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2021年11月26日

株式取引等譲渡所得の年末節税対策に欠かせない損出し、益出し手法(リニュアル)

年末を控え、今年の株式取引等譲渡所得の節税対策は十分ですか? 

 

株式投資や投信取引等で大きく利益が出て多額の税金を払っている方や、逆に大きく損を出している方もおられると思いますが、いずれにしても年度末を迎え、大きく利益が出てたくさん税金を払っている場合は、少しでも利益を減らして税金を戻したいものですね。

 

逆に、損を出している場合は、極力、評価益のあるものを利益処分して税金支払いなしで利益100%を現金化したいものですね。

 

そして、来年度に利益を出しやすい状態にしたいものです! 

 

そのためには、「損出し」及び、「益出し」手法は欠かせないものです!

 

 

 

年末の株式等取引は、節税と来年に利益を出しやすい持ち株入れ替えができる最大のチャンス!

 

株式投資や投信等において、年末取引は、この1年間で利益が出ている人も、損が出ている人も、節税と来年に利益を出しやすい持ち株入れ替えを行なう大きなチャンスでもあります。(ここで言う利益は配当等も含みます) 

 

しかし、個人投資家、特にネット取引専門の方は、証券会社等からの直接のアドバイスがない為、折角の大きなそして取り返しがつかない節税機会を、また、来年に備えた利益体質のある銘柄入れ替えのチャンスを逸してしまう方が多いのではないかと思います。

(非常にもったいないことですね!)

 

株式取引等の税負担は、利益(含む配当)の20%と税負担は重く、又、来年の住民税等の負担増に影響しかねません!

 

株式取引等投資には、大きな税負担が伴い、利益や配当には20.315%(所得税15%+復興特別税0.315%+住民税5%)もの税金がかかります。 

 

また、確定申告の仕方によっては、利益は譲渡所得として、配当は配当所得として他の所得と合算されて住民税やその他の社会保険や行政サービス負担にも影響を与えます。 

 

従って、株式取引等の投資に伴う節税対策は大変重要です。

 

年末取引は、今年の運用状況を見ながら大きな節税対策が打てる最大のチャンス!

 

特に、年末での取引は、今年の運用状況を見ながら、利益の出ている場合は、利益圧縮を、損が出ている場合は、税金を払わずに益出しの100%が現金化できる大きなチャンスでもあります。

 

これらについては、細心の注意を払って、節税対策を行う必要があります。 これを見逃し放置し来年となれば全ての節税機会を失った形になります(気づかなければそれまでですが?)

 

節税対策には「損出し」「益出し」手法が重要で必須!

 

「損出し」「益出し」の仕組み

 

損出し」「益出し」は、「損切」「利食い」と違って、基本的には、「持ち株を変えず」に、「含み損」あるいは「含み益」を実現させ、税の還付を受けたり、税負担なく利益の100%を受け取れる「節税手法」です。

 

「損切り」や「利食い(利確)」は、その株を「処分する」ことになるので大きな決断を強いられます。 

 

しかし、「損出し」「益出し」は、基本的には、売却した銘柄と同じ銘柄を同株数、同値で買い直すことを前提にしているため、実質的には、持ち株そのものには変動がなく「損」又は「益」を実現させることができるのです。

 

例え、その株価が上に行こうと、下に行こうと、持ち続けていれば同じことなので失敗ということはあり得ません。 従って、節税には、極めてありがたい手法であり、気楽に実行できます。

 

「損出し」「益出し」の節税メリット

 

「損出し」のメリット

 

「損出し」のメリットは、簡単に言うと、「持ち株を変えずに、含み損のある株のを実現させて、今までの利益で徴収された税金を取り戻せること」です。 

 

つまり、今年のこれまでの取引でトータルとして利益(含む配当)が出ている(税金を払っている)場合に、「含み損のある株」(含む信用買株)を売却し「損を実現させる」ことにより、これまでのトータル利益を減らし税の還付(※ここでは、特定口座内取引で源泉徴収を選択していることを前提にします。※以下同じ)を受ける取引です。

 

「損出しによるメリット」は、節税だけでなく、買い替えた同株の買い付け値が、この株の買値を引下げることにもなるので将来の利幅拡大にも繋がるという点です。 

 

また、「損出し」は、今年度の譲渡所得の抑制になり、住民税やその他の公的負担への影響軽減にも役立ちます。

 

「損切り」との違い

 

「損切り」と異なるのは、「損出し」の場合は、売却と同時に、同銘柄を同値で同数買い直し実質的には持ち株を変えず「損」だけ実現させる取引行為を指します。 

 

もちろん、同株でなく他の株へ乗り換えても良く、「損の実現」が最大目的で他の株への乗り換えもその時の価格で買い付けるという意味では考え方は同じです。

 

「益出し」のメリット

 

「益出し」のメリットは、簡単に言うと、持ち株を変えずに、「含み益のある株」の「益を実現」させて、税金を払わず(トータルとして赤字であるため)に利益が得られることです。

 

「益出し」とは、これまでの取引で損(配当を含めても損になる)となっている場合に、含み益のある株(含む信用買株)を売却し、「税負担なし」で「利益の100%」を現金で受け取る為の取引です。

「利食い」との違い

「利食い」と異なるのは、「益出し」の場合は、売却と同時に、基本的には、同銘柄を同値で同数買い直し、実質的に、持ち株数を変えずに「益」だけを実現させる取引行為を指します。 

 

つまり、持ち株(数量、価格)を変えずに「益」だけ実現させることになります。 

 

もちろん、同株でなく他の株へ乗り換えても良く、「益の実現」が最大目的で他の株への乗り換えもその時の価格で買い付けるという意味では考え方は同じです。 

 

但し、「益出し」の場合、既に値上がりしての利益なので、買い直しは、更に上値が見込まれ同株を保有し続けたいという気持ちがないと難しいですが、単に「益出し」と考えれば、願ってもない手法です。 

 

また、「益出し」は、利益の100%を現金で受け取れる最大のメリット以外に、買い替えた同銘柄の買い入れ値は高くなっているため、翌年以降に値上がりで利確する場合に利幅がその分小さくなっているので税金は少なくて済みます。

 

「損出し」「益出し」の「同株買い替え」のやり方と、現物株と信用株とのやり方の違い

 

「損出し」「益出し」は、通常、売却と同時に、同株を同数、同価格で買い入れることが基本的な考え方です。 

 

しかし、これは、信用取引では、容易に、同株を同数同価格で買い入れできますが、信用取引をされていない場合は、少し工夫が必要になります。

 

「損出し」「益出し」株が現物株の場合の「同株買い替え」のやり方

 

現物株の場合、「損出し」「益出し」で売却する株と同銘柄を同日に現物で買い直しをすると、買い直し株の買い入れ価格が、売却株の平均取得単価に組み入れられるので、「損出し」「益出し」の損益が縮小されてしまい効果が薄まってしまいます。 

 

◯信用取引できる場合 

 

従って、「損出し」「益出し」で売却する株が現物株の場合、最もいい方法は、信用を使って同株を同数、同値で買い直しすることです。 

 

やり方は、いろいろできますが、当日の寄付き前に、売りと買いを成り行きで注文すれば容易にできます。(但し、極端に取引が少ない銘柄はブレに注意してください) 

 

◯信用取引できない場合 

 

信用が利用できない場合は、現物の売りに対し、現物の買い替えは、翌日以降の買い付けとなります。従って、同値では難しくなりますが、余程の変動がない限り翌日に買い付けるのが落ち着くと思います。 

 

このため、信用取引ができるように契約しておくことが便利と思われます。(但し、信用取引は、無理にはお勧めしません)

 

「損出し」「益出し」株が信用建玉の場合の「同株買い替え」のやり方

 

「損出し」「益出し」で売却する株が「信用建玉の場合」は、同日に現物株買いであろうと信用買いであろうと、当日の寄付き前に、売りと買いを成り行きで注文すれば容易にできます。
(但し、極端に取引が少ない銘柄はブレに注意してください) 

 

但し、「損出し」株が信用建玉である場合は、「損出し」により、損を実際に現金で決済しなければなりません。(つまり、現金が減ります。現物での損出しの場合は、含み損の実現なので資産は目減りしません!) 

 

従って、信用建て玉を損出しする場合は、損金の20%は還付金で戻りますが、80%分は現金が失われます。

 

しかし、同銘柄を同値で買い直せば同銘柄の買い入れ値を下げたことになるので、その分利食いのチャンスは広がり利幅も大きくなります。 

 

従って、評価損のある信用建玉を「損出し」する場合は、損金の80%分の現金が一時的に失われることを承知で、維持率等を勘案して判断する必要があることに注意願います。 

 

以上のように、「損出し」「益出し」は、今年の株取引の運用状況に応じて、節税と株の仕入れ値も調整ができる手法で、年末における節税対策には欠かせません。

 

「損出し」「益出し」手法を使う主な場面

 

株式等取引における年末節税対策は、今年のこれまでの運用成績や過去の繰越損(確定申告で登録済みがある場合)の有無などで基本スタンスが決まります!

 

「損出し」は、利益(含む配当)圧縮の年末節税対策に力を発揮します!

今年度に大きな利益(含む配当)が出ている場合、含み損のある株の「損出し」により、損金の20.315%が還付されるので、現物株に含み損がある場合、極力、「損出し」で利益を圧縮し税金の還付を受けるのが基本スタンスです。 

 

たとえ、利益よりも損出しで損が出ても、配当分(利益の1種)があり、利益+配当額まで損出しすれば、両者にかかっていた税金が100%が回収できます。 

 

また、それ以上の損出しであっても、確定申告で「損は繰越しできる」ので来年以降の節税対策に利用できます。 

 

従って、含み損を抱える現物株(信用も可)については、損出しは、節税の大きな武器になります。

 

「益出し」は、運用が赤字(含む配当)の場合、税金を払わずに利食いできるので、年末節税対策に力を発揮します!

 

「益出し」は、基本的には、運用がトータル赤字(損+配当)の場合に使います。 

 

運用がトータルで赤字であれば、含み益のある株を「益出し」すれば、税金20.315%を払わずに利益が100%受け取ることができます。(益出ししても運用トータルが赤字であればです) 

 

もし、含み益のある株を来年以降に持ち越して利食いすると税金が徴収されることになります。従って、トータル運用成績(配当も含めて)があかじであれば、年内で益出しすると、節税をしたことになります。

 

なお、年末節税対策には、「繰越損」の有無も重要

 

年末の節税対策は、今年のこれまでの運用状況を見て「損出し」「益出し」を駆使して取り組まれることが大事ですが、実は、確定申告で「繰越損」を税務署に申告しているかどうかも重要となります。 

 

過去に繰越損(苦い思いをした遺物)があれば、それを活用することが、過去の損を生かすことになります。 

 

従って、下表のように区分して、今年の仕上げをどうしたいかを考えると、より具体的に、年末節税対策として取り組むべき課題が明確になってくると思います。 

 

詳細は、 株取引の年末節税対策|素人でもわかる節税の手引き(損出し益出し)」をご覧願ます。

 

T.前年度迄の繰越損がない場合 +.今年度の取引が黒字(利益がでている)の場合
−.今年度の取引が赤字(損がでている)の場合
U. 前年度迄の繰越損がある場合 +.今年度の取引が黒字(利益がでている)の場合
−.今年度の取引が赤字(損がでている)の場合

 

※利益は、「売買益と配当の合計」、損は、「売買損に配当を加算しても損が残る」ことを意味します。

 

まとめ

 

「損出し」「益出し」は、節税や銘柄の組み換え等に大変威力を発揮する手法です。

 

 年末における皆様の置かれた運用状況は様々ですが、ケースバイケースで「損出し」「益出し」を活用されれば、頭を抱えていた状況も少しは整理がし易く年末対策が打ちやすくなるのではと期待しています。 

 

なお、具体的な「損出し」「益出し」の活用事例を
株取引の年末節税対策|素人でもわかる節税の手引き(損出し益出し)
でご紹介していますのでご覧いただければ幸いです。

 

 

ーーーーーーーーーーーーー 完 ーーーーーーーーーーーーーー

 

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