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2022年08月29日
【小説】落日/湊かなえ/途中からネタバレあり
こんにちは!
本日は久しぶりに小説回です。
湊かなえさんの「落日」を紹介します。
学生の頃から湊かなえさんの小説が好きで、有名な作品はわりと読んできました。
最近はあまり読んでいませんでしたが、今年久しぶりに読んだので紹介します
★あらすじ
駆け出しの脚本家の甲斐真尋(かい まひろ)と、著名な映画監督の長谷部香(はせべ かおり)、2人の視点で展開されるミステリー。
香は幼少期住んでいたアパートで、たびたび母親からベランダに出されており、その時に防火壁ごしに隣の部屋の女の子もベランダに出されていることに気が付いた。
香と女の子はお互いの顔は見えず、声も出さずに指で防火壁を叩き合うなどの方法で交流をし、香にとって楽しい時間となった。
香は父親が自殺したことをきっかけにそのアパートから引っ越すことになり、引っ越したあともその女の子のことを気にかけていたが、数年後、その子は両親もろとも兄に殺されたことを知る。
事件の真相を調べようとした香は、脚本家の真尋が自分と同じ出身地だと知り、一緒に事件のこと調べ、映画を作らないかと声をかける。
★ネタバレなし感想
久しぶりにこの著者の作品を読みましたが、安定の面白さでした。この人の作品は、毎回どこか仄暗い部分がありますが(殺人事件起きてるし当然なんだけど)惹きこまれるものがあります。
ミステリーと聞くと、
1.事件が起きる。
2.探偵や警察(作品によっては違う職業の人も)が事件を調べ、犯人を見つける。
3.解決
という図式がよく見られますが、そういった図式からは離れていて、もっと複雑です。
この「落日」に関して言えば、女の子を殺したのはその兄、という「犯人」は既にわかっていて、これ以上何を調べるの?と思われそうなところを更に深追いしていきます。
その中で、主人公の真尋や香の心情の変化や成長があり、辛いことをどう乗り越えていくかといったことも考えさせられる作品でした。
終盤、事件の真相がわかります。
「どんでん返し」
これもミステリーを紹介するときによく使われる言葉ですが、たしかに、この作品にもどんでん返しが起こります。
真相がわかって「はい、終わり」ではなく、そこからどうしていくかにも注目です。
ストーリー上悲しい内容が多いですが、希望がある終わり方になっていて、読後感も良かったです!
★以下、ネタバレあり感想
真尋の姉の千穂。たびたび出てきて、と言っても真尋が千穂に宛てたメールの文面のみの登場で、一体何者で、どういう役割の人なのかと思ってた。
結論、千穂はかなりのキーパーソンだったね。
もう亡くなっているというだけでも驚いたけれど、さらに千穂の好きだった相手が「犯人」の力輝斗(以下、リキト)だったことにも驚いた。
しかも沙良が殺される原因でもある。(というか沙良の自業自得感よ)
リキトは本当は悪い人ではなく、「かわいそうな少女」だと思われていた、被害者である沙良のほうが問題ありすぎたね。結果的にリキトは沙良を殺してしまったけれど、十分同情できてしまうな……。
また、本筋以外では、真尋の千穂への、香の父親への思いに救いがあったのが良かった。
真尋は千穂の死をようやく受け入れることができたし、香は父親の死因が自殺じゃないとわかったからね。
いきなり前向きに生きていくことはできないかもしれないけど、それでも2人の時間が進んだんじゃないかな。
というわけでこの作品を手に取れて良かった!
湊かなえさんの本はほかにも
・夜行観覧車
・Nのために
・贖罪
・告白
・白ゆき姫殺人事件
・リバース
・往復書簡
など読んだかな?ここに書いてないのもあるかも。
こうしてみると、この人の作品ほとんど映像化されてる!?
Nのためにはドラマの記憶がまだあって、すごくエモかったの覚えてる。
ただ映像化あるあるで、ちょいちょい設定変わってるとこは気になったけど。
落日もいずれ映像化するのかな?
