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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年10月12日

二百八十七話 お題:区別(あるものと他のものとが違っていると判断して分けること) 縛り:提げる(物を手・肩・腰などで支えて下に垂らす)、弾劾(犯罪や不正をはっきりさせて、責任をとるように求めること)、銘銘(一人一人)、燐光(黄燐が空気中で酸化して発する青白い光)

 女友達の話である。

彼女は旧家に嫁いだのだが、嫁ぎ先での扱いに困惑しているのだという。
「ひどい扱いをされるのも覚悟してたんだけど、実際は完全なお客様扱いでね。かえって落ち着かないのよ」
 元々厳しくない家なのではないか、と私が言うと、
「それが違うのよ。主人にはすっごく厳しいの。一度主人と喧嘩してそのことをお義母さんに話したら、主人を叱るためだけにわざわざ親戚を集めて一席設けてくれたのよ」
 彼女のご主人はその場に集まった銘銘から叱られるというより弾劾されたそうで、それ以降すっかり大人しくなってしまったという。
「ある時我慢できなくなって、お義母さんにどうしてこんなによくしてくださるんですかって直接聞いたの。そしたら」
 あなたは我が家にとってとても大事な血を持っていますから――義母はそう答えたそうだ。
「一体どういう意味ですかって聞いたら、これを首から提げてみなさいって言われて紐のついたランタンみたいなのを渡されたの。首から提げることになんの意味があるのかはわからなかったけど、とりあえず言われた通りにしたのよ」
 彼女がランタンのようなものを首から提げると、途端にそれは燐光のような光を放ち始めたという。
「お義母さん曰く、ランタンみたいなのを首から提げた時にそれが光る人の血を取り入れないと家が衰退するとかで、だから私の扱いは身内とは違うらしいんだけど……やっぱり納得が行かないんだよね」
 結婚して以来義理の両親に常に悩まされている私からすれば、彼女の悩みは首を絞めてやりたくなるほど羨ましい。

posted by ペン牛 at 20:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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