2016年03月05日
「吹奏楽コンクール自由曲レパートリー集 vol.1「ハガニア・プレリュード」」
今日はUNIVERSAL MUSICから出ているCDと楽譜の紹介です。
吹奏楽コンクール自由曲レパートリー集 vol.1「ハガニア・プレリュード」
(※楽天へ飛びます)
指揮:樫野哲也
演奏:大江戸シンフォニックウィンドオーケストラ
発売日:2016年3月2日 定価:2500円+税
販売元:ユニバーサル・ミュージック合同会社
発売元:東京音楽制作合同会社
こちらのCDのすごいところとしましては、CDの購入特典として、全曲のスコアが閲覧・印刷できるという点です。
非常に画期的ですね!!今までなら楽譜を購入するまで中身は分からなかったので、「楽譜を購入したのはいいけれども、ちょっとトランペットの音域が高すぎる・・・orz」なんてこともあったかもしれませんが、そうならずに済みます。
また、曲ごとに、[小編成向け][大編成向け]の区別だけでなく、[金管が上手いバンド向け][木管が上手いバンド向け][バランス型][サックス・打楽器が上手いバンド向け]というように、パートのレベルについても示されているので、選曲の参考になりますね。
参考音源をどうぞ
各曲の紹介です。
※解説は公式サイトを引用
※曲のタイトルをクリックすると楽天の検索ページに飛びます
1、ハガニア・プレリュード(加藤大輝)
[小編成向き][金管が上手いバンド向け][約5:30][Gr.3]
「ハガニア」は観光地としておなじみの米領グアム島の中心地で、透き通るような美しい海と格式のあるカトリック教会「ハガニア大聖堂」がある美しい街として知られています。
楽曲は急-緩-急のオーソドックスな序曲形式で書かれており、全曲を通して明快な旋律がふんだんに盛り込まれています。中間部では祈りをイメージしたフルート・アルトサックス・トランペットのソロが続き、コンパクトな再現部を経て華やかなエンディングに向かいます。
また、この楽曲は日本の小編成の吹奏楽団事情に合わせたオーケストレーションを施してありますので、最低15名程度から演奏が可能です。
コンクールだけでなくコンサートのオープニングなどにも適した曲調ですので、幅広く様々な機会で演奏して頂ければ幸いです。
2、花橘の香(石原勇太郎)
[小編成向き][和風][木管が上手いバンド向け][約8:00][Gr.3.5]
古今和歌集や伊勢物語に登場する読み人知らずの和歌「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」をモチーフにした16名程度から演奏可能な小編成楽曲です。
現代語に直すと「5月に咲いた橘の花の香りをかぐと、昔の恋人の袖の匂いがする」、つまり橘の香りを感じて過去を偲ぶ、切なさを感じる和歌になっています。(当時は入浴習慣が無いので、着物の袖に「お香」を携えていました。)
前半は切なさを感じる和歌をモチーフにした緩やかな部分が続き、中間部では和笛をイメージしたフルートソロに引き継がれます。展開部にお祭りのような現実の喧騒が聞こえたのち、冒頭の主題に戻り希望を持ったエンディングに向かいます。
全体を通して表面上の「和風」だけでなく日本の伝統的な「間」を意識した演奏を期待しています。
3、雪降る夜に(下田和輝)
[小〜中編成向き][バランス型][約6:30][Gr.3.5]
雪が降る寒い日の、幸せな家族の団らんの様子をモチーフにして、その温かな情景を映画音楽のように表現しています。
全曲を通してテンポが遅い部分と速い部分に分けられ、緩やかな前奏が付いた序曲形式の楽曲です。
前奏部分では温かいシチューやポトフなどを食べているような緩やかな旋律で構成され、スレイベルの音色に引き寄せられるように急速部へと転換していきます。アレグロの部分では、クリスマスを待ちわびている子供達やそれを温かい目で見守る大人達の様子が描写されていきます。
再び穏やかなテンポになった中間部では様々な楽器の短いソロから壮大なメロディーへと続き、木管楽器によるブリッジを経て、再現部・コーダへと展開されていきます。
