騎士きどり　knight kidori

今の家財道具全て持ってこの家を出ないといけないということと
環境が変わるのが苦手なアダルトチルドレンの私が、もう二度と引っ越したくないという理由で
どうしても一軒家を探しているのだけど

そしたら、どうしても
「ここに一人暮らし？！」
もしくは
「ここに、彼氏と二人？！」
みたいな大きな家になる。

どう考えても母が切り盛りした方が良いという思えるような
立派なお庭がついている。

もう、ここのところ
「お母さん一緒に行こう」
と、何度も何度も言いかけた。

人が罪悪感で死ぬなら、
もう何度死んだかわからない。
今も、仕事帰りの車の中で突然涙が止まらなくなって、嗚咽がおさまるまでかくれている。


私はお母さんを捨てるんだ。
いやそうじゃない、誰だって自分の人生を生きる権利があるんだ
いやそうじゃない、一人で生きられない母を捨てるんだ
いやそうじゃない、一人で背負っていたものを他の人に少し任せるだけ
いやそうじゃない、お前と一緒にいたいと請われているのは明らかなのにお前は断るんだ一人で生きたいなんて贅沢言って

もう、目眩がするくらい頭の中に文字が溢れる。

きっとお母さんがカワイソウ、ではない。
私が離れられてない。
共依存ってこわいね。
だから絶対に、「お母さん一緒に暮らそう」は言っちゃダメ。
あんなに胸を裂かれてやっといえたんだ、自分の人生を生きてみたいと。
それを母も義弟も真ん中の妹も、誰も怒らなかったじゃないか。分かってくれたじゃないか。

ちゃんと私は私の足で立つ。
そしていつかお母さんに言うんだ、
「私も頑張れてるよ」
って。

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