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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年01月07日

八話 お題:セーフティーネット(危機に対して安全を保障するもの) 縛り:木部(特定の植物の根の近くの木のような部分)、カットバック(映画やテレビで場面を交互に転換する手法)、職責(仕事をする上での責任)、診察(医者が患者の体を調べたり質問すること)、見ず転(金次第で誰にでも身を任せる芸者のこと)

 曾祖母の住んでいた町にはいよいよ暮らしていけなくなった時にするおまじないがあって、結構な数の人がそれに頼っていたそうだ。


やり方はサンザシの木部で作った小さな杭を燃やして、その灰を頭にかけて三日間風呂に入らない、というもので、そうするとどこからともなく全身を紙子と呼ばれる紙でできた服で覆った、巨大な紙人形のような人が現れ、お金や食べ物、時には薬までくれたそうだ。ただそのおまじないには弊害があって、時折映画のカットバックのように視点が別の人のものに切り替わってしまうらしい。どんな優れた医者が診察しても仕組みは全くわからず、人体の不思議を解き明かすのは医者の職責であるにも関わらず、ここまで手も足も出ないとは全く情けないと泣き出す医者までいたそうだ。
「本当にあれは色んな人がやってたよ、托鉢をしてるお坊さんから乞食から店を追い出された見ず転までねえ」
 ひいばあちゃんはやらなかったの、と私が聞くと、
「やらないよぉ、お前、助けてくれる見返りがわからんもんを絶対に信用しちゃああかんよ」
 曾祖母の言葉に、私はなるほどなぁ、と納得した。


posted by ペン牛 at 10:18 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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