オーストラリアのアデレード大学で動物・獣医科学部の准教授を務めるスーザン・ヘイゼル氏が、オランダに住む猫の飼い主1800人を対象にした研究調査では、飼い主の半数は猫を「家族」だと答え、3人に1人は猫を「子ども」や「親友」だと見なしていることが報告された。
また、「家族の絆」を測定したアメリカの研究では、猫は犬と同程度に家族の一員だと思われていることがわかっている。
逆に、「猫は飼い主のことを気にしていない」とかんがえる人もいるようだが、実際のところ猫は飼い主に強い愛着を抱いており、食べ物やおもちゃよりも人との交流を好み、飼い主の言葉をその他の人間の言葉と聞き分けているなど、飼い主によくなつくことが判明している。
猫などのペットを飼うことは社会的孤立の少なさと関連しており、猫を飼うことで楽しみや目的意識が増すという人は多いだろう。
したがって、猫との関係が共依存的であったり、愛情を持っていたりする飼い主は、猫に対してより高い感情的つながりを持っていることがわかる。
また、現在猫を飼っている、あるいは過去に猫を飼っていたことがある人は、脳卒中や心臓病などの心血管疾患で死亡するリスクが低くなることが、複数の研究で繰り返し確認されているが、これらの研究はあくまで関連性について示したものであり、「猫を飼うと心血管疾患で死亡するリスクが低くなる」という因果関係については不明とのことだ。
さらに、猫を飼うことは心理的な幸福感を高めることにも関連しているようで、うつ病の人は猫と軽く触れ合うことで症状が改善されたという報告もあるようなのだ。
デメリットとしては、猫を飼うことには責任が伴うため、日々の食事代などや猫の健康状態が悪化すると飼い主の経済的な負担がより増えてしまう。
ヘイゼル氏によると、猫が運ぶ人獣共通感染症としてよく知られているのが、猫の体内に生息するトキソプラズマという寄生虫が引き起こすトキソプラズマ症で、トキソプラズマ症は軽度のインフルエンザに似た症状をもたらし、特に妊娠中の妊婦が感染すると流産や死産につながったり、新生児に失明や発作などの問題をもたらしたりするリスクがあるとされている。
トキソプラズマ症のリスクが最も高いのは妊婦や免疫力が低い人であり、これらの人々が猫を飼う場合はトイレ用トレーの猫砂が空にならないように注意し、必要に応じて手袋を装着して処理することを推奨している。
毎日猫のトイレ用トレーを交換することで、トキソプラズマが人への感染性を持つ前に排除できるとのことだ。
トキソプラズマは野生動物を食べる野良猫で最もリスクが高く、外出せず生肉を食べない飼い猫からの感染リスクはそれほど高くないというので、その辺は安心できる。
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