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2023年08月07日

初心の功徳

妙楽大師、「五十展転」の人を釈して云わく「恐らくは、人謬って解せる者、初心の功徳の大なることを測らずして、功を上位に推り、この初心を蔑る。故に、今、彼の行浅く功深きことを示して、もって経力を顕す」文。文の心は、謬って法華経を説かん人の、この経は利智精進・上根上智の人のためといわんことを、仏おそれて、下根下智・末代の無智の者のわずかに浅き随喜の功徳を四十余年の諸経の大人・上聖の功徳に勝れたることを顕さんとして、「五十展転」の随喜は説かれたり。
『日蓮大聖人御書全集』新版 6頁〜7頁 (唱法華題目抄)

「初心の功徳」という言葉が出てきます。『法華文句記』巻10の中にある妙楽大師の言葉ですね。信仰を始めたばかりの人にあらわれる功徳のことをいいます。

信仰において、重要なのは信仰を始めたその時なのでしょうね。しかし、親が法華経信仰をしている場合、生まれたときから信仰の世界にいるわけで、その場合、「初心の功徳」と言われてもピンとこないところもあります。

しかし、改めて、信仰とは、法華経とは、御書とは、本尊とは、との問いを発し始めると、まさにその時が、事実上、信仰を始めたときといえるかもしれません。その時に信仰をしていく中であわられる功徳が「初心の功徳」といえるでしょう。

また、長年、信仰を続けてきた場合であっても、常に心新たに信仰をするならば、その時が初心ともいえるわけで、常に「初心の功徳」を得ることができると考えられます。

この「初心の功徳」は、初心の時の功徳ですから、浅い、深いでいうと浅い信仰になります。浅い信仰であるから、功徳も浅いのかというと、そうではないのですね。

「彼の行浅く功深きことを示して、もって経力を顕す」ということですから、修行が浅くとも、功徳は深いのですね。これが法華経の力であるというわけです。浅い修行では浅い功徳、深い修行で深い功徳というのではなく、浅い修行でも深い功徳を得ることができるのが法華経であり、そうであるからこそ、法華経が素晴らしいといえるのですね。

「初心の功徳」という考え方は、信仰する上で有り難い考え方ですね。仏道修行が段階的であり、徐々に功徳を得ていくものだとするならば、いつまでたっても大した功徳が得られず、途中で嫌になってしまうでしょう。

また、「利智精進・上根上智の人」には、深い功徳があるが、「下根下智・末代の無智の者」には、浅い功徳しかないとなれば、これまた、信仰を続けるのがばかばかしくなるというものです。

しかし、法華経信仰は、「初心の功徳」を強調しますから、「行浅く功深き」であり、はじめから法華経の真髄の功徳を得ることができるのですね。信仰を続けることが容易といえるでしょう。

もちろん、「利智精進・上根上智の人」になるよう努力はすべきですが、そこが根本ではないのですね。「初心の功徳」を大切にする信仰、これが根本ということです。
posted by lawful at 06:00| 御書

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