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▽前半戦を16勝3分けの無敗で終え、首位で折り返したリバプール(勝ち点51)と、調子下降もトップ4争いに絡む5位のアーセナル(勝ち点38)による年内最後のビッグマッチ。

▽リーグ戦8連勝中のリバプールは2位以下と勝ち点を6ポイント離して独走気配を漂わせる。次節の新年初戦にマンチェスター・シティとの大一番を控える中、年内最終戦ではアーセナルとのビッグマッチに臨んだ。4-0で勝利したニューカッスル戦からはヘンダーソンに代えてファビーニョを起用した以外、同じメンバーで臨んだ。

▽一方、シティ、チェルシーとの開幕2連戦に連敗して以降、今月半ばまで公式戦22試合無敗と好調を維持してきたアーセナルだが、直近のリーグ戦では格下相手に1勝1敗1分けと調子を落とす。とはいえ、チーム最大の目標であるチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得に向けてはこれ以上の取りこぼしは許されず、難攻不落のアンフィールドで勝ち点3奪取を目指した。ブライトン戦からは先発4人を変更し、コシエルニー、エジル、グエンドウジ、ラカゼットに代えて負傷明けのムスタフィ、ナイルズ、ラムジー、イウォビを起用。最前線のオーバメヤンの下にラムジーを置く[4-2-3-1]を採用した。

▽アンフィールドでの直近の対戦5試合すべてで4ゴール以上が生まれている打ち合い必至のこのカード。開始直後にロバートソンが際どいクロスを供給すると、アーセナルも10分にファビーニョの不用意な横パスを奪ったショートカウンターからイウォビが枠内シュートで応戦するオープンな入りとなった。

▽すると11分、DFロブレンの縦パスをコラシナツがカットすると、このクリアを拾ったイウォビがラムジーとのワンツーで左サイドの深い位置まで攻め込んでグラウンダーのクロス。これをファーに走り込んだナイルズが滑り込みながらワンタッチで流し込み、アーセナルのトップチームでの初ゴールを記録した。

▽伏兵の思わぬ一撃にいきなりビハインドを背負ったリバプールだが、すぐさまアーセナルキラーが本領を発揮する。失点から3分後の14分、バイタルエリア中央で縦に仕掛けたフィルミノが一度は突破を阻まれるもDFリヒトシュタイナーのクリアが相手DFに当たってこぼれたところを抜け目なく押し込んだ。

▽続く16分には相手陣内中央でトレイラに対してマネがハイプレスでボールをカットすると、こぼれ球を拾ったフィルミノが巧みなステップワークでDFムスタフィ、DFパパスタソプーロスを続けてドリブルでかわしゴール右隅へシュートを流し込み、対アーセナル戦7点目を記録し逆転ゴールをもたらした。

▽フィルミノの2ゴールで鮮やかな逆転劇を見せ付けたホームチームは大興奮のスタジアムの後押しを受けてここから完全に試合の主導権を掌握。攻守両面で相手を圧倒し始めると、32分には右CKの二次攻撃からロバートソンのフィードにオフサイドラインギリギリで抜け出したサラーのワンタッチの折り返しをマネが抑えの利いたダイレクトシュートで決め切り、リードを2点に広げる。

▽さらに前半終了間際にはGKアリソンからの絶妙なフィードを受けた右サイドのフィルミノのスルーパスに抜け出したサラーがDFパパスタソプーロスとの接触でややダイブ気味に倒れると、オリヴァー主審は迷わずPKを宣告。これをサラー自らきっちり決めて3試合連続、得点ランキングトップタイとなる今季13点目とした。

▽アーセナルが先制もリバプールのゴールラッシュで3点差が付いた試合は後半へと突入。アーセナルは負傷明けのムスタフィを下げてコシエルニーを後半頭からピッチに送り込む。リバプールがペースを落としたこともあり、立ち上がりに攻勢を見せたアーセナルは54分、カウンターからイウォビの前線の粘りでジャカからボックス左に走り込んだラムジーにパスが通るが、このシュートはDFファビーニョのブロックに遭う。

▽すると、このピンチで目を覚ましたリバプールはここからプレー強度を高めて再び試合の主導権を掌握。63分にはボックス内でこぼれ球に反応したファビーニョが5点目に迫ると、65分にはセットプレーの流れでDFコラシナツのロブレンへのプッシングからこの試合2つ目のPKを獲得。これをキッカーのフィルミノが決めきって自身初のハットトリックを達成した。

▽この5点目でアーセナルの心を完全に折ったリバプールはマネに続きワイナルドゥム、ロバートソンをベンチに下げてララナ、クラインを投入。対するアーセナルは存在感を欠いたオーバメヤンを下げてラカゼット、コラシナツに代えてグエンドウジをピッチに送り込む。

▽だが、この選手交代でスコアは動くことはなく試合はこのまま5-1でタイムアップ。フィルミノのハットトリックの活躍でアーセナルを粉砕したリバプールが9連勝で年内を無敗でフィニッシュ。新年初戦となるシティとの大一番に大きな弾みをつけた。