2010年02月16日
複数メダル、はためく日の丸=お家芸で長島銀、加藤銅〔五輪・スピードスケート〕
お家芸での複数メダルに日の丸がはためいた。バンクーバー五輪のスピードスケート男子500メートルで15日、長島圭一郎選手(27)が銀、加藤条治選手(25)=ともに日本電産サンキョー=が銅メダルを獲得。同種目の日本勢7大会連続メダルが懸かった前回のトリノ大会で表彰台を逃した2人が、雪辱を果たした。
2回の合計タイムで競う500メートル。6位で2回目を迎えた長島選手が気合十分の滑りで浮上すると、1回目3位だった加藤選手は最終組で踏みとどまった。最大の目標だった金メダルが手にできなかったとはいえ、観戦に訪れた家族ら関係者は感激に浸った。
長島選手の父、勝二さん(62)は3人目の子供で長男の活躍に号泣。500メートルの13位が最高だったトリノでの挫折以降、北海道・十勝の実家に帰ってきた際には「心身とも休ませるためにスケートの話はしないように配慮していた」と言うから、喜びも格別だろう。
「優し過ぎる子。勝負の世界では無理じゃないかと思っていた」息子が大舞台で親孝行。「父はなかなかスケートを見に来ないけど、最後だからと言って来た。格好いいところを見せられて良かった」と長島選手が話せば、勝二さんは「8位くらいなら会社にも顔が立つと。メダルなんて想像していなかったから、順位が出ても違うんじゃないかと思った」と笑った。
加藤選手の母、順子さん(61)は目を潤ませて「信じられない」と繰り返した。男4人兄弟の末っ子で、遠征の度にお土産を買ってきてくれるという「甘えん坊」。「本人はどう思っているか分からないが、3位でもいいからメダルを取らせてやりたかった」という言葉に、加藤選手は「銅はギリギリ合格かな」と最後は安堵(あんど)感をにじませた。
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