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2020年12月17日

本堅地の基本的な工程

丈夫な漆器は下地が違います。

丈夫な漆器の下地と言っても色々な方法がありますが、もっとも基本的な「本堅地(ほんかたじ)」の工程をまとめてみたいと思います。


1.木地固め(きじがため)
まず、木地の角を丸めたり、歪みがあったらサンドペーパーで削り、形を整えます。(木地調整)

次に、すこし薄めた生漆(きうるし)を刷毛で塗ってたっぷり染み込ませ、拭き取ります。(木地固め)

これは、防水効果と、木地の膨張や収縮をなるべく防ぐ目的があります。


2.布着せ(ぬのきせ)
漆風呂に入れて漆が固まったら、サンドペーパーで軽く空研ぎ、濡らして固く絞った布でふきます。

次は、木地の補強のために布を糊漆(のりうるし)で貼ります。(布着せ)

糊漆とは、上新粉と水を混ぜて火にかけて糊を作り、それに生漆を混ぜたものです。

布は綿の布か、麻の布か、和紙を貼る場合もあります。

綿より麻の方が丈夫です。


3.目摺り(めすり)
布着せの糊漆が固まったら、布の重なったところや端の部分などを刃物で切り落とし、サンドペーパーで軽く空研ぎします。

そして、地漆(じうるし)で布目の凸凹と、布と木地との段差を埋めます。

地漆とは、糊と地の粉と生漆を混ぜたものです。

4.地付け(じつけ)
下地に厚みを持たせ、やせ目を防ぎ、形を補正するために、目摺りの地漆の表面を研ぎ、地漆を全体に塗ります。

5.切粉地付け(きりこじつけ)
地付けの表面をより細かくするため、地漆の表面を研ぎ、切粉地漆を塗ります。

切粉地漆は、地の粉、砥の粉、水、生漆を混ぜたものです。

6.錆付け(さびつけ)
切り粉地付けの表面をさらに細かくするために、切り粉地漆の表面を研ぎ、錆漆(さびうるし)を塗ります。

錆漆とは、砥の粉、水、生漆を混ぜたものです。

7.中塗り(なかぬり)
やっと下地の最終工程です。

錆漆の表面を研ぎ、形をキレイに整え、中塗り漆を塗ります。

中塗り漆を研いでみて、錆漆が出てきたらまた中塗り漆を塗り重ねます。


以上が本堅地の基本的な工程です。

かなり手間がかかりますが、お椀の内側などはさらに地付けの前に蒔地(まきじ)という工程を入れる場合もあります。

本堅地の漆器の値段が高いのは、こんなに手間がかかっているからなんです!

この手間を知っていればむしろ安いと思うかもしれませんね!
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