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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年02月25日

五十七話 お題:奇問(奇抜な質問) 縛り:奇貨(意外な利益を得る見込みのある品物や機会)

 近所の神社の神主から聞いた話である。


昔この神社にはよく算額が奉納された。算額というのは絵馬に数学の問題とその解答を書いて問題が解けたことを神に感謝して奉納したり、絵馬にわざと問題だけを書いて奉納し、それを見て解けた者が絵馬に解答を書いて奉納するといった日本独特の文化の一つなのだが、ある時神社に難問を書いた絵馬が奉納され、それが奉納されてからというもの数多くの数学好きが挑んだのだが中々解く者が現れず、とうとう数学好きの商人が解いた者には懸賞金を出すと言い出すまでになった。数学好き達はこれを奇貨とし、一層真剣に問題に取り組んだ。そしてある日、ついにその難問を解いたと言う男が現れた。早速商人と大勢の数学好きの立ち合いの下解答の検証が行われたのだが、残念なことに間違っていた。男はそんなことはない、確かに解いたのだと絵馬の問題を書き写した紙を持ってきて、その紙に書かれた問題で解答を確かめると合っている。だがそもそも、絵馬の問題と書き写した問題が違っていた。写し間違えたのだろう、ということでその場にいた商人と大勢の数学好きは帰っていった。しかし男は諦めず、絵馬に書かれた問題を再び書き写し解答を導き出した。同じように検証が行われたが、また間違っていた。しかし書き写した問題の解答としては合っている。さすがに二度も写し間違えるだろうか、ということでその場にいた数学好きの何人かが協力し、問題の写しを複数作った。写し間違いがないことを確かめると、商人からこれで解けたならば確実に正しい解答だろうとお墨つきももらい、男は三度目の正直とばかりに解答を導き出した。絵馬の問題を見て解答が正しいか確かめると、間違っている。そんな馬鹿な、と絵馬の問題と複数作った写しの問題を見比べると、明らかに異なっていた。以来その難問の絵馬は人を惑わすとして、人目に触れることがないよう今も神社にしまわれているという。

posted by ペン牛 at 12:53 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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