2010年12月08日
楢崎、謙虚にスーパーセーブ「Jアウォーズ」最優秀選手賞受賞
Jリーグは6日、東京都内で年間表彰式「Jリーグ・アウォーズ」を開き、最優秀選手賞は名古屋のJ1初優勝に貢献した楢崎正剛(34)がGKとして初受賞した。
「僕は闘莉王が獲るべきだと思っていました」と驚きの表情の楢崎。1999年の元日をもって消滅した横浜フリューゲルスから移籍して12年目でようやくたどりついたリーグ初優勝。全34試合フル出場が評価された。
謙虚で気配りもできる。優勝へ秒読みに入ったリーグ戦終盤、髪を染めた。プロ16年目の34歳。「おしゃれ? 何いっているんですか、白髪染めですよ。もう、おっさんですからね」
また優勝を決めた湘南戦後、歓喜のセレモニーで優勝皿をもらうときの出来事だ。「表彰式の段取りをしているときでした。楢崎さんの方から、『この優勝皿をどうもちあげればいいのですか? タイミングは? 立ち位置は?』と次から次へと質問してくれて…。大騒ぎしたいのに、こんなにしっかり聞いてきた選手は今までにいません。おかげで優勝セレモニーは完璧(かんぺき)にいきました」とJリーグ関係者も楢崎の気配りと冷静さに感心していた。
W杯南アフリカ大会後、日本代表からの引退を決めた。「40歳までできる? とにかく、もうおっさんなんだから。いいでしょう。家族孝行もしないといけない年代ですから」。名古屋の優勝に集中するため、あえて代表GKの座を捨てたのも楢崎でしかできないことだ。
99年に経営不振から消滅した横浜フリューゲルスへの思いも強い。「あんなことは2度おきてはダメなんです」と今でも話す。海外移籍のオファーもなくはなかった。名古屋からの移籍も考えたときがあった。「でもね。移籍するとメンバー表の前所属のところに“横浜フリューゲルス”という文字がなくなってしまうじゃん」とさらりと話す。散り散りになったフリューゲルスOBの耳にも届き「さすが、ナラ(楢崎)だ…」と涙を流した者もいた。
ボールの進化で「ブレ球」などGK泣かせの不規則変化が生まれる。「GKに有利なボールができないですかね。ホントに毎年頭が痛い」。代表では川口(磐田)の陰に隠れがちだった男がようやく勝ち取った栄冠。忘れられない1年になったはずだ。 (夕刊フジ編集委員・久保武司
「僕は闘莉王が獲るべきだと思っていました」と驚きの表情の楢崎。1999年の元日をもって消滅した横浜フリューゲルスから移籍して12年目でようやくたどりついたリーグ初優勝。全34試合フル出場が評価された。
謙虚で気配りもできる。優勝へ秒読みに入ったリーグ戦終盤、髪を染めた。プロ16年目の34歳。「おしゃれ? 何いっているんですか、白髪染めですよ。もう、おっさんですからね」
また優勝を決めた湘南戦後、歓喜のセレモニーで優勝皿をもらうときの出来事だ。「表彰式の段取りをしているときでした。楢崎さんの方から、『この優勝皿をどうもちあげればいいのですか? タイミングは? 立ち位置は?』と次から次へと質問してくれて…。大騒ぎしたいのに、こんなにしっかり聞いてきた選手は今までにいません。おかげで優勝セレモニーは完璧(かんぺき)にいきました」とJリーグ関係者も楢崎の気配りと冷静さに感心していた。
W杯南アフリカ大会後、日本代表からの引退を決めた。「40歳までできる? とにかく、もうおっさんなんだから。いいでしょう。家族孝行もしないといけない年代ですから」。名古屋の優勝に集中するため、あえて代表GKの座を捨てたのも楢崎でしかできないことだ。
99年に経営不振から消滅した横浜フリューゲルスへの思いも強い。「あんなことは2度おきてはダメなんです」と今でも話す。海外移籍のオファーもなくはなかった。名古屋からの移籍も考えたときがあった。「でもね。移籍するとメンバー表の前所属のところに“横浜フリューゲルス”という文字がなくなってしまうじゃん」とさらりと話す。散り散りになったフリューゲルスOBの耳にも届き「さすが、ナラ(楢崎)だ…」と涙を流した者もいた。
ボールの進化で「ブレ球」などGK泣かせの不規則変化が生まれる。「GKに有利なボールができないですかね。ホントに毎年頭が痛い」。代表では川口(磐田)の陰に隠れがちだった男がようやく勝ち取った栄冠。忘れられない1年になったはずだ。 (夕刊フジ編集委員・久保武司
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