからこそコメディとして成立するし、現実の誰かを傷つけることもない。「一風変わった家族が織りなすドタバタ劇」はコメディの定型だと思うけどね。これを現実における家族観の変化の発露ととらえるのは飛躍がすぎる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/722b4490e2f1a1a7fa2262a9941dbc0db242ddd3?page=3
既刊5巻以下ながら早くも話題を呼んでいるマンガの中で、ともに「家族」が共通のテーマになっている、2つのヒット作品があるのをご存じだろうか。
ひとつは、漫画誌アプリ『少年ジャンプ+』で連載中の、遠藤達哉氏による大ヒット作品『SPY×FAMILY』。2019年3月の連載開始後すぐに話題となり、コミックス第1〜4巻はそれぞれ100万部を突破、9月初旬に発売された第5巻も週間1位に。
現在までに累計発行部数600万部を超える『少年ジャンプ+』の看板作品となっている。
そしてもうひとつが、2020年1月より週刊少年マガジンで連載中の『カッコウの許嫁』。『ヤンキー君とメガネちゃん』や『山田くんと7人の魔女』でも知られる吉河美希氏による最新作で、ラブコメ作品でありつつも、取り違え子という「家族」をテーマにした話題作だ。
『カッコウの許嫁』は、連載開始3ヵ月で同誌の初表紙を飾り、今年5月発売のコミックス第1巻は4週連続で重版に。7月には講談社のコミックス製造部数第1位、純出荷部数第1位、受注数第1位の「三冠」を達成し、11月17日に最新巻にあたる第4巻が刊行される。
ともに家族をテーマにしながら、かたやスパイアクション、かたやラブコメという真逆のテイストを織り込んだ両作品。なぜ現代では「複雑な家族モノ」がウケているのか。
今回は週刊少年ジャンプ編集部『少年ジャンプ+』担当で『SPY×FAMILY』の担当編集者・林士平(りん・しへい)氏と、週刊少年マガジン編集部で『カッコウの許嫁』の担当編集者・乙黒和彦(おとぐろ・かずひこ)氏、それぞれに作品が生まれた背景やマンガならではの面白さを聞いた。
家族モノは読者層が幅広い
まずは両作品について、簡単に振り返っておこう。
『SPY×FAMILY』は敵国に潜入したスパイ「黄昏」ことロイド・フォージャーが、名門校に息子を通わせるターゲットに接近するため、殺し屋稼業を営む妻のヨル、娘のアーニャと疑似家族となり、ひとつ屋根の下で暮らす様子を描く作品だ。
担当編集の林氏によると、ヒットの背景には家族がテーマだからこその、幅広い層からの支持があるそうだ。
林「みなさん『SPY×FAMILY』について色々な受け取り方をしてくださっていて、幅広い年齢層に刺さっているな、と感じています。年齢によって見るポイントも違っていて、アーニャちゃんを自分のように思う幼い読者や、子育ての大変さと楽しさに共感いただいている親世代や、『こんな時期もあったな』という子育てを終えた世代の方もいらっしゃって、それぞれの見方で楽しんでくださっています」
一方、『カッコウの許嫁』は、病院の手違いで「取り違え子」となり、お互いに本来とは異なる家庭環境で育った海野凪と天野エリカが、実の子も育ての子も可愛いと思った両家の思いつきで許嫁になることから物語がはじまるラブコメディ。
同じく『週刊少年マガジン』で連載&アニメ化され、今年2月に完結した『五等分の花嫁』(累計発行部数1250万部以上)と入れ替わる形で、週刊少年マガジンの新たな人気ラブコメ作品となった。
乙黒「連載開始後すぐに注目していただけたのは、過去作品のヒットによる読者の期待や『五等分の花嫁』が終わったタイミングで、ラブコメの需要に上手くハマったことも大きかったと思っています。ですが、あくまでそれは状況の話であって、もともと『カッコウの許嫁』は、読み切りを週刊少年マガジンで3つ掲載して一番人気の作品を連載化する企画から生まれた作品でした。そういう意味でも、最初から作品を好きでいてくれる“初期勢”の方々がついてくれていたことも、後押しになったと思っています」
それぞれ異なるユニークな作品ではあるものの、共通しているのは、シンプルな血縁関係にとどまらない家族の絆や、家族のかたちの多様性が描かれていること。
思えば、2018年に世界三大映画祭のひとつ、カンヌ国際映画祭でパルムドール(最高賞)を受賞した、是枝裕和監督による疑似家族をテーマにした映画『万引き家族』や、翌2019年の同賞&アカデミー作品賞を受賞した『パラサイト 半地下の家族』など、昨今は様々な分野で家族を描いた作品が話題になっていた。
これは「これまでの血縁関係だけの家族の在り方への違和感」と「色々な家族があっていい、色んな家族が描かれていい」という、今の時代らしい傾向とも見えるのだ。
そして、『SPY×FAMILY』と『カッコウの許嫁』の場合は、どちらもシリアスになりすぎず、随所にそっと差し込まれるコミカルなユーモアが心地いい。
通常、複雑な家庭を描くとどうしてもエピソードが重くなりがちだ。しかし、そこをマンガ特有のコミカルさで描くことで、「ああ、彼ら彼女たちにとっては何気ない日常なんだな」と思えてくる。複雑な家族事情でも、自然体で応援したくなる姿に共感を覚える内容になっているのだ。
林「僕は小さい頃に『赤ちゃんと僕』(白泉社)がすごく好きだったんです。あそこにも、大家族がいたり、ひとりっ子がいたりと、色んな家庭が出てきていたと思います。
もちろん、『赤僕』は小学生の男の子が幼い弟の世話をしなければいけなくなるという、『SPY×FAMILY』とはまた違うテーマでしたが、実は作者の遠藤さんも『赤僕』が好きだったそうで、「『赤僕』ではこうでしたよね」と、互いの共通言語のようになっていたりもしました」
乙黒「『カッコウの許嫁』の連載がはじまった頃には、既に『SPY×FAMILY』が人気を集めていましたし、カンヌ映画祭で毎年家族をテーマにした映画が受賞するなど、世の中的に『家族』を描いた作品が広く話題になっていました。
そこで、本誌で凪とエリカ、妹の幸の3人が「洋平(海野家の父。凪と幸の育ての親で、エリカ&幸の血の繋がった父親)と釣りに行く回」を恐る恐る出してみたら、意外にもいつもより好評だったんです。
僕の感覚だと、少年誌のラブコメでデートに親がいるのはタブーだと思っていましたし、そもそも『父親と釣りに行って楽しかった回』って、週刊マンガではなかなかないと思うのですが(笑)、その辺りの感覚も変わってきているのかな、と実感しました。これはより家族をしっかり軸に据えていこう、と思うきっかけにもなったと思います」
小説や映画にはない「表現の自由度」
作品自体が面白いことが大前提ではありつつも、映画/ドラマやアニメ、小説など様々なジャンルにおいて、時代の流れとでも言うかのように、共通のテーマが同時に人気を博すことは多くある。
その中において、「マンガにしかできない表現」として二人が魅力を感じる部分はどこにあるのだろうか?
林「たとえば、『キングダム』の群衆を実写で撮ろうと思ったら、『予算は一体いくらかかるんだ? 』という感じですが、マンガの場合『描くことができれば、全て自由に表現できる』のは大きいと思います。動かないがゆえに、想像で埋められる範囲が広いといいますか。そういう意味での表現の自由度は圧倒的に高いのかな、と。
(映像化されていないからこそ、誰に対しても)『世界で一番美しい人』という表現が成り立つように、一番個人の感情がにじみ出せるのは『小説』かもしれませんし、一方で『映画』や『ドラマ』などのビジュアライズされた作品は、人々の間でのイメージのブレが少なくなってより多くの人に届きやすくなる、というようなそれぞれの利点があると思います。僕の中では、その間のいいバランスのところにあるのが、マンガなのかなと思います」
乙黒「実写にしてしまうと、現実にはありえないことを表現するハードルが上がったりしますが、マンガの場合、誰かが2階から飛び降りたときに、それを『偶然無事だった』としても『ケガをした』としても、どちらの方向でも成立させることができると思うんです。
仮にケガをした場合も、翌週に治っていても納得できてしまいますよね。そんなふうに、リアルな表現とフィクショナルな表現の両方を選べて、その先を表現できる自由さがあるとも思います」
最後に、担当編集者としてこれまでの『SPY×FAMILY』『カッコウの許嫁』の家族描写で印象的だったシーンや、「ここを見てほしい」というポイントを聞いた。
林「印象的だった家族のシーンは選ぶたびに変わりそうですが、今思いつくのは、犬(ボンド)が家に来たときの描写です。“憧れの家族”というか、フォージャー家に大きい犬が来た瞬間に、家族感がさらに強まったと思うんです。
4巻の表紙を犬のボンド単体で行く話になったときも、社内的には不安もあったかもしれませんが、『犬も家族ですから! 』と押し切りました(笑)。ボンドは未来が予知できますから、物語もさらに複雑で面白くなってきたように思います。
ただし、作品に入れる要素が増えるほど矛盾も生じやすくなりますし、確かに『考えなければいけないパーツが多いぞ』といつも思います(笑)。ただ、この辺りは遠藤先生が気を遣ってくださっていて、僕はむしろ『大丈夫です。コメディなので! 』とそれを推し進める役割なんです。そうやって、どう『笑い』と『リアル』を行き来できるかを追求しています。
また、注目してほしいポイントとしては……ぜひ、アーニャちゃんの表情を見てもらいたいですね。彼女は本当に表情が豊かで、毎回色々な顔を見せてくれます。そして、そうやって色んな表情を見られることが、家族の幸せのひとつだとも思っています」
乙黒「僕は1話目の最後のページで、妹の幸が言う、『そっか…お兄ちゃんてお兄ちゃんじゃなかったんだ…』というセリフが印象的でした。
凪と幸はずっと家族として暮らしてきたわけですが、血が繋がっていないことが分かったことで、2人は変わらず家族であるけれど、でも家族ではないという、不思議な関係になりました。ネームでそのコマを見たとき『この作品はイケるかもしれない』と思ったのを覚えています。
『カッコウの許嫁』は、話が進むごとに、家族として、恋人としての距離感が変わっていくのが魅力の作品です。『恋愛』だけでなく、『家族』の目線が入っているので、その辺りに注目していただきたいですし、たとえば妹の幸だったら、『お兄ちゃんという呼び名が変わる日はくるのか? 』など、色々なことを想像しながら楽しんでもらえると嬉しいです」
今も昔も世の中の「こんな物語を読みたい!」というシンプルな欲望を表現した作品がヒットに繋がってきた。その意味では『SPY×FAMILY』や『カッコウの許嫁』が人気を集める背景には、「様々な家族のかたち」が社会に広く浸透し始めつつあるということなのかもしれない。
ありそうでなかった展開や設定、キャラクターたちを
見事に形にして
うまく魅せてますよね
好みは分かれるが
アーニャの可愛さは必見
スパイファミリー大好きです。
キャラクターの魅力、話の面白さ、シンプルながら読みやすい絵柄など、ジャンプの細かく書き込まれた熱いバトル漫画にちょっと疲れた私に本当にちょうどいいです(笑)
アーニャがとにかくめちゃくちゃ可愛いです。
スパイファミリーは読んでますが、ギャグとして読んでるので、「複雑な家族もの」と言われるとちょっと違う感。
いずれ家族に近づいていくでしょうが、家族ものとは思ってないです。
小説家になろうの異世界転生とか、膨大な数あるならわかるけど。
たった2作品だけ人気なだけで「家族もの人気」と括るのはどうなんだろ。
「鬼滅が流行ったから大正時代を舞台にした漫画が人気」と言われるくらいの違和感がある。
アーニャの「ちち」「はは」と呼ぶのが大好きです。
試し読みからどハマりして、全巻買って読んでます。
「戦争」が背景にある重い話しなのに、笑える要素が満載なのが、また面白いです。
ジャンプ+の連載で、メディア露出も少なく、アニメ化もされてないのにすでに600万部売れてるのは正直驚異的。間違いなくアニメ化すると思うので、今のうちにチェックしとくといいかも。
アーニャの声が誰になるかも楽しみ♬
何この謎考察。家族ものが受けてるんじゃなくて、受けてるなかの家族ものをピックアップしただけ。
それに、受ける理由はテーマだけなら漫画家も編集も苦労しない。
漫画大して読んでない人では?
漫画人気にあやかりたいのかもしれないが、考察するには材料が全く足りてないし、人気のワケも薄い。
こんな物語を読みたい!ではなく、こんな作品や作り方があったのかという部分が不可欠。
SPY×FAMILYは読んでいます
遠藤先生作品が好きなのでこの作品でたくさんの人に知られたのは嬉しい限りです
過去の作品も面白いので興味ある方には読んで欲しいです
初期のTISTAも名作です
なろう系までいくと極端だけど、やっぱ万能感のある主要キャラがいる作品は強い
途中色々あっても綺麗に終われる話がいい
ただ、その途中の色々が見せ方下手な作家だとストレスしかたまらない。スパイの人の話は、途中のドタバタも面白いし不快感がない
複雑な家族っていうのとは違うんじゃね? 単にコメディをやるうえでいろんな要素が盛り込めるように、「家族であり恋人でもある」とか、「他人であるが娘でもある」みたいに関係性をドッキングしてるだけだろ。
現実にはあり得ない関係性だからこそコメディとして成立するし、現実の誰かを傷つけることもない。「一風変わった家族が織りなすドタバタ劇」はコメディの定型だと思うけどね。これを現実における家族観の変化の発露ととらえるのは飛躍がすぎる。
https://news.yahoo.co.jp/articles/722b4490e2f1a1a7fa2262a9941dbc0db242ddd3?page=3
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