アメリカ退役軍人省の健康科学専門家であるスアンマイ・T・グエン氏は、2023年7月にボストンで開催されたアメリカ栄養学会の会合で、40歳までにある「健康習慣」を身につけていた男性は、それらをまったく実践していなかった男性に比べて平均24年間長生きすることがわかったとの研究結果を発表している。
健康習慣の効果は女性でも確認されており、女性の場合は平均21年間寿命が長くなるとのことだ。
健康的な生活習慣の効果は始めるのが若ければ若いほど、実践するものが多ければ多いほど際立って目につくが、始めるのが遅かったり数が少なかったりしても依然として効果的だったという。
研究により寿命を延ばすことが確認された健康習慣とは、具体的には以下だ。
・身体をよく動かすこと
・禁煙
・ストレスの解消
・健康的な食事
・暴飲暴食をしないこと
・睡眠衛生を良好に保つこと
・前向きな社会関係を持つこと
健康的な生活習慣とは逆に「身体活動の低下」「喫煙」は健康に大きな悪影響を及ぼしており、これらの要因は研究期間中の死亡リスクの約30〜45%の上昇と関連しているようだ。
また、「ストレス」「不健康な食事」「暴飲暴食」「劣悪な睡眠衛生」は死亡リスクの約20%の増加となり、「前向きな社会的関係の欠如」は死亡リスクの約5%の上昇に関係があるいう。
専門家らはこの研究結果を、「早期の死亡や障害の原因となる慢性疾患にはライフスタイルの要因が関与している」ことを裏付けるものだと評価している一方、この研究は観察研究であるため、生活習慣と寿命との因果関係を完全に証明したわけではない点に留意する必要があるとグエン氏は指摘。
さらに、「慢性疾患の症状ではなく、その根本的な原因を治療することを目指す生活習慣医学により、薬の処方や外科的手術の影響で医療費が増大し続ける流れが変わる可能性があります」「健康習慣を始めるのは早ければ早いほど有利ですが、50代や60代でも効果があるので、健康的なライフスタイルを取り入れるのに遅すぎるということはありません」と述べている。
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