2016年03月10日
七十一話 お題:献花(神前、または霊前に花を供えること) 縛り:なし
知り合いの女性から聞いた話である。
彼女の家の側には昔死亡事故が起きた交差点があり、今でもそこには花が供えられているのだが、最近その花が散らかされるようになった。
「何度か花が散らかってるのを見たことがあって、簡単に片づけたりもしてたんだけど、まさか散らかしてる現場に出くわすとは思ってなくて」
その日は仕事が長引き、彼女が自宅の最寄り駅から歩いてきて件の交差点にさしかかった時、既に0時を回っていたという。ふと見ると、花が供えてある場所に女性が立っていた。
「道路を一本挟んだところから見てたんだけど、その女の人、供えてあった花を一本一本自分の体に突き刺していくの。嘘、と思って怖いからとりあえず交差点から離れようとしたら」
その女性は彼女に気づいたらしく、彼女の方を見ながら自分の右目に花の茎をゆっくりと突き刺していった。女性が右目に茎を刺し終え、左目に茎を刺そうとしたところで彼女は意識を失った。
「気がついたら救急隊の人に声かけられてて。多分通りかかった人が呼んでくれたんだろうけど」
なお今でも彼女が交差点を通りかかると、花が散らかされていることがあるそうだ。
彼女の家の側には昔死亡事故が起きた交差点があり、今でもそこには花が供えられているのだが、最近その花が散らかされるようになった。
「何度か花が散らかってるのを見たことがあって、簡単に片づけたりもしてたんだけど、まさか散らかしてる現場に出くわすとは思ってなくて」
その日は仕事が長引き、彼女が自宅の最寄り駅から歩いてきて件の交差点にさしかかった時、既に0時を回っていたという。ふと見ると、花が供えてある場所に女性が立っていた。
「道路を一本挟んだところから見てたんだけど、その女の人、供えてあった花を一本一本自分の体に突き刺していくの。嘘、と思って怖いからとりあえず交差点から離れようとしたら」
その女性は彼女に気づいたらしく、彼女の方を見ながら自分の右目に花の茎をゆっくりと突き刺していった。女性が右目に茎を刺し終え、左目に茎を刺そうとしたところで彼女は意識を失った。
「気がついたら救急隊の人に声かけられてて。多分通りかかった人が呼んでくれたんだろうけど」
なお今でも彼女が交差点を通りかかると、花が散らかされていることがあるそうだ。
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