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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年02月11日

四十三話 お題:私財(個人の所有する財産) 縛り:八百屋(野菜類を売っている店)、賭ける(勝負事などで勝った人が負けた人からお金や品物を取る約束をする)、夜間(夜の間)、修復(建物などの傷んだところを直して元通りにすること)

 近所の神社に伝わる話である。


昔その神社はボロボロだったそうなのだが、これから博打に行くという八百屋が冗談半分で参拝したところ大勝ちしてしまい、以来参拝しては勝ち参拝しては勝ちを繰り返して一財産築いてしまったそうだ。これも神社の神様のご加護だということでその八百屋は博打で勝った金の一部を使って神社を修復した。工事が終わった日の夜間、八百屋が自分の部屋で金を数えていると、目の前に突然見知らぬ老人が現れた。老人は八百屋が修復した神社に祭られている神だと名乗り、その礼のために出向いたと言った。八百屋が、
「礼を言うのはこちらの方だ、あなた様の神社に参拝するまでは金を賭ける度に巻き上げられてきたが、今やこの通り大金持ちだ、もし他にもしてほしいことがあったらなんでも言ってもらいたい」
 と言うと、老人は気まずそうに、
「実はお主が博打で勝てたのは私の力ではなく全てお主の強運によるところなのだ、にも関わらず社を建て直してもらいなんともいたたまれずこうして出向いてきた、何の利益も与えず頼みごとをするのは心苦しいのだが、時々でいい、社に握り飯と酒を供えてはもらえないだろうか」
 と言ってきたという。それを聞いて八百屋は神でありながら人に頼みごとをするのにわざわざ出向いてくるなど見上げた心意気だということで、度々握り飯や野菜を山のように供えたり、一斗樽を開けたりしたそうだ。ちなみにその八百屋は今も続いている。

posted by ペン牛 at 12:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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