吹奏楽おすすめ練習アイテム

ウィンズスコアが厳選し、おすすめする、コンクール自由曲を同サイトで公開されています。

編成やレベルでページが分かれており、音域やソロ楽器、グレードなど、必要な情報を詳しく書いてあるので、非常に分かりやすくなっています。

輸入吹奏楽譜コンクール自由曲選2016

「ビギナーズバンド向け（初級者および中学1、2年生向け）」

全曲試聴してみまして、特に気になった曲を各編成で一曲ずつピックアップしたいと思います。
今日はビギナーズバンド編です。

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◆小〜大編成〈中学向け〉
「按針：青い目のサムライ（Anjin: Blue Eyed Samurai）」

■解説
航海中に日本に漂着し、その後の人生を侍として生きたイングランド人、ウィリアム・アダムス(三浦按針)が描かれた作品。中間部ではイギリス民謡『The Water Is Wide』の旋律が引用されています。大海原や侍として勇ましく生きた光景が目に浮かぶような作品です。



作曲：Naoya Wada／和田 直也
グレード：3
演奏時間：7分22秒
出版社：Hafabra Music／ハファブラ・ミュージック 549
ソロ楽器：Picc.、Euph.
Trp.最高音：F
パート数：28（最少演奏可能人数：22）
Perc.パート数：4（最少演奏可能人数：3）

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■ウィリアム・アダムズとは？

この曲の主人公となっている、ウィリアム・アダムズは、1564年にイギリスで生まれました。
1598年6月、彼が33歳の時に、オランダの東洋遠征探検艦隊の航海士として弟トマスらと共に、5隻の船団で出航しました。しかし、航海は次々と困難が襲いかかり、彼が乗るリーフデ号ただ1隻となりました。乗組員は24人まで減り、弟トマスも死亡。
1600年4月、豊後の臼杵（現在の大分県臼杵市）の黒島に漂流しました。この時にはアダムスを含め、わずか6名しか残っていませんでした。
日本について9日後、病気の船長に代わり、アダムスは大阪城へ行き、徳川家康に謁見しました。「海賊は処刑すべき」と吹き込まれていた家康でしたが、臆せず説明するアダムスを気に入って、全員を釈放しました。
アダムズの砲術やアダムズの話す世界情勢や科学知識がその後の日本の国造りに役立ちました。また、アダムズは120トンの洋式船を建造しました。家康の外交顧問になったアダムズは、江戸の日本橋近くに屋敷を構え、「三浦按針」（みうら・あんじん）と改名し、「青い目の侍」が誕生しました。

家康が亡くなり、幕府の貿易を出島（現在の長崎県平戸市）のみに制御し鎖国体制を敷くと、按針の立場は不遇となり、平戸へ向かいました。オランダとイギリスの通商が許可され、平戸に商館が設置されるようになったのは、按針のおかげと言われています。

※参考サイト
青い目の侍三浦按針
http://y-anjin.com/index.html


■曲の感想

最初の導入部は、困難が立ちはだかり、悲壮感に満ちあふれる航海中の様子を表しているのでは無いかと思います。

展開が変わり、日本に漂流し、アダムズは徳川家康と出会い、強い説得の末、釈放されます。
徳川家康にも臆せず、堂々としたアダムズの様子が描かれています。

中間部では、ユーフォニウムのソロでイギリス民謡、「The Water Is Wide」の旋律が引用されています。日本で生活することになり、遠い故郷の事を思い返すアダムズの横顔が思い浮かばれます。

最後には、主題である「青い目の侍」として、勇敢で立派に活躍する姿が描かれます。非常に壮大で、インパクトがあります。
その後に再び、イギリス民謡の旋律に戻るのは、大きな活躍にもかかわらず、鎖国体制の元不遇に扱われ、嘆く様子を描いているのでしょうか。

「航海×イギリス×侍」という、異色の3つのテーマを上手く掛け合わせた、素晴しい作品だと思います。この3つの副題をいかに上手く表現するかが、鍵になるのではないでしょうか。

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