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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年07月08日

百九十一話 お題:基地(行動の基点となる場所) 縛り:蒸し焼き(材料を容器などに密閉し、間接的に熱を加えて焼くこと)、花霞(満開の桜の花が、遠目には霞がかかったように白く見えること)、踵(足の裏の後部、足首の下にあたる部分)

 専門学校の同級生から聞いた話である。

「俺、山が嫌いなんだよ。高校生の時に山でひどいもん見ちまったからさ」
 一体何を見たんだ、と私が聞くと彼は話し始めた。
「その時俺は幼馴染と一緒に、幼馴染の飼ってる犬を探してたんだよ。犬小屋に繋いでおいたリードがいつの間にか切れてたらしくてさ。とりあえず散歩コースに沿って探したんだけど見つからなくて、次はどこを探そうってなった時に、幼馴染がもしかしたら秘密基地にいるかもしれないって言い出したんだ」
 秘密基地というのは以前彼が幼馴染と一緒に家の近所の山に作ったもので、幼馴染の犬を連れていったことが何度かあった。彼はすぐに幼馴染と秘密基地に向かったという。
「秘密基地って言っておきながらやたら見晴らしのいい場所に作ったんだよ。そのおかげで春には遠くの方の花霞とかもよく見えてさ。俺と幼馴染のお気に入りの場所だったんだ。お気に入りの場所だったのに」
 秘密基地に着くと、そこには先客がいた。山歩きの服装をした男性で、何かの動物の肉を食べているところだった。
「ここで何してるんですかって聞いたら、そいつ、今朝捕まえた犬を蒸し焼きにして、焼き上がったから食べてるんだ、って言ったんだ」
 男性の足元には幼馴染の犬がつけていた首輪が落ちていた。
「俺が見てる前で、幼馴染はそいつを殴り飛ばして、踵で顔をグチャグチャにつぶしたんだよ。俺はずっとその様子を見てた。ぼーっと、ただ見てたんだ」
 その後彼の幼馴染は逮捕され、男性には重度の障害が残ったという。
「……見たいなぁ、もう一度。秘密基地からの景色を」
 彼がその景色を見ることはきっと生涯ないのだろう、と私は思った。

posted by ペン牛 at 11:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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