また、この楽曲は多くのオプショナルパートが設定されており最低9名から演奏が可能です。打楽器についても0人から6人以上まで対応できるように構成してありますので、様々な編成の楽団で演奏することが可能です。
4、ディスティネーション(三國浩平)
[中〜大編成向き][金管が上手いバンド向け][約6:30][Gr.3.5]
過去のアメリカの吹奏楽作品に敬意を持って、明るく華やかな音楽を目指して作曲されました。
タイトルの「ディスティネーション=目的地」のごとく、冒頭のフルートで提示される主題を元にして、まるで旅をするように様々な手法で登場します。中間部ではオルガンのように厳かなコラールを経て、
余韻を引きずるフルートやオーボエのパッセージに引き継がれます。フーガの部分からは夢から引き戻されていき、最後には長調で目的地に付いた達成感と、その続きを予想させるようなエンディングを迎えます。
全体的に華々しいフレーズが多いため、明朗な演奏になることを期待しています。また是非、過去のアメリカの吹奏楽曲の名曲のサウンド感を研究した上で演奏してください。
5、「アカオニノナミダ」ウィンドオーケストラのための(藤代敏裕)
[中〜大編成向き][木管が上手いバンド向け][約6:30][Gr.4]
この楽曲は浜田廣介氏による有名な児童文学「泣いた赤鬼」をベースに作曲されています。
人間と仲良くしたい赤鬼のために悪者になった青鬼の優しさとは何かと考えさせられる物語で、そのストーリーをなぞるだけでなく全体的な物語の印象を元に交響詩のようなイメージで構成されています。
冒頭はホルンによる動機の提示から始まり穏やかな音楽に引き継がれます。突然、悪を連想させるような金属的なブリッジを経て次第に音楽が盛り上がり、感動的ながらどこか憂いのあるクライマックスへと続いていきます。一旦収束してフルートのソロを得たのち、冒頭の主題が再現されダイナミックに曲が終わる形になっています。
長い旋律線が多い曲ですので歌い方をよく研究し、打楽器や低音の重厚感と合わせてバランスを取るように心がけて下さい。
6、ブルーバックの瞳(日景貴文)
[大編成向き][金管・打楽器が上手いバンド向け][約8:00][Gr.4.5]
「ブルーバック」は、かつて南アフリカに生息していた青い鹿に似た動物で、美しい毛皮から乱獲され19世紀頃に絶滅したと言われています。この楽曲では現代社会の問題にも通ずる所のあるブルーバック絶滅の悲哀を描いています。
金属打楽器が多用されるオープニングに始まり、浮遊感のある旋律へと引き継がれます。その後、突如として銃声を模した刺激的なセクションに移り変わり、大音量の打楽器によって打ち消されます。オーボエソロによって再び旋律線が展開され、息の長い感動的なフレーズによってクライマックスへと繋がります。
繊細な音量バランス感覚が必要なため実力のあるバンド向けではありますが、演奏効果が高く壮大なイメージを沸き立たせる楽曲です。
7、嚮明の舞 道饗の祭(細木原豪紀)
[大編成向き][サックス・打楽器が上手いバンド向け][約7:00][Gr.5]
古典雅楽の作法を現代音楽やポップスの手法を交えながら、平安時代に存在したと伝えられる京都の道饗祭の様子を想像しながら作曲されました。
この楽曲は静と動の2つのセクションで構成され、前半では明け方に陽が昇るような(=嚮明)様子を笙や篳篥、龍笛の響きを模した木管楽器を中心に緊張感を持って描写されます。短いファゴットソロを経て、ドラムが全体を支配する動の部分に転換します。道饗祭は悪い妖物に対して酒や食物を振る舞うことで宮中に妖物が入ることを防ぐ目的があり、サックスのアドリブソロや自由なカオス部分などで、だんだんと盛り上がる華々しくもグロテスクな宴会の様子が描かれていきます。
コンクール以外の演奏会ではエレキベースやシンセサイザー、指定に無い打楽器や邦楽器などを自由に入れて構いません。可能な限りカオスで派手な宴になることを期待しています。
