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2014年08月18日
小水力発電所を45カ所へ、農村から温泉地まで用水路がめぐる
小水力発電所を45カ所へ、農村から温泉地まで用水路がめぐる
全国47都道府県のうち、水力発電だけで県内の電力需要の大半をカバーできるところは富山県しかない。すでに2011年度の時点で、県内の需要の84%に相当する電力を水力発電で生み出している。その大半は北陸電力と関西電力の水力発電所だが、自治体を中心に小水力発電所が県内各地に勢いよく広がってきた。
富山県は水力エネルギーの利用可能量が全国で2番目に多い(図1)。そのうち約8割のエネルギーは開発済みで、残りが2割ある。すべてを開発できれば、水力発電だけで県内の需要を満たすことが可能だ。これから再生可能エネルギーを拡大する第1の重点施策として、「水の王国とやま 小水力発電導入促進プロジェクト」を推進している。
このプロジェクトの目標は県内23カ所で稼働している小水力発電所の数を、7年後の2021年度までに45カ所へ倍増させることだ。水力エネルギーは河川のほかに、県内各地をめぐる農業用水路にも大量に存在する。小水力発電の開発余地は大きく残っていて、現在でも5カ所で建設計画が進んでいる(図2)。
農業用水路を活用した代表的な事例は、県西部の南砺市(なんとし)で2013年3月に運転を開始した「山田新田用水発電所」に見ることができる。農村地帯を流れる川から引き込んだ用水路の水が再び川へ戻るまでのあいだに、25メートルの落差を生かして発電する構造になっている(図3)。
この用水路は周辺の水田に水を供給するため、稲作の時期にあたる4月から9月まではほぼ全量を水田に送る必要がある。それ以外の季節は大半の水が不要になる。そこで余剰分の水流をヘッドタンクと呼ぶ貯水槽を使って分岐させて、発電所に水を送るようにした。
発電能力は520kWあって、年間の発電量は257万kWhを見込む。一般家庭で約700世帯分の電力使用量に相当する。季節によって利用できる水量が大きく変動するために、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は小水力発電では低めの56%になる。それでも発電した電力の売電収入によって、用水路の維持管理費を軽減できるメリットは大きい。
こうした農業用水路を活用した小水力発電所は、古くから水力発電が盛んな県東部の黒部市でも広がってきた。黒部市では2012年に「宮野用水発電所」の運転を開始したのが最初の取り組みだ。この発電所は水を取り込むまでの経路に特徴がある(図4)。
元をたどると、温泉地で有名な宇奈月温泉の近くにある「宇奈月ダム」に行き着く。そのダムからの水流で関西電力の「宇奈月発電所」(発電能力2万kW)が電力を作った後に、山の中腹に設けられた水槽まで水が運ばれていく。そこから3本の水路に分かれて、うち2本は別の発電所へ、残りの1本が宮野用水になって近隣の水田へ水を送り届ける。
この用水路の途中に宮野用水発電所を設置した。水槽からの約50メートルの落差を利用して、最大で780kWの電力を供給することができる。年間の発電量は530万kWhになり、約1500世帯分の電力使用量に相当する。しかも設備利用率は78%と極めて高い。もともと農業用水路として4月から11月までの水量を多く確保できていたため、年間を通じて発電に使える水量がさほど増減しない利点がある。
黒部市では宇奈月温泉でも小水力発電所が稼働している。温泉街を流れる防火用水路の途中に水車発電機を設置して発電する方式だ(図5)。毎秒0.04立方メートルの少ない水量から、10メートルの落差を使って2.2kWの電力を作ることができる。
年間の発電量は1万5000kWhで、一般家庭の4世帯分の電力使用量にしかならない。わずかな電力だが、温泉街を循環する電動バスに電力を供給するほか、発電所の周辺にある防犯灯の電源として利用している。規模は小さいながらも、エネルギーの地産地消を実践して、環境に優しい「エコ温泉」をアピールするのに役立てる狙いだ。
富山県の再生可能エネルギーの導入量を見ると、新たに固定価格買取制度で認定を受けた発電設備の規模は全国でも2番目に少ない(図6)。今後は小水力に続いて風力や太陽光、さらに地域の森林資源を生かしたバイオマス発電も増える見込みだ。既存の水力発電に新しい再生可能エネルギーの電力が加わって、火力や原子力に依存しないエネルギー供給体制を着実に実現していく。
(一部抜粋)
全国47都道府県のうち、水力発電だけで県内の電力需要の大半をカバーできるところは富山県しかない。すでに2011年度の時点で、県内の需要の84%に相当する電力を水力発電で生み出している。その大半は北陸電力と関西電力の水力発電所だが、自治体を中心に小水力発電所が県内各地に勢いよく広がってきた。
富山県は水力エネルギーの利用可能量が全国で2番目に多い(図1)。そのうち約8割のエネルギーは開発済みで、残りが2割ある。すべてを開発できれば、水力発電だけで県内の需要を満たすことが可能だ。これから再生可能エネルギーを拡大する第1の重点施策として、「水の王国とやま 小水力発電導入促進プロジェクト」を推進している。
このプロジェクトの目標は県内23カ所で稼働している小水力発電所の数を、7年後の2021年度までに45カ所へ倍増させることだ。水力エネルギーは河川のほかに、県内各地をめぐる農業用水路にも大量に存在する。小水力発電の開発余地は大きく残っていて、現在でも5カ所で建設計画が進んでいる(図2)。
農業用水路を活用した代表的な事例は、県西部の南砺市(なんとし)で2013年3月に運転を開始した「山田新田用水発電所」に見ることができる。農村地帯を流れる川から引き込んだ用水路の水が再び川へ戻るまでのあいだに、25メートルの落差を生かして発電する構造になっている(図3)。
この用水路は周辺の水田に水を供給するため、稲作の時期にあたる4月から9月まではほぼ全量を水田に送る必要がある。それ以外の季節は大半の水が不要になる。そこで余剰分の水流をヘッドタンクと呼ぶ貯水槽を使って分岐させて、発電所に水を送るようにした。
発電能力は520kWあって、年間の発電量は257万kWhを見込む。一般家庭で約700世帯分の電力使用量に相当する。季節によって利用できる水量が大きく変動するために、設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は小水力発電では低めの56%になる。それでも発電した電力の売電収入によって、用水路の維持管理費を軽減できるメリットは大きい。
こうした農業用水路を活用した小水力発電所は、古くから水力発電が盛んな県東部の黒部市でも広がってきた。黒部市では2012年に「宮野用水発電所」の運転を開始したのが最初の取り組みだ。この発電所は水を取り込むまでの経路に特徴がある(図4)。
元をたどると、温泉地で有名な宇奈月温泉の近くにある「宇奈月ダム」に行き着く。そのダムからの水流で関西電力の「宇奈月発電所」(発電能力2万kW)が電力を作った後に、山の中腹に設けられた水槽まで水が運ばれていく。そこから3本の水路に分かれて、うち2本は別の発電所へ、残りの1本が宮野用水になって近隣の水田へ水を送り届ける。
この用水路の途中に宮野用水発電所を設置した。水槽からの約50メートルの落差を利用して、最大で780kWの電力を供給することができる。年間の発電量は530万kWhになり、約1500世帯分の電力使用量に相当する。しかも設備利用率は78%と極めて高い。もともと農業用水路として4月から11月までの水量を多く確保できていたため、年間を通じて発電に使える水量がさほど増減しない利点がある。
黒部市では宇奈月温泉でも小水力発電所が稼働している。温泉街を流れる防火用水路の途中に水車発電機を設置して発電する方式だ(図5)。毎秒0.04立方メートルの少ない水量から、10メートルの落差を使って2.2kWの電力を作ることができる。
年間の発電量は1万5000kWhで、一般家庭の4世帯分の電力使用量にしかならない。わずかな電力だが、温泉街を循環する電動バスに電力を供給するほか、発電所の周辺にある防犯灯の電源として利用している。規模は小さいながらも、エネルギーの地産地消を実践して、環境に優しい「エコ温泉」をアピールするのに役立てる狙いだ。
富山県の再生可能エネルギーの導入量を見ると、新たに固定価格買取制度で認定を受けた発電設備の規模は全国でも2番目に少ない(図6)。今後は小水力に続いて風力や太陽光、さらに地域の森林資源を生かしたバイオマス発電も増える見込みだ。既存の水力発電に新しい再生可能エネルギーの電力が加わって、火力や原子力に依存しないエネルギー供給体制を着実に実現していく。
(一部抜粋)
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2014年08月12日
【イベント】9/3(水)新企画!! 28,000円でできる!ミニミニ太陽光発電システム(20W)をつくろう@リトルトーキョー
【イベント】9/3(水)新企画!! 28,000円でできる!ミニミニ太陽光発電システム(20W)をつくろう@リトルトーキョー
最近、グリーンズ主催で50Wのミニ太陽光発電システムの組み立てて持ち帰れる(または宅急便で送れる)ワークショップを複数回開催していますが、どの回もすぐに定員になってしまうほどの人気ぶり。
今回は、もっと気軽にお試しできる、20Wの小さな太陽光発電システムを用意しました。これまで開催してきた50Wの太陽光発電システムと異なるのは、発電量。ソーラーパネルもバッテリーも小型になり、都心のマンションに置いても邪魔にならず、持ち運びが簡単にできる小さなシステムです。
小学生以来(おそらく)の「電気」のあれこれを学びながら、このケーブルをここにつないで…と組み立てていくうちに、オフグリッドのソーラーシステムが完成しますす。
3.11以降、電気について悶々と考えている人は多い様子。それまでは、福島でつくられた電気を東京で消費していることに、気づく機会はなかなかありませんでした。
自分にも何かできることはないだろうかと少しでも思う人であれば、「電気って自分でつくれるんだ!」という感動は、きっと胸に深く刻まれるはずです。
電気って、本来は自然界に普通にあるもの。
でも、そのエネルギーを取り出すのは難しい。
溜めておくのも難しい。
そして、スイッチひとつで使えるから気づきにくいけど、送電の仕組みや家電側の省エネ技術なども含めて、きっと本当は使うことも難しい。
そんな「電気」をDIYすることから、みなさんも一緒に、ほしい未来をつくりませんか?
ちなみに、今回組み立てる20Wのミニミニ太陽光発電システムには、以下が含まれています。
・ 20Wソーラーパネル
・ 12Vバッテリー
・ チャージコントローラー
・ インバーター
・ シガーソケット分配器
・ 接続ケーブル一式
・ USBライト
発電量は少ないものの、パソコンや扇風機なら2時間ほど、LED照明は20時間くらい使うことができますよ。晴れていれば2日ほどで満充電になります。軽いので移動も楽々。総重量は10k以下です。
自分で電気をつくってみたいけど、大きなパネルを自宅に置くイメージがつかないという方、まずは気軽に始められる手頃なサイズ・予算感で試してみたいという方にぴったりなのが、20Wの小さな太陽光発電システムです。
greenz.jpでもあの記事やこの記事が大人気な藤野電力から講師が来て、一つひとつ手順を追って、みんなでつくりますので、誰でも完成させることができます。
また、必要なキット、工具などはすべてこちらで用意しますので、手ぶらでお越しください。
なお、完成したシステムは、持ち帰って(または宅急便で発送して)、ご自宅で発電ライフを楽しんでくださいね。
wataden_wa
これがなかなか面白い…!
持ち帰った後、つくった電気を使う際には、greenz.jpライターの増村江利子さんが50Wのミニ太陽光発電システムを実際につくり、使ってみた記事「電気を自給自足してみた!ミニ太陽光発電システムから始める、小さな暮らし」が参考になりますよ。
sasaki
こんな感じで、小さな箱やケースに収まってしまいます
みなさまのご参加をお待ちしております!
イベント概要
日時
2014年9月3日(水)18:30 〜 22:00(18:00開場)
定員
先着順、限定14名
(20Wのミニミニ太陽光発電システム組み立て希望者は最大5名、組み立てを手伝う参加者は10名)
参加費
1,500円(1ドリンク付き)
※ 2杯目からはキャッシュオンで注文いただけます。
ミニミニ太陽光発電システムをつくって持ち帰りたい人は、上記参加費とは別に、キット代金28,000円(税込)を、Peatix課金ページよりお支払いください。
参加方法
下記「申し込む」ボタンから、申し込んで下さい。
申し込み期限
一般参加者:9/2(火)23:59
20Wのミニミニ太陽光発電システム組み立て希望者:8/28(木)23:59 ※
※機材手配の関係で早めに締め切らせていただきます。
お願い
事前決済にご協力おねがいします!
