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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年03月07日

六十八話 お題:未来像(未来にこうなっているだろう、またはこうなっていてほしいと想像する姿) 縛り:交代(役割や位置などを互いに入れ替えること)、菌交代症(抗生物質などで病気を抑えた結果、別の菌が増えて新たに起こる病気の症状)、ジェットコースター(急な起伏やカーブのあるレール上を高速で走る遊戯用の列車)、口笛(唇を小さく丸め、息を強く吹いて音を出すこと)、共犯(二人以上の者が一つの罪に関与していること、またその関与者)

 知人の男性の話である。


彼は肺炎で入院した際に使用された抗菌薬が原因で菌交代症になり、緑膿菌感染症になってしまった。
「ほんと、誰かに交代してもらいたいよなぁ、菌交代症だけに、ハハハ……」
 苦しそうに笑う彼に、思わずつまらないギャグを言う元気があるならまだまだ大丈夫ですよ、と言ってしまったところ、彼は黙りこんでしまった。流石に気分を害したかと私が謝ろうとした時、
「実を言うとね。僕はこうなることをずっと前から知ってたんだよ」
 と言った。私が何の話ですか、と言うと彼は話し始めた。
「高校生の時にできたばかりの遊園地にデートに行って、そこでジェットコースターに乗ったんだよ。乗る時に何となく妙な感じがしたんだ。係員がずーっと口笛をやめないのも気になったけど、一緒に乗った彼女は気にしてないみたいだったなぁ。それでジェットコースターが走り出したんだけど」
 ジェットコースターに乗っている間、彼の視界には自分の未来のことが映し出されていたという。乗っている時間は2分にも満たなかったはずなのだが、その間に彼は自分が今つきあっている彼女とは別れること、高校、大学と無事卒業しそこそこいい会社に就職すること、就職してから社内恋愛を経て結婚をすること、会社で起きた横領事件の犯人の共犯ではないかと疑われ会社を退職させられること、就職活動中に体調を崩して肺炎にかかり、治療のため使用された抗菌薬が原因で菌交代症になり、緑膿菌感染症になること、そしてその結果自分がどうなるのかまで、全て知ってしまったという。
「自分が最後どうなるのかはわかってたんだ。わかってたんだけどいざその時が近づいてくると怖くて怖くて……誰か、どうか誰か代わってほしいって、そんなことばかりずっと考えてるんだよ、弱いよなぁ、情けないよなぁ」
 そう言うと彼は啜り泣き始めた。私はとてもその場にいることができず、また来ます、とだけ言って病室を飛び出してしまった。

posted by ペン牛 at 12:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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