まだ読んでいない作品も読んでいきたいなー。
本日は久しぶりに小説回です。
湊かなえさんの「落日」を紹介します。
学生の頃から湊かなえさんの小説が好きで、有名な作品はわりと読んできました。
最近はあまり読んでいませんでしたが、今年久しぶりに読んだので紹介します
★あらすじ
駆け出しの脚本家の甲斐真尋(かい まひろ)と、著名な映画監督の長谷部香(はせべ かおり)、2人の視点で展開されるミステリー。
香は幼少期住んでいたアパートで、たびたび母親からベランダに出されており、その時に防火壁ごしに隣の部屋の女の子もベランダに出されていることに気が付いた。
香と女の子はお互いの顔は見えず、声も出さずに指で防火壁を叩き合うなどの方法で交流をし、香にとって楽しい時間となった。
香は父親が自殺したことをきっかけにそのアパートから引っ越すことになり、引っ越したあともその女の子のことを気にかけていたが、数年後、その子は両親もろとも兄に殺されたことを知る。
事件の真相を調べようとした香は、脚本家の真尋が自分と同じ出身地だと知り、一緒に事件のこと調べ、映画を作らないかと声をかける。
★ネタバレなし感想
久しぶりにこの著者の作品を読みましたが、安定の面白さでした。この人の作品は、毎回どこか仄暗い部分がありますが(殺人事件起きてるし当然なんだけど)惹きこまれるものがあります。
ミステリーと聞くと、
1.事件が起きる。
2.探偵や警察(作品によっては違う職業の人も)が事件を調べ、犯人を見つける。
3.解決
という図式がよく見られますが、そういった図式からは離れていて、もっと複雑です。
この「落日」に関して言えば、女の子を殺したのはその兄、という「犯人」は既にわかっていて、これ以上何を調べるの?と思われそうなところを更に深追いしていきます。
その中で、主人公の真尋や香の心情の変化や成長があり、辛いことをどう乗り越えていくかといったことも考えさせられる作品でした。
終盤、事件の真相がわかります。
「どんでん返し」
これもミステリーを紹介するときによく使われる言葉ですが、たしかに、この作品にもどんでん返しが起こります。
真相がわかって「はい、終わり」ではなく、そこからどうしていくかにも注目です。
ストーリー上悲しい内容が多いですが、希望がある終わり方になっていて、読後感も良かったです!
★以下、ネタバレあり感想
真尋の姉の千穂。たびたび出てきて、と言っても真尋が千穂に宛てたメールの文面のみの登場で、一体何者で、どういう役割の人なのかと思ってた。
結論、千穂はかなりのキーパーソンだったね。
もう亡くなっているというだけでも驚いたけれど、さらに千穂の好きだった相手が「犯人」の力輝斗(以下、リキト)だったことにも驚いた。
しかも沙良が殺される原因でもある。(というか沙良の自業自得感よ)
リキトは本当は悪い人ではなく、「かわいそうな少女」だと思われていた、被害者である沙良のほうが問題ありすぎたね。結果的にリキトは沙良を殺してしまったけれど、十分同情できてしまうな……。
また、本筋以外では、真尋の千穂への、香の父親への思いに救いがあったのが良かった。
真尋は千穂の死をようやく受け入れることができたし、香は父親の死因が自殺じゃないとわかったからね。
いきなり前向きに生きていくことはできないかもしれないけど、それでも2人の時間が進んだんじゃないかな。
というわけでこの作品を手に取れて良かった!
湊かなえさんの本はほかにも
・夜行観覧車
・Nのために
・贖罪
・告白
・白ゆき姫殺人事件
・リバース
・往復書簡
など読んだかな?ここに書いてないのもあるかも。
こうしてみると、この人の作品ほとんど映像化されてる!?
Nのためにはドラマの記憶がまだあって、すごくエモかったの覚えてる。
ただ映像化あるあるで、ちょいちょい設定変わってるとこは気になったけど。
落日もいずれ映像化するのかな?
まだ読んでいない作品も読んでいきたいなー。
2022年08月22日
来世ではちゃんとします/いつまちゃん/9巻のネタバレあり
こんにちは!