会場
リトルトーキョー隣りの松崎ビル6F
東京都港区愛宕1-2-1 松崎ビル6F
地下鉄銀座線「虎ノ門」駅徒歩5分、日比谷線「神谷町」駅徒歩5分
(抜粋)
最近、グリーンズ主催で50Wのミニ太陽光発電システムの組み立てて持ち帰れる(または宅急便で送れる)ワークショップを複数回開催していますが、どの回もすぐに定員になってしまうほどの人気ぶり。
今回は、もっと気軽にお試しできる、20Wの小さな太陽光発電システムを用意しました。これまで開催してきた50Wの太陽光発電システムと異なるのは、発電量。ソーラーパネルもバッテリーも小型になり、都心のマンションに置いても邪魔にならず、持ち運びが簡単にできる小さなシステムです。
小学生以来(おそらく)の「電気」のあれこれを学びながら、このケーブルをここにつないで…と組み立てていくうちに、オフグリッドのソーラーシステムが完成しますす。
3.11以降、電気について悶々と考えている人は多い様子。それまでは、福島でつくられた電気を東京で消費していることに、気づく機会はなかなかありませんでした。
自分にも何かできることはないだろうかと少しでも思う人であれば、「電気って自分でつくれるんだ!」という感動は、きっと胸に深く刻まれるはずです。
電気って、本来は自然界に普通にあるもの。
でも、そのエネルギーを取り出すのは難しい。
溜めておくのも難しい。
そして、スイッチひとつで使えるから気づきにくいけど、送電の仕組みや家電側の省エネ技術なども含めて、きっと本当は使うことも難しい。
そんな「電気」をDIYすることから、みなさんも一緒に、ほしい未来をつくりませんか?
ちなみに、今回組み立てる20Wのミニミニ太陽光発電システムには、以下が含まれています。
・ 20Wソーラーパネル
・ 12Vバッテリー
・ チャージコントローラー
・ インバーター
・ シガーソケット分配器
・ 接続ケーブル一式
・ USBライト
発電量は少ないものの、パソコンや扇風機なら2時間ほど、LED照明は20時間くらい使うことができますよ。晴れていれば2日ほどで満充電になります。軽いので移動も楽々。総重量は10k以下です。
自分で電気をつくってみたいけど、大きなパネルを自宅に置くイメージがつかないという方、まずは気軽に始められる手頃なサイズ・予算感で試してみたいという方にぴったりなのが、20Wの小さな太陽光発電システムです。
greenz.jpでもあの記事やこの記事が大人気な藤野電力から講師が来て、一つひとつ手順を追って、みんなでつくりますので、誰でも完成させることができます。
また、必要なキット、工具などはすべてこちらで用意しますので、手ぶらでお越しください。
なお、完成したシステムは、持ち帰って(または宅急便で発送して)、ご自宅で発電ライフを楽しんでくださいね。
wataden_wa
これがなかなか面白い…!
持ち帰った後、つくった電気を使う際には、greenz.jpライターの増村江利子さんが50Wのミニ太陽光発電システムを実際につくり、使ってみた記事「電気を自給自足してみた!ミニ太陽光発電システムから始める、小さな暮らし」が参考になりますよ。
sasaki
こんな感じで、小さな箱やケースに収まってしまいます
みなさまのご参加をお待ちしております!
イベント概要
日時
2014年9月3日(水)18:30 〜 22:00(18:00開場)
定員
先着順、限定14名
(20Wのミニミニ太陽光発電システム組み立て希望者は最大5名、組み立てを手伝う参加者は10名)
参加費
1,500円(1ドリンク付き)
※ 2杯目からはキャッシュオンで注文いただけます。
ミニミニ太陽光発電システムをつくって持ち帰りたい人は、上記参加費とは別に、キット代金28,000円(税込)を、Peatix課金ページよりお支払いください。
参加方法
下記「申し込む」ボタンから、申し込んで下さい。
申し込み期限
一般参加者:9/2(火)23:59
20Wのミニミニ太陽光発電システム組み立て希望者:8/28(木)23:59 ※
※機材手配の関係で早めに締め切らせていただきます。
お願い
事前決済にご協力おねがいします!
会場
リトルトーキョー隣りの松崎ビル6F
東京都港区愛宕1-2-1 松崎ビル6F
地下鉄銀座線「虎ノ門」駅徒歩5分、日比谷線「神谷町」駅徒歩5分
(抜粋)
2014年08月04日
[活写] 未来生み出す渦の力 「たらい型水車」 (2014/8/1)
[活写] 未来生み出す渦の力 「たらい型水車」 (2014/8/1)
東京都江東区の東京ビッグサイトで開催中の、「再生可能エネルギー世界展示会」で、農業用水路で活用しやすい小水力発電機器が来場者の注目を集めている。
富山県黒部市に本社があるLENSと川端鉄工の2社は、共同で昨年製品化した「たらい型水車」を出展。底に丸い穴がある円筒状の水槽に、といなどで水を導き、流れ落ちるときに発生する渦で水車を回す。
両社は、落差1.5メートルでも設置できる直径1.5メートル、深さ1メートルの水槽に、仮の水車を取り付けて展示。来場者に、流れ込んだごみの影響が少ないなどの利点を説明していた。LENSの齊藤栄子マネージャーは「さらに小型化することも考えたい」と意欲を見せる。
(一部抜粋)
東京都江東区の東京ビッグサイトで開催中の、「再生可能エネルギー世界展示会」で、農業用水路で活用しやすい小水力発電機器が来場者の注目を集めている。
富山県黒部市に本社があるLENSと川端鉄工の2社は、共同で昨年製品化した「たらい型水車」を出展。底に丸い穴がある円筒状の水槽に、といなどで水を導き、流れ落ちるときに発生する渦で水車を回す。
両社は、落差1.5メートルでも設置できる直径1.5メートル、深さ1メートルの水槽に、仮の水車を取り付けて展示。来場者に、流れ込んだごみの影響が少ないなどの利点を説明していた。LENSの齊藤栄子マネージャーは「さらに小型化することも考えたい」と意欲を見せる。
(一部抜粋)
2014年07月31日
小水力発電で全国1位をキープ、農業用水路や砂防ダムでも水車を回す
小水力発電で全国1位をキープ、農業用水路や砂防ダムでも水車を回す
長野県内には大小を合わせて200カ所に迫る数の水力発電設備が稼働していて、発電能力を合計すると160万kWを超えている。東京・中部・関西の3電力会社と長野県の企業局が運営する水力発電所が大半を占める。この膨大な規模の水力発電に加えて、新たに太陽光・小水力・バイオマスによる発電設備を2050年に向けて拡大させる計画を推進中だ(図1)。
計画通りに進むと、2030年には既存の水力発電と新規の再生可能エネルギーだけで県内の電力需要を100%カバーすることができる。さらに2050年には太陽光・小水力・バイオマスを合わせて90万kW(=900MW)の規模に拡大して、需要を大幅に上回る供給力を火力にも原子力にも依存しない形で実現する狙いだ。
2050年の時点では太陽光が60万kW、小水力が14万kW、バイオマスが11万kWの順になる。このうち小水力発電の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は標準で60%を超えて太陽光発電の5倍以上になることから、発電量では小水力が最大の電力源になる可能性が大きい。
(一部抜粋)
長野県内には大小を合わせて200カ所に迫る数の水力発電設備が稼働していて、発電能力を合計すると160万kWを超えている。東京・中部・関西の3電力会社と長野県の企業局が運営する水力発電所が大半を占める。この膨大な規模の水力発電に加えて、新たに太陽光・小水力・バイオマスによる発電設備を2050年に向けて拡大させる計画を推進中だ(図1)。
計画通りに進むと、2030年には既存の水力発電と新規の再生可能エネルギーだけで県内の電力需要を100%カバーすることができる。さらに2050年には太陽光・小水力・バイオマスを合わせて90万kW(=900MW)の規模に拡大して、需要を大幅に上回る供給力を火力にも原子力にも依存しない形で実現する狙いだ。
2050年の時点では太陽光が60万kW、小水力が14万kW、バイオマスが11万kWの順になる。このうち小水力発電の設備利用率(発電能力に対する実際の発電量)は標準で60%を超えて太陽光発電の5倍以上になることから、発電量では小水力が最大の電力源になる可能性が大きい。
(一部抜粋)
2014年07月27日
温泉が反対する?もう一つの再生可能エネルギー「地熱発電」
温泉が反対する?もう一つの再生可能エネルギー「地熱発電」
再生可能エネルギーは太陽光発電だけではない。地熱発電だってあるのだ。地熱発電は、主に火山活動による地熱によって生成された水蒸気により発電機に連結された蒸気タービンを回すことによって電力を発生させる。世界各国で、導入が活発になっている。しかし、我が国では2010年段階で総発電量の0.2%を占める程度となかなか普及には程遠い状態だ。
これは、計画された発電所周辺の温泉地からの反対が強いからだ。地熱発電の新設により、温泉の枯渇、湯量の低下、温泉の温度低下、景観を損なう恐れがあるからということらしい。このため、事業者は温泉と手を組んだ事業展開を図るのがほとんどだ。
オリックス<8591>もその一つだ。同社23日、北海道函館市および青森県下北郡風間浦村にて、地熱発電の事業化に向けた調査を開始したと発表した。
両地域では、出力2000kW (2MW)程度の小規模地熱発電所の建設を検討している。このたび、地元関係者の了承のもと、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による地熱資源開発調査事業費助成金の採択を受け、事業性の検証のための調査を実施する。北海道函館市では地熱発電調査の第一段階となる「初期調査」を、青森県下北郡風間浦村では第二段階となる「物理探査」を行う。
北海道函館市では、調査場所は北海道函館市南茅部地域(泣面山周辺)、調査内容は初期調査(地表調査、文献調査、航空写真解析などにより、地熱資源の可能性を調査)である。調査期間は2014年6月〜2014年10月の予定。
(一部抜粋)
再生可能エネルギーは太陽光発電だけではない。地熱発電だってあるのだ。地熱発電は、主に火山活動による地熱によって生成された水蒸気により発電機に連結された蒸気タービンを回すことによって電力を発生させる。世界各国で、導入が活発になっている。しかし、我が国では2010年段階で総発電量の0.2%を占める程度となかなか普及には程遠い状態だ。
これは、計画された発電所周辺の温泉地からの反対が強いからだ。地熱発電の新設により、温泉の枯渇、湯量の低下、温泉の温度低下、景観を損なう恐れがあるからということらしい。このため、事業者は温泉と手を組んだ事業展開を図るのがほとんどだ。
オリックス<8591>もその一つだ。同社23日、北海道函館市および青森県下北郡風間浦村にて、地熱発電の事業化に向けた調査を開始したと発表した。
両地域では、出力2000kW (2MW)程度の小規模地熱発電所の建設を検討している。このたび、地元関係者の了承のもと、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)による地熱資源開発調査事業費助成金の採択を受け、事業性の検証のための調査を実施する。北海道函館市では地熱発電調査の第一段階となる「初期調査」を、青森県下北郡風間浦村では第二段階となる「物理探査」を行う。
北海道函館市では、調査場所は北海道函館市南茅部地域(泣面山周辺)、調査内容は初期調査(地表調査、文献調査、航空写真解析などにより、地熱資源の可能性を調査)である。調査期間は2014年6月〜2014年10月の予定。
(一部抜粋)
農地法手続き経ず再生エネ 農政局が調査
農地法手続き経ず再生エネ 農政局が調査
再生可能エネルギー発電施設を農地に設置する際、農地法の手続きを踏まないケースが全国で相次いでいるとして、東北農政局は、東北6県に農地利用に支障が出るなどした事例を報告するよう求めた。実態を把握し、優良農地の保護を図りながら再生可能エネルギー事業推進につなげる。
農林水産省が東北農政局など全国七つの農政局へ出した指示に基づき、23日に通知した。2012年に導入された再生エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に関連したトラブルの事例を集める。
農水省によると、農地法が定める転用手続きを経ずに発電施設を計画し、農地転用許可を出す地元自治体の農業委員会に中止を求められる事例が出ているという。
東北農政局農村振興課は「FITの申請段階で設置場所の用途がチェックできる体制になっていないのが一因」との見方を示す。農水省農村計画課は「優良農地を保護するため、認定手続きと農地利用の許可手続きが同時並行で進むよう調整したい」と話した。(抜粋)
再生可能エネルギー発電施設を農地に設置する際、農地法の手続きを踏まないケースが全国で相次いでいるとして、東北農政局は、東北6県に農地利用に支障が出るなどした事例を報告するよう求めた。実態を把握し、優良農地の保護を図りながら再生可能エネルギー事業推進につなげる。
農林水産省が東北農政局など全国七つの農政局へ出した指示に基づき、23日に通知した。2012年に導入された再生エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に関連したトラブルの事例を集める。
農水省によると、農地法が定める転用手続きを経ずに発電施設を計画し、農地転用許可を出す地元自治体の農業委員会に中止を求められる事例が出ているという。
東北農政局農村振興課は「FITの申請段階で設置場所の用途がチェックできる体制になっていないのが一因」との見方を示す。農水省農村計画課は「優良農地を保護するため、認定手続きと農地利用の許可手続きが同時並行で進むよう調整したい」と話した。(抜粋)
2014年07月23日
南アルプスからの清流で小水力発電、エネルギー地産地消の先進モデル
南アルプスからの清流で小水力発電、エネルギー地産地消の先進モデル
3000メートル級の山々に囲まれた山梨県は再生可能エネルギーの宝庫でもある。富士山のふもとになる県の南部や、南アルプスが連なる西部には、数多くの水力発電所が稼働中だ(図1)。現在でも県内の電力需要(60億kWh)の約3割を水力発電でまかなうことができる。
山梨県内の小水力発電では、もう1つ注目を集めたプロジェクトがある。南東部の都留市(つるし)を流れる家中川(かちゅうがわ)で2006年から始まった市民共同発電だ。「元気くん」と名付けた小水力発電設備が3カ所で動いている(図5)。最も新しい「元気くん3号」は2012年に運転を開始した。
(一部抜粋)
3000メートル級の山々に囲まれた山梨県は再生可能エネルギーの宝庫でもある。富士山のふもとになる県の南部や、南アルプスが連なる西部には、数多くの水力発電所が稼働中だ(図1)。現在でも県内の電力需要(60億kWh)の約3割を水力発電でまかなうことができる。
山梨県内の小水力発電では、もう1つ注目を集めたプロジェクトがある。南東部の都留市(つるし)を流れる家中川(かちゅうがわ)で2006年から始まった市民共同発電だ。「元気くん」と名付けた小水力発電設備が3カ所で動いている(図5)。最も新しい「元気くん3号」は2012年に運転を開始した。
(一部抜粋)
2014年07月21日
【世界初】三菱電機、3種の電力を混ぜて使えるEV用パワコンを開発
【世界初】三菱電機、3種の電力を混ぜて使えるEV用パワコンを開発
非常用電源システムとして期待されるV2Hシステム
三菱電機株式会社は2014年7月1日、電気自動車(EV)、太陽光発電システム(PV)、商用の3種類の電力を混ぜて使用できる、EV用パワーコンディショナ「SMART V2H」4機種の製品化を発表した。3種類の電力を混ぜて使用できるのは、「Vehicle to Home(V2H)」システムとしては世界で初めて。モニター販売は7月31日から開始する。
東日本大震災の発生以来、EVの蓄電池に蓄えた電気を家庭内に供給するV2Hシステムが、非常用電源システムとして注目を集めている。平時においても、真夏や真冬の電力消費のピーク時に、電力供給不足を補うシステムとして期待されている。
世界初、EV・PV・商用電力の混合使用を可能に
「SMART V2H」は「電力需給制御システム」を採用。EV・PV・商用の電力をモニターして、自動で最適制御する。V2Hシステムとしては世界で初めて、3種類の電力を混ぜて使用可能とした。また、最適制御しながら3種類の電力を家庭内に供給し、商用電力消費のピークシフトに貢献する。
「シームレス充放電技術」と「自立運転時PV連携技術」の開発により、停電時における安定した電力使用を実現。停電時でも最大約6kWの電力が家庭で使用できる。
電力の使用目的や生活スタイルに合わせて、3つの運転モードを選択可能。できるだけ電力を自給自足する「グリーンモード」、商用電力消費のピークシフトに貢献して、電力使用料金も抑える「エコノミーモード」、停電時にPVとEVの電力を使用して、ほぼ平常時並みの電力使用ができる「自立運転モード」がある
(一部抜粋)
このような製品がこれから続々出てくるかと思います。
しかし、まだ一般家庭用とは言えないような価格です。
非常用電源システムとして期待されるV2Hシステム
三菱電機株式会社は2014年7月1日、電気自動車(EV)、太陽光発電システム(PV)、商用の3種類の電力を混ぜて使用できる、EV用パワーコンディショナ「SMART V2H」4機種の製品化を発表した。3種類の電力を混ぜて使用できるのは、「Vehicle to Home(V2H)」システムとしては世界で初めて。モニター販売は7月31日から開始する。
東日本大震災の発生以来、EVの蓄電池に蓄えた電気を家庭内に供給するV2Hシステムが、非常用電源システムとして注目を集めている。平時においても、真夏や真冬の電力消費のピーク時に、電力供給不足を補うシステムとして期待されている。
世界初、EV・PV・商用電力の混合使用を可能に
「SMART V2H」は「電力需給制御システム」を採用。EV・PV・商用の電力をモニターして、自動で最適制御する。V2Hシステムとしては世界で初めて、3種類の電力を混ぜて使用可能とした。また、最適制御しながら3種類の電力を家庭内に供給し、商用電力消費のピークシフトに貢献する。
「シームレス充放電技術」と「自立運転時PV連携技術」の開発により、停電時における安定した電力使用を実現。停電時でも最大約6kWの電力が家庭で使用できる。
電力の使用目的や生活スタイルに合わせて、3つの運転モードを選択可能。できるだけ電力を自給自足する「グリーンモード」、商用電力消費のピークシフトに貢献して、電力使用料金も抑える「エコノミーモード」、停電時にPVとEVの電力を使用して、ほぼ平常時並みの電力使用ができる「自立運転モード」がある
(一部抜粋)
このような製品がこれから続々出てくるかと思います。
しかし、まだ一般家庭用とは言えないような価格です。
2014年07月20日
電力・食料・景観 問われる土地利用 相次ぐ転用申請
電力・食料・景観 問われる土地利用 相次ぐ転用申請
太陽光パネル設置による農地転用が急増中だ。国策として再生可能エネルギーが推進される一方で、農村地域では施工業者による乱開発が懸念されている。地域で守り続けた農地や景観を保護する動きも出始めた。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まって7月1日で2年――。農地は今、食料供給と電力生産のはざまにある。
(一部抜粋)
今後の生活を真剣に考えながら進め必要があります。
転用でも農地が耕作できなくて転用する場合は仕方がないと思うが
耕作地の場合は問題があるでしょう。
太陽光パネル設置による農地転用が急増中だ。国策として再生可能エネルギーが推進される一方で、農村地域では施工業者による乱開発が懸念されている。地域で守り続けた農地や景観を保護する動きも出始めた。再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度が始まって7月1日で2年――。農地は今、食料供給と電力生産のはざまにある。
(一部抜粋)
今後の生活を真剣に考えながら進め必要があります。
転用でも農地が耕作できなくて転用する場合は仕方がないと思うが
耕作地の場合は問題があるでしょう。
太陽光を改善する「21の方法」、長寿命化や熱利用
太陽光を改善する「21の方法」、長寿命化や熱利用
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年7月、太陽光発電システムの改善に役立つ21のプロジェクトを開始すると発表した。固定価格買取制度(FIT)の導入や世界的な部材コスト低減の流れを受けて、「太陽光発電の大量導入社会を支える」必要が次第に高まってきたことに対する取り組みだ。太陽光発電システムのうち、寿命が最も短いパワーコンディショナーの改善や太陽熱の同時利用の他、システムを廃棄せず、リサイクルするための技術開発などを進める。(一部抜粋)
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2014年7月、太陽光発電システムの改善に役立つ21のプロジェクトを開始すると発表した。固定価格買取制度(FIT)の導入や世界的な部材コスト低減の流れを受けて、「太陽光発電の大量導入社会を支える」必要が次第に高まってきたことに対する取り組みだ。太陽光発電システムのうち、寿命が最も短いパワーコンディショナーの改善や太陽熱の同時利用の他、システムを廃棄せず、リサイクルするための技術開発などを進める。(一部抜粋)