吹奏楽コンクール自由曲レパートリー集 vol.1「ハガニア・プレリュード」
(※楽天へ飛びます)
指揮:樫野哲也
演奏:大江戸シンフォニックウィンドオーケストラ
発売日:2016年3月2日 定価:2500円+税
販売元:ユニバーサル・ミュージック合同会社
発売元:東京音楽制作合同会社
こちらのCDのすごいところとしましては、CDの購入特典として、全曲のスコアが閲覧・印刷できるという点です。
非常に画期的ですね!!今までなら楽譜を購入するまで中身は分からなかったので、「楽譜を購入したのはいいけれども、ちょっとトランペットの音域が高すぎる・・・orz」なんてこともあったかもしれませんが、そうならずに済みます。
また、曲ごとに、[小編成向け][大編成向け]の区別だけでなく、[金管が上手いバンド向け][木管が上手いバンド向け][バランス型][サックス・打楽器が上手いバンド向け]というように、パートのレベルについても示されているので、選曲の参考になりますね。
参考音源をどうぞ
各曲の紹介です。
※解説は公式サイトを引用
※曲のタイトルをクリックすると楽天の検索ページに飛びます
1、ハガニア・プレリュード(加藤大輝)
[小編成向き][金管が上手いバンド向け][約5:30][Gr.3]
「ハガニア」は観光地としておなじみの米領グアム島の中心地で、透き通るような美しい海と格式のあるカトリック教会「ハガニア大聖堂」がある美しい街として知られています。
楽曲は急-緩-急のオーソドックスな序曲形式で書かれており、全曲を通して明快な旋律がふんだんに盛り込まれています。中間部では祈りをイメージしたフルート・アルトサックス・トランペットのソロが続き、コンパクトな再現部を経て華やかなエンディングに向かいます。
また、この楽曲は日本の小編成の吹奏楽団事情に合わせたオーケストレーションを施してありますので、最低15名程度から演奏が可能です。
コンクールだけでなくコンサートのオープニングなどにも適した曲調ですので、幅広く様々な機会で演奏して頂ければ幸いです。
2、花橘の香(石原勇太郎)
[小編成向き][和風][木管が上手いバンド向け][約8:00][Gr.3.5]
古今和歌集や伊勢物語に登場する読み人知らずの和歌「五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする」をモチーフにした16名程度から演奏可能な小編成楽曲です。
現代語に直すと「5月に咲いた橘の花の香りをかぐと、昔の恋人の袖の匂いがする」、つまり橘の香りを感じて過去を偲ぶ、切なさを感じる和歌になっています。(当時は入浴習慣が無いので、着物の袖に「お香」を携えていました。)
前半は切なさを感じる和歌をモチーフにした緩やかな部分が続き、中間部では和笛をイメージしたフルートソロに引き継がれます。展開部にお祭りのような現実の喧騒が聞こえたのち、冒頭の主題に戻り希望を持ったエンディングに向かいます。
全体を通して表面上の「和風」だけでなく日本の伝統的な「間」を意識した演奏を期待しています。
3、雪降る夜に(下田和輝)
[小〜中編成向き][バランス型][約6:30][Gr.3.5]
雪が降る寒い日の、幸せな家族の団らんの様子をモチーフにして、その温かな情景を映画音楽のように表現しています。
全曲を通してテンポが遅い部分と速い部分に分けられ、緩やかな前奏が付いた序曲形式の楽曲です。
前奏部分では温かいシチューやポトフなどを食べているような緩やかな旋律で構成され、スレイベルの音色に引き寄せられるように急速部へと転換していきます。アレグロの部分では、クリスマスを待ちわびている子供達やそれを温かい目で見守る大人達の様子が描写されていきます。
再び穏やかなテンポになった中間部では様々な楽器の短いソロから壮大なメロディーへと続き、木管楽器によるブリッジを経て、再現部・コーダへと展開されていきます。
また、この楽曲は多くのオプショナルパートが設定されており最低9名から演奏が可能です。打楽器についても0人から6人以上まで対応できるように構成してありますので、様々な編成の楽団で演奏することが可能です。
