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ペン牛
ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年05月25日

百四十七話 お題:ライター(点火する器具) 縛り:オープンカー(屋根のない自動車)

 私の兄が体験した話である。

兄は車好きで、特に日差しが照りつける中オープンカーで走るのが大好きなのだという。
「その日はもうとにかく暑くって、走るには絶好の日和だったんだ。それで朝からずーっと車走らせてたんだけど夕方になったら雲が出てきて、夕立が来そうな感じになったんだよ。そしたら急に煙草が吸いたくてたまらなくなってさ。降ってくる前に一本吸っちまうかと思って煙草に火をつけたら」
 上の方からすっ、と葉巻を持った手が下りてきたという。思わず兄が見上げると、上空の雲から途方もなく長い人の腕が兄のところまで伸びていた。直後、その腕に気を取られていた兄は目の前に迫っていたカーブを曲がりきれずガードレールに衝突し、入院する羽目になった。
「できれば幻覚だと思いたいけど、もしそうじゃなかったらと思うとぞっとするよ。ただあの葉巻がなぁ、火をつけてもいないのに滅茶苦茶いい香りだったんだよなぁ。畜生、吸ってみたいなぁ」
 とりあえず馬鹿なこと言ってないで禁煙しろ、と叱っておいた。

posted by ペン牛 at 10:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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