2016年09月11日
二百五十六話 お題:押し葉(植物を紙などに挟み、押しをかけて乾かしたもの) 縛り:なし
大学のサークルの後輩から聞いた話である。
「昨日、積みっぱなしの漫画読んじまおうと思ったんですけど、最初の一冊がなんか買った時より厚い気がしたんですよね」
表紙をめくってみるとイトスギの葉の押し葉が貼りつけられた栞が挟まっていたという。
「最初の栞は貼りつけられたイトスギの葉の数が十三だったんですよ。それでページめくると葉の数が十二の栞が挟まってて、次は十一、その次は十ってどんどん減っていくんです」
一体なんのカウントダウンなのだろう、と私が言うと、
「調べたらイトスギの花言葉って死なんですよね、おまけに葉の数も十三から始まってるし……先輩、俺まだ葉の数が一の栞が挟まってたページめくれてないんですけど、今度一緒にめくってくれませんか?」
私が、じゃあ明日一緒にめくるか、と言うと彼は実に嫌そうに、
「……マジっすか」
と言った。
「昨日、積みっぱなしの漫画読んじまおうと思ったんですけど、最初の一冊がなんか買った時より厚い気がしたんですよね」
表紙をめくってみるとイトスギの葉の押し葉が貼りつけられた栞が挟まっていたという。
「最初の栞は貼りつけられたイトスギの葉の数が十三だったんですよ。それでページめくると葉の数が十二の栞が挟まってて、次は十一、その次は十ってどんどん減っていくんです」
一体なんのカウントダウンなのだろう、と私が言うと、
「調べたらイトスギの花言葉って死なんですよね、おまけに葉の数も十三から始まってるし……先輩、俺まだ葉の数が一の栞が挟まってたページめくれてないんですけど、今度一緒にめくってくれませんか?」
私が、じゃあ明日一緒にめくるか、と言うと彼は実に嫌そうに、
「……マジっすか」
と言った。
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