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うさぎさん
小さな貸農園で無農薬の野菜を栽培しています。 畑にいるときはいつも、ルンルンです。
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2014年08月16日
非常食
高子おばあちゃんが話してくれた戦時中のお話です。


お腹がとってもすいていた。

来る日も来る日も食べ物らしいものは口にしていない。


ある日一斗缶をおとうさんが持ってきた。

その中はさつまいもの切干でいっぱいだった。


お父さんが言った。

この切干は万一なにも手に入らなくなった時の非常食だから

普段の食べ物ではないので口にしてはいけないよ。

わかったね。

うん。わかった。


しばらくして、お父さんは出かけた。

最初に、一斗缶に手を出したのはおかあさんだった。


お母さんもこの何日かは食べ物らしいものは口にしていなかった。

いま、非常食を食べなければ私たちは死んでしまうかもしれないよ。


一枚ずつ、良く噛んでいただこうね。

とてもおいしかった。

涙が出るほどうれしかった。


お父さんが、帰ってきて切干が少なくなっているのを見た。

お父さんは何も言わなかった。


狭い裏庭にさつまいもの蔓を挿した。

農業の経験などなかったのに、おとうさんが蔓をもらってきたのだ。


わたしたちは、サツマイモができるのを首を長くして待ちわびた。

子供たちはときどき蔓の下の土を掘ったりした。

結局サツマイモはできなかった。


サツマイモの蔓をすいとんの中に入れて食べた。

かぼちゃの葉っぱもたべた。


食べられるものはなんでもすいとんの中に入れてたべた。


時々配給があった。

玄米だった。よく炊かないと固くてたべられなかった。

長い時間をかけてゆきひらでおかゆのようにして炊いた。


丸い麦の配給もあった。つるつると口の中ですべって良く噛めなかった。

それでも、食べ物がいただけることはうれしかった。





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