4、ディスティネーション(三國浩平)
[中〜大編成向き][金管が上手いバンド向け][約6:30][Gr.3.5]
過去のアメリカの吹奏楽作品に敬意を持って、明るく華やかな音楽を目指して作曲されました。
タイトルの「ディスティネーション=目的地」のごとく、冒頭のフルートで提示される主題を元にして、まるで旅をするように様々な手法で登場します。中間部ではオルガンのように厳かなコラールを経て、
余韻を引きずるフルートやオーボエのパッセージに引き継がれます。フーガの部分からは夢から引き戻されていき、最後には長調で目的地に付いた達成感と、その続きを予想させるようなエンディングを迎えます。
全体的に華々しいフレーズが多いため、明朗な演奏になることを期待しています。また是非、過去のアメリカの吹奏楽曲の名曲のサウンド感を研究した上で演奏してください。
5、「アカオニノナミダ」ウィンドオーケストラのための(藤代敏裕)
[中〜大編成向き][木管が上手いバンド向け][約6:30][Gr.4]
この楽曲は浜田廣介氏による有名な児童文学「泣いた赤鬼」をベースに作曲されています。
人間と仲良くしたい赤鬼のために悪者になった青鬼の優しさとは何かと考えさせられる物語で、そのストーリーをなぞるだけでなく全体的な物語の印象を元に交響詩のようなイメージで構成されています。
冒頭はホルンによる動機の提示から始まり穏やかな音楽に引き継がれます。突然、悪を連想させるような金属的なブリッジを経て次第に音楽が盛り上がり、感動的ながらどこか憂いのあるクライマックスへと続いていきます。一旦収束してフルートのソロを得たのち、冒頭の主題が再現されダイナミックに曲が終わる形になっています。
長い旋律線が多い曲ですので歌い方をよく研究し、打楽器や低音の重厚感と合わせてバランスを取るように心がけて下さい。
6、ブルーバックの瞳(日景貴文)
[大編成向き][金管・打楽器が上手いバンド向け][約8:00][Gr.4.5]
「ブルーバック」は、かつて南アフリカに生息していた青い鹿に似た動物で、美しい毛皮から乱獲され19世紀頃に絶滅したと言われています。この楽曲では現代社会の問題にも通ずる所のあるブルーバック絶滅の悲哀を描いています。
金属打楽器が多用されるオープニングに始まり、浮遊感のある旋律へと引き継がれます。その後、突如として銃声を模した刺激的なセクションに移り変わり、大音量の打楽器によって打ち消されます。オーボエソロによって再び旋律線が展開され、息の長い感動的なフレーズによってクライマックスへと繋がります。
繊細な音量バランス感覚が必要なため実力のあるバンド向けではありますが、演奏効果が高く壮大なイメージを沸き立たせる楽曲です。
7、嚮明の舞 道饗の祭(細木原豪紀)
[大編成向き][サックス・打楽器が上手いバンド向け][約7:00][Gr.5]
古典雅楽の作法を現代音楽やポップスの手法を交えながら、平安時代に存在したと伝えられる京都の道饗祭の様子を想像しながら作曲されました。
この楽曲は静と動の2つのセクションで構成され、前半では明け方に陽が昇るような(=嚮明)様子を笙や篳篥、龍笛の響きを模した木管楽器を中心に緊張感を持って描写されます。短いファゴットソロを経て、ドラムが全体を支配する動の部分に転換します。道饗祭は悪い妖物に対して酒や食物を振る舞うことで宮中に妖物が入ることを防ぐ目的があり、サックスのアドリブソロや自由なカオス部分などで、だんだんと盛り上がる華々しくもグロテスクな宴会の様子が描かれていきます。
コンクール以外の演奏会ではエレキベースやシンセサイザー、指定に無い打楽器や邦楽器などを自由に入れて構いません。可能な限りカオスで派手な宴になることを期待しています。
吹奏楽コンクール自由曲レパートリー集 vol.1「ハガニア・プレリュード」 新品価格 |
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