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プロフィール

グレンゴールド
東京・町田市でピアノ修理・販売会社「流通ピアノセンター」の社長です。
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2008年09月26日
プロの目から見た現在のピアノ業界
初めてブログなるものに挑戦!
東京・町田市でピアノ修理・販売をしているものです。
現在のピアノ産業は世界中が悲惨な状態です
なにしろピアノを造るには大量の良質な木材が必要であるのにバブル時代に
カナダ、アラスカ、ルーマニアの貴重な森林を大量伐採してしまい、木材の高騰により
良いピアノが造れない深刻な状況。



ピアノに限らずヴァイオリン・高価なギター等のスプルース。三味線等の黒檀・紫檀が極めて少なく、中にはワシントン条約で輸出入が禁じられているものもあり、木の楽器
の製造メーカーは不振にあえいでいます。

世界一のピアノオーストリアのベーゼン・ドルファーが倒産。

次はどこ?倒産を防ぐには廉価版を中国生産し、自社デザインブランドとして販売し、利益をあげなければならないヨーロッパ・アメリカ、日本の大企業。

言いたくはないけど、なりふり構わぬピアノを愛することより利益が先という企業体系になってしまうのでしょうか。


'70〜'80年代のベビーブームと高度成長期の日本。
誰しもがブルジョアを夢みてわが子にピアノをと並んでまで購入した時代。竹の子のようにピアノメーカーが乱立し、あらゆるメーカーのピアノが大量に売れたのです。

しかしながら、その多数のメーカーで名器といわれる
のはごく僅か。今では買取もできないし、処分費を払って処分するしかない現状。

竹の子のように乱立したメーカーはバブルと共に崩壊。現在はヤマハ、カワイと数社のみ。

世界のピアノメーカーも倒産、吸収合併が加速度を増しています。

現在ピアノ生産NO.1は中国です。
欧米も東南アジアも日本も中国でのOEM生産が主流になってきました。

新たなブランド名がつけられて流通していますが、殆ど我々が知らないブランドです。

そこには新たな問題が発生するのです。消費者に誤解を与えるケースが非常に増えているのです。
◎中国品だとは説明せず販売する原産地表示義務違反。自信をもって販売できるのなら、原産地を表示するのは当たり前でしょう。なぜ隠すのでしょう?

ネットでも他の広告媒体でも原産地を表示せず、やたらドイツ製のパーツを使用しているだとか有名な設計者の設計だとか、いかにも素晴らしいものであるという表示が非常に多いです。

これは。消費者を混乱させるばかりです。購入したピアノがネットで検索しても出てこない、カタログも無い・・だんだん不安になる。ピアノ買取業者に買取依頼しても値段が付かない。

そこで最近、日本で販売されていて原産国が分からないという方に情報提供します。
(決してそのピアノの良し悪しを言ってるのではありません。)

◎韓国SAMICK(サミック)社とSAMICK社傘下の中国Yong Chang(ユン・チャン)社の韓国・中国・インドネシアで生産されているブランド。


Kohler & Campbell(クーラー&キャンベル)
Conover Cable(カノーバーケイブル)
Remington(レミントン)
J.P.Pramberger(プレンバーガー)
J.Pramberger(ブレンバーガー)
Wm.Knabe(クナーベ)
Raphael(ラファエル)
Hazelton Bros(Disc.)(ハゼルトン・ブラザァーズ)自動演奏

Made by;Samick Musical Instrument Mfg.Co.Ltd,Incheon,South Korea and Bogor,West Java,Indonesia


BROADMANN(ブロードマン)3ヵ所のライン
・Mede in China (Yichang)
・Mede in Vienna (European Premium Pianos)
・Mede in Germany (Wilh.Steinberg Pianos)

中国DONGBEI(ドンベイ)社のブランド
・Nordiska(ノルディスカ)
・Everett(エベレット)
・Story & Clark(ストーリー&クラーク)
・Hallet Davis (ハレット・デービス)
他多くのブランド名あり

Dongbei Piano Company,Ltd,Yingkou,Liaoning Province,China

PERZINA,GEBR 中国(ペルツイーナ)
・Piano made by:Yantai-Perzina Piano Manufacturing Co,Ltd,Yantai,Shandong Province.China
Do not confuse Gerh.Steinberg with Wilh.Steinberg,a German piano brand.



SEJUNG(セジュン)社 中国
・Falcone(ファルコン)
・Hobart M
・Cable.Geo


Made by;Sejung Corporation,Qingdao,Shandong Province,China



プロが使用する名器のピアノ・メーカーにも暗雲が・・






誰もが知っているスタインウエイ(ハンブルグ)とベーゼンドルファー
この両雄のうち、とうとうベーゼンドルファー倒産したのは悲しい現実です。
両社とも音質・響き(ダイナミック・レンジ)・音の伸びが優れ、
ピアニストの要求に応えてくれるピアノであることは周知の事実。
この2社に追随するほどのメーカーは無く、格差があります。



ベヒシュタイン・ブリュートナー・最近日本にも進出してきたイタリアのFAZIOLI等のメーカーはその独自の特徴を持ってはいますが、先の2大メーカーとは差があります。特にFAZIORIは新しいメーカーであり、評論を拝見すると、
音色が明るすぎる、低音の粘りが無い。伝統がなくスタインウエイの真似が多い。年月と共にどう変化するかが判らない。

スタインウエイクリスタル・トーン、シンギング・ミーントーンのとおり、クリアな音色と幅広いダイナミック・レンジを持つブランドです。

スタインウエイ・ビンテージ は1台1台が強い個性を持ち、弾き続けていくうちに、さらに味わいが深まって来ると評価されています。

スタインウエイの張弦力は他社より小さいのに、次高音〜高音域はブリリアントであり、よく伸びる。
それはフレーム(鉄骨)の鳴り%S骨が発音しているという他社では真似ができないものだからです。

ニューヨーク・スタインウエイはハンブルグより柔らかく、力いっぱい打鍵しても決して音が割れない。

さらにビンテージではまろやかさと透明感がある。音の立ち上がりが良いし、キャンキャン、ガンガンという耳障りなアタック騒音が発生しません。



ところが現在のハンブルグの新品には、テヌートペダルを踏み込む際にシュワン、という耳障りな雑音を発するものが多いです。
おそらくダンパーフェルトの硬さか大きさに問題があると思われます。

この雑音を除去することは不可能であると松尾商会のスタッフは異口同音に話しておられました。不満に思うピアニストも多く早急な対応が望まれます。

優れたピアノほど整調、整音、調律に敏感に反応する、という技術者の課題優れた技能を持つ人が少ない。という現実があります。

しかし、松尾商会という老舗の技術者が治せないと言っているような状況であるなら、スタインウエイ社はハンブルグ製の雑音がするものだけを日本に輸出しているのではないかと猜疑されてしまいます。

かつては値引きは一切しなかった老舗が現在は他社に負けまいと必死で値引き合戦をしている状況。生き残りを掛けて各社が必死になっています。



2001年以来、韓国のユンチャン社からスタインウエイに供給されていたESSEXのニューモデルがスタインウエイ社とGuangzhou Pearl River(中国)との共同開発によって誕生し、2006年よりBoston のチャンネルで流通し、スタインウエイの権威はもはや地に落ちたかとまでも、その商業主義に異論を唱える方も多いでありましょう。

それはC.BECHSTEIN」やGROTRIANでも同じで廉価版の製造販売をして生き残りに賭けてまったく品質を考慮していないと言わざるを得ません。

ピアノの誕生から年月が経ち、その総生産台数が伸びるにつれ、良質な木材資源の枯渇や技能者の不足、 製造にかけられる時間(コスト)の制約など、あらゆるピアノメーカーに重くのしかかる諸々の悪条件は深刻の度を増し続けて行き、1905年にピークの40万台を記録したアメリカのピアノ産業は1927年にはその生産台数を半減させるまでに落ち込みました。Steinwayも例外ではありません。量産のため、販売台数伸び悩みの中でのコスト削減のためになされた様々な努力は肝心の製品の品質そのものに影を落したと考えるしかないでしょう。

名器のメーカーのファミリー・ビジネスは終わり、それは
品質重視の終りでありましょう。利益最優先とピアノ造りは相反してしまって、スタインウエイ他歴史的使命は既に尽きてしまい、今後ビンテージより優れる名器が生まれる可能性を願い、
現在の優れた技術者が経験スピリッツを継承していってもらいたいものです。

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