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ペン牛といいます。子供の頃から怖い話が好きで、ブログを始めたいけどネタがない、と悩んでいたところ辞書からランダムに選んだ言葉を使って怖い話を書けないかと思いつき、やってみたら案外できることが判明、気がついたらブログを開設していた。こんなですが、どうぞよろしくお願いします。なお当ブログはリンクフリーです。リンクしてもらえるとすごく喜びます。にほんブログ村アクセスランキング、人気ブログランキング、アルファポリスに参加中です。 


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2016年03月23日

八十四話 お題:錆(空気や湿気などの作用で金属の表面に生じる酸化物や炭酸塩などの被膜) 縛り:支払う(代金や料金を払い渡す)、病没(病気で死ぬこと)、台所(家の中で食物の調理や炊事をする場所)

 病没した母の話である。


母のところには毎月奇妙なものが訪ねてきた。母はそれのことを錆太さんと呼んでいた。錆太さんの見た目はあえて例えるなら錆で真っ茶色になったオズの魔法使いのブリキの木こりで、初めて見た時は腰を抜かして立てなくなってしまい母に笑われたことを覚えている。錆太さんは見た目は異様だったが悪いものではなく、訪ねてきた時は玄関で何も言わずじっとしているだけだった。母の方は錆太さんが訪ねてくるのを楽しみにしているようなところがあって、来そうな日には台所にお金を用意しておき、錆太さんが来ると、
「いつもありがとうございます。少ないですが」
 と言って用意しておいたお金を笑顔で渡していた。私が母にどうして錆太さんにお金をあげるの、と聞くと、母は、
「錆太さん、錆を持っていってくれるのよ。物干しとか自転車とかすっかり錆がなくなって綺麗になったからね。それに錆太さんが来てくれると体の調子もいいから、きっと体の中の悪いものも持っていってくれてるのかもしれないね」
 と言った。私はいくら家から錆がなくなるとはいえ、あんな奇妙なものにわざわざお金を支払う必要があるのだろうかと思っていたのだが、結局そのことは言えないまま母は亡くなってしまった。百歳を超える大往生で、亡くなる時も眠るようだった。母が亡くなってから錆太さんは来なくなったが、もし錆太さんのおかげで母が長く生きられたのだとしたら、苦しまないで逝くことができたのだとしたら、一度だけでもありがとうと言っておくべきだったと後悔することがある。

posted by ペン牛 at 13:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 怖い話
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