本日は、過去に8巻まで紹介した「来世ではちゃんとします」の最新刊、9巻の感想を書きます。
こちら7/19に発売され、ダウンロード後即読みました
ネタバレなし編はこちらから↓
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/47/0?1661048450
8巻までのネタバレあり編はこちらから↓
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/48/0?1661048450
-----------------------
出典:「来世ではちゃんとします」コミックス9巻より
-----------------------
★以下、ネタバレあり感想
いや〜もう今回も濃かった!
もう、頼むからみんな幸せになって……!
いつになったらみんな幸せになるの!?
内容が濃すぎるので、今回起こった出来事をメインの5人を1人ずつまとめてみる。
桃ちゃん…両親の離婚以来会っていなかった父親と再会し、やっと父親への負の気持ちを払拭することができた。その帰りに、偶然にも元セ〇レであるB君と再会。B君は、葬儀のため、長らく帰っていなかった故郷へ帰る途中だった。なんとB君の地元は土地全体である宗教を信仰しており、それが嫌で家を出たため、帰るのがとても憂鬱とのことだった。桃ちゃんは最初は断るも、B君を不憫に思い、葬儀に付き合うことになる。
梅ちゃん…梅ちゃんのお見合い話。出会った男性と梅は、ディズニー(文字られていたけどおそらくディズニーのことだと思う)映画の話題で盛り上がり、仲良くなる。梅ちゃんは当然恋愛には興味がないが、その男性とは友達になろうということでその日は解散する。
檜山…8巻から心ちゃんはメンタルが病んでしまい、お店を長期間休むことになった。心配になった檜山は無言で送金。少し回復した心ちゃんから返信が来て、大変喜ぶ。
林…梢ちゃんがいなくなり、傷心気味。そんな中、梢を探しに来た女性・百合に不本意ながら世話を焼く羽目になる。凪、怒る。
松田…林が世話を焼かされている女性が姉だということに気がつき、姉から逃げるため自転車に乗っていた矢先、元セ〇レである亜子ちゃんとばったり出会う。成り行きで匿ってもらうことに。
で、9巻は桃ちゃんが、葬儀の一環である、山をダッシュするという謎イベントに参加させられたところで終了。
桃ちゃーん!!このあとどうなっちゃうの!?ちゃんと帰ってくるよね?
梅ちゃんも急展開だったなぁ。
梅ちゃんがお見合いの途中でマスクを外した場面で、相手の男性に綺麗だと褒められ、ゾッとする描写。
お見合いとか関係なく、普通は綺麗だと言われたら嬉しくなりそうなものの、正反対の感情を抱いてしまうところに本当に桃ちゃんは恋愛が無理なんだな……と実感した。
もし結婚したら高杉梅から縄文杉梅という名前になる、というくだり、クスッとなったけど、実際に結婚できるんだろうか。
梅ちゃんは結婚するとしたら、彼は同居する友達、パートナーという意味合いになるんだろうけど、彼は今まで恋愛の機会に恵まれなかっただけで本当は興味がありそうな感じだったから、今は友達でもいずれは梅ちゃんのこと好きになっちゃいそうだよねぇ。
そうなったらすぐ関係終了になりそうだけど大丈夫なのかな?
それか、梅ちゃんの方が初めて恋愛感情というものを知る展開になったら面白いな。
檜山は、まじで、心ちゃんから離れたほうが幸せになれるのでは!?
漫画家として成功し始めて、広いところに引っ越して生活が良くなってる。
仕事は順調なのに、檜山の心(ややこしい)における心ちゃんの存在感よ!
檜山からの送金に対して、心ちゃんはラインをため息つきながら「いやいや」返信しているのに、返信が来ただけで職場で声に出して喜んじゃうなんて辛すぎ。
いや、読者は心ちゃんの様子を見てるから辛いだけで、檜山はそんなことを知る由もないから純粋に喜んでるのか。
檜山が幸せなら、と思うけど、そんなのはマヤカシの幸せなんだよー気づいてよー。
でも心ちゃんも憎めない存在なんだよね。心ちゃんも幸せになってほしい。
林には一言。凪にしとけ。以上。
松田はねぇ……お姉さんへの闇は想像以上に深そう。しかし、桃ちゃんはB君、松田は亜子ちゃんっていうそれぞれ元セ〇レと再会してしまうなんてどういう因果なの?
これがきっかけでこじれたりしないよね?そんなのは嫌だな。
あとは以前の巻からほのめかされてたけど、亜子ちゃん(とD君の姉・聖羅)の働く会社でインターンシップ生として来たのはやっぱりF君だった!
そこまでは「だよねー」って感じだったんだけど、驚いたのは、F君が桃ちゃんのスマホにGPSアプリを仕込み、桃ちゃんの家を特定していたこと。何してるの〜〜!?
下手したら(というか確実に)ストーカー案件だぞ。まぁもうしてないみたいだけどね。ちょっと意外だった。
でも、過去の巻で桃ちゃんがF君に別れを告げるシーンがあったとき、そのときのF君の反応が見れなくて、あのあとどうなってたか気になってたから知れてすっきりした!
というわけで9巻の感想でした。超濃厚ビターチョコレートケーキ食べた気持ち。
10巻も濃いんだろうな。今から楽しみ。
本日は、過去に8巻まで紹介した「来世ではちゃんとします」の最新刊、9巻の感想を書きます。
こちら7/19に発売され、ダウンロード後即読みました
ネタバレなし編はこちらから↓
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/47/0?1661048450
8巻までのネタバレあり編はこちらから↓
https://fanblogs.jp/ringocandyyy1/archive/48/0?1661048450
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出典:「来世ではちゃんとします」コミックス9巻より
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★以下、ネタバレあり感想
いや〜もう今回も濃かった!
もう、頼むからみんな幸せになって……!
いつになったらみんな幸せになるの!?
内容が濃すぎるので、今回起こった出来事をメインの5人を1人ずつまとめてみる。
桃ちゃん…両親の離婚以来会っていなかった父親と再会し、やっと父親への負の気持ちを払拭することができた。その帰りに、偶然にも元セ〇レであるB君と再会。B君は、葬儀のため、長らく帰っていなかった故郷へ帰る途中だった。なんとB君の地元は土地全体である宗教を信仰しており、それが嫌で家を出たため、帰るのがとても憂鬱とのことだった。桃ちゃんは最初は断るも、B君を不憫に思い、葬儀に付き合うことになる。
梅ちゃん…梅ちゃんのお見合い話。出会った男性と梅は、ディズニー(文字られていたけどおそらくディズニーのことだと思う)映画の話題で盛り上がり、仲良くなる。梅ちゃんは当然恋愛には興味がないが、その男性とは友達になろうということでその日は解散する。
檜山…8巻から心ちゃんはメンタルが病んでしまい、お店を長期間休むことになった。心配になった檜山は無言で送金。少し回復した心ちゃんから返信が来て、大変喜ぶ。
林…梢ちゃんがいなくなり、傷心気味。そんな中、梢を探しに来た女性・百合に不本意ながら世話を焼く羽目になる。凪、怒る。
松田…林が世話を焼かされている女性が姉だということに気がつき、姉から逃げるため自転車に乗っていた矢先、元セ〇レである亜子ちゃんとばったり出会う。成り行きで匿ってもらうことに。
で、9巻は桃ちゃんが、葬儀の一環である、山をダッシュするという謎イベントに参加させられたところで終了。
桃ちゃーん!!このあとどうなっちゃうの!?ちゃんと帰ってくるよね?
梅ちゃんも急展開だったなぁ。
梅ちゃんがお見合いの途中でマスクを外した場面で、相手の男性に綺麗だと褒められ、ゾッとする描写。
お見合いとか関係なく、普通は綺麗だと言われたら嬉しくなりそうなものの、正反対の感情を抱いてしまうところに本当に桃ちゃんは恋愛が無理なんだな……と実感した。
もし結婚したら高杉梅から縄文杉梅という名前になる、というくだり、クスッとなったけど、実際に結婚できるんだろうか。
梅ちゃんは結婚するとしたら、彼は同居する友達、パートナーという意味合いになるんだろうけど、彼は今まで恋愛の機会に恵まれなかっただけで本当は興味がありそうな感じだったから、今は友達でもいずれは梅ちゃんのこと好きになっちゃいそうだよねぇ。
そうなったらすぐ関係終了になりそうだけど大丈夫なのかな?
それか、梅ちゃんの方が初めて恋愛感情というものを知る展開になったら面白いな。
檜山は、まじで、心ちゃんから離れたほうが幸せになれるのでは!?
漫画家として成功し始めて、広いところに引っ越して生活が良くなってる。
仕事は順調なのに、檜山の心(ややこしい)における心ちゃんの存在感よ!
檜山からの送金に対して、心ちゃんはラインをため息つきながら「いやいや」返信しているのに、返信が来ただけで職場で声に出して喜んじゃうなんて辛すぎ。
いや、読者は心ちゃんの様子を見てるから辛いだけで、檜山はそんなことを知る由もないから純粋に喜んでるのか。
檜山が幸せなら、と思うけど、そんなのはマヤカシの幸せなんだよー気づいてよー。
でも心ちゃんも憎めない存在なんだよね。心ちゃんも幸せになってほしい。
林には一言。凪にしとけ。以上。
松田はねぇ……お姉さんへの闇は想像以上に深そう。しかし、桃ちゃんはB君、松田は亜子ちゃんっていうそれぞれ元セ〇レと再会してしまうなんてどういう因果なの?
これがきっかけでこじれたりしないよね?そんなのは嫌だな。
あとは以前の巻からほのめかされてたけど、亜子ちゃん(とD君の姉・聖羅)の働く会社でインターンシップ生として来たのはやっぱりF君だった!
そこまでは「だよねー」って感じだったんだけど、驚いたのは、F君が桃ちゃんのスマホにGPSアプリを仕込み、桃ちゃんの家を特定していたこと。何してるの〜〜!?
下手したら(というか確実に)ストーカー案件だぞ。まぁもうしてないみたいだけどね。ちょっと意外だった。
でも、過去の巻で桃ちゃんがF君に別れを告げるシーンがあったとき、そのときのF君の反応が見れなくて、あのあとどうなってたか気になってたから知れてすっきりした!
というわけで9巻の感想でした。超濃厚ビターチョコレートケーキ食べた気持ち。
10巻も濃いんだろうな。今から楽しみ。
2022年08月08日
鬼灯の冷徹/江口夏実/31巻(完結)までのネタバレあり
こんにちは!
本日はネタバレあり編です。
基本1話完結なので、あらすじは割愛しますね。
★ネタバレあり感想
好きなキャラ、作者さんについての順番で書きます。
〇好きなキャラ
・上司にしたい:鬼灯、葉鶏さん
2人とも、厳しいけれど、真面目に業務をこなして成果を出したら正当な評価をしてくれそう。
困ったときにはちゃんと相談のってくれそう。
葉鶏さんで好きなエピソードは、細かい文字で書かれた雑誌の見開き(ナマケモノのバンドの紹介)を速読してたところ。
・ビジュアル:お香さん、リリス
お香さん、イメージとしては、近所の便りになる綺麗なお姉さん。なのにしっかり鬼で、衆合地獄で働いてるし、蛇飼ってるっていうギャップも素敵。
リリスは直接関わり合いにはなりたくないけど端から見る分には楽しい。
・ペットにしたい:シロ、漢
シロは現世でも一般的なペットの代表格・犬だし、いわゆる愛されキャラだし、普通に飼いたい。
最終巻では柿助、ルリオとともに太山庁勤務に昇進が決まって良かったね。
漢は、初登場のときに「なんかやばい猫が出てきた……」っていう印象を持った記憶が。
だいぶ変わった人(猫)だけど、その独特さにヤミツキになって、次第に漢が出てくると嬉しかった。笑
女性に対して「レディ」って呼びかけるのが好き。あと、変なダンス。
・友達にしたい:桃太郎、唐瓜と茄子、ミキとマキ
桃太郎は、第一話でこそヤバイ人だったけど、その後はずっとかなりの常識人だったよね。白澤に対するツッコミ具合も好き。最後は薬の移動販売をすることになっててびっくり。
唐瓜と茄子は真面目な唐瓜と、自由な茄子のコンビ感が好き。
ミキとマキは、2人とも可愛くて、人間味もあって、アイドルとして努力してるとこが良い。
特に好きなのは上記の人(?)たちだけど、出てくるキャラみんなどこかしか好きだったな。
閻魔大王、芥子ちゃん、一子二子、などなど。
あ、檎(ゴン)は、あんまり好きではなかった(いつも借金ばかりしてだらしがないって思ってた)けど、最終巻では好感が持てた!
◯作者の江口夏実さん、すごい
この漫画はフィクションだけど、伝承とか歴史とかをきっと尋常じゃないくらい勉強されたんだなと思う。
勉強したことをもとに作ったであろう世界観の作りこみが緻密すぎる!
本当に地獄(や天国や外国の冥界)があるんじゃないかとすら思えてくる。
そしてもう1つすごいと思ったのは、この作者さんはアナログで描かれていること。
単行本の本編とは別の余白部分も読むのが楽しくて、そこで知った。
顔の描き分けや服装など細部まで描きこんであって、これ全部手書きなんだ!っておののいた。
先週、ネタバレなし編で1ページ読むのに時間がかかったと書きましたが、それがつまり、1ページ描くのもさぞ時間がかかっているのでは……と想像。まして手書きだし。
一応補足しておくと、アナログ>デジタルって思っているわけではないです。どちらも良さがあると思います。
でもこの漫画は今まで読んだ中で一番読むのに時間がかかったので、これを手書きしたっていうのがシンプルにすごいなと。
というわけで。
「鬼灯の冷徹」は、地獄っていう恐ろしいものをギャグテイストで魅せてくれた作品で、ふふっと絶妙に笑えるのがずっと続き、最終巻まですべて楽しく読むことができました。
さて、来週はお盆休み中なのでこのブログはお休みします。
次回は8/22更新予定です。良い夏期休暇を
本日はネタバレあり編です。
基本1話完結なので、あらすじは割愛しますね。
★ネタバレあり感想
好きなキャラ、作者さんについての順番で書きます。
〇好きなキャラ
・上司にしたい:鬼灯、葉鶏さん
2人とも、厳しいけれど、真面目に業務をこなして成果を出したら正当な評価をしてくれそう。
困ったときにはちゃんと相談のってくれそう。
葉鶏さんで好きなエピソードは、細かい文字で書かれた雑誌の見開き(ナマケモノのバンドの紹介)を速読してたところ。
・ビジュアル:お香さん、リリス
お香さん、イメージとしては、近所の便りになる綺麗なお姉さん。なのにしっかり鬼で、衆合地獄で働いてるし、蛇飼ってるっていうギャップも素敵。
リリスは直接関わり合いにはなりたくないけど端から見る分には楽しい。
・ペットにしたい:シロ、漢
シロは現世でも一般的なペットの代表格・犬だし、いわゆる愛されキャラだし、普通に飼いたい。
最終巻では柿助、ルリオとともに太山庁勤務に昇進が決まって良かったね。
漢は、初登場のときに「なんかやばい猫が出てきた……」っていう印象を持った記憶が。
だいぶ変わった人(猫)だけど、その独特さにヤミツキになって、次第に漢が出てくると嬉しかった。笑
女性に対して「レディ」って呼びかけるのが好き。あと、変なダンス。
・友達にしたい:桃太郎、唐瓜と茄子、ミキとマキ
桃太郎は、第一話でこそヤバイ人だったけど、その後はずっとかなりの常識人だったよね。白澤に対するツッコミ具合も好き。最後は薬の移動販売をすることになっててびっくり。
唐瓜と茄子は真面目な唐瓜と、自由な茄子のコンビ感が好き。
ミキとマキは、2人とも可愛くて、人間味もあって、アイドルとして努力してるとこが良い。
特に好きなのは上記の人(?)たちだけど、出てくるキャラみんなどこかしか好きだったな。
閻魔大王、芥子ちゃん、一子二子、などなど。
あ、檎(ゴン)は、あんまり好きではなかった(いつも借金ばかりしてだらしがないって思ってた)けど、最終巻では好感が持てた!
◯作者の江口夏実さん、すごい
この漫画はフィクションだけど、伝承とか歴史とかをきっと尋常じゃないくらい勉強されたんだなと思う。
勉強したことをもとに作ったであろう世界観の作りこみが緻密すぎる!
本当に地獄(や天国や外国の冥界)があるんじゃないかとすら思えてくる。
そしてもう1つすごいと思ったのは、この作者さんはