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2019年01月18日

『オリックス・西岡』が誕生しなかった理由



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昨年のオフから球界でささやかれていたことがある。阪神を戦力外になった西岡剛内野手の獲得にオリックスが動くのではないか−というものだ。
 西村徳文監督がロッテ時代の恩師に当たること。小谷野栄一内野手が引退、中島宏之内野手が巨人に移籍とベテラン内野手が抜けたことも噂に拍車を掛けた。
 そのころ、西村監督がキャプテン制の導入の話題に触れてこんな話をした。
 「西岡剛のような選手がほしいね。あのころの西岡は若かったけど、グラウンドに出れば先輩にも厳しいことを言っていた。チームを引っ張ってくれたからね」
 指揮官はロッテ時代の2010年、パ・リーグ3位から日本一という下克上を成し遂げた。その原動力の一つが26歳の若さでキャプテンに指名したのが西岡だった。
 これはもしやと周囲は色めきだった。
 直後には前ヤクルトでロッテ時代にエースとして活躍した成瀬善久投手を2月のキャンプで入団テストすると発表された。
 次は西岡?いよいよ現実味を帯びてきたかに見えた。
 ところが、長村裕之球団本部長はキッパリと否定した。
 「ありません。枠の問題がある。成瀬が合格したなら67人。もしもの場合に外国人をもう1人取るとか、育成選手の支配下登録の枠も考えればもういっぱい」
 現在のオリックスの支配下登録選手は投手32人、捕手5人、内野手16人、外野手13人となっている。育成選手は投手6人、捕手2人、内野手1人いる。昨季も榊原と佐野が支配下登録されたように登録枠を確保しておかなければならないというわけだ。
 そもそも西岡が加入するなら二塁か三塁。二塁には昨季、ルーキーながらレギュラー格に登り詰めた福田周平内野手と、4年目となる大城滉二内野手が争う。三塁は打率3割が期待できる西野真弘内野手と昨季途中、DeNAから移籍した一発長打のある白崎浩之内野手、さらにドラフト2位で大学ジャパンの4番も務めた頓宮裕真内野手もいる。
 長村本部長は今年初めに「今年は競争心を前面に出していきたい。これから上位を争うチームにするために育成部門の強化を中長期的に考えている。戦力に厚みを加えていきたい」と宣言した。すでに日本ハムから中嶋聡2軍監督を招へい、福良淳一前監督を育成統括GMに据えた。競争によってチーム力の底上げを狙う考えだ。
 西岡は両打ちで首位打者を獲得したこともあり、日米通算1241安打。小谷野、中島が抜けた若いチームに必要な経験を持っているだけに球団内には西岡獲得を推す声もあった。それでもオリックスは育成の道を選んだ。常勝球団構築へ地道に育てていく。(デイリースポーツ・達野淳司)
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