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ペン牛
ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年10月18日

二百九十三話 お題:冠動脈(心臓壁に冠状に分布する動脈の主幹) 縛り:青(三原色の一つで、晴れた空のような色)、野禽(野生の鳥)、オルゴール(小曲を自動的に演奏する装置を小箱などに組み込んだもの)、画素(テレビ、パソコンのディスプレー、デジタルカメラなどの画面を構成する最小単位)

 親戚の女性の話である。

彼女のご主人は主に野禽を撮影する写真家だったのだが、先日撮影の際に動物に襲われて亡くなったという。
「カメラを新しくしたばっかりだったんです。画素がどうとかセンサーの大きさがどうとか、言ってることはよくわかりませんでしたけど、これでもっといい写真が撮れるって、主人はすごく嬉しそうでした」
 ご主人はどんな動物に襲われたんですか、と私が聞くと、
「わからないんです。主人は護身用に銃を持っていたんですが、それでも殺せなかったみたいで。ただ、普通の動物でないことだけははっきりしています」
 普通の動物ではないとどうしてわかるんですか、と聞くと、
「主人は心臓をくり抜かれていたんです。心臓はその場に残されていて、しかも冠動脈だけが綺麗に剥がされていたらしくて。それと主人の死体についていた動物の血の色が、鮮やかな青だったそうです」
 私がご心痛お察しします、と言うと、彼女は、
「これ、主人が結婚記念日に買ってくれたんです。主人からの最後のプレゼントなんです」
 と言って古めかしいオルゴールを鳴らした。


posted by ペン牛 at 21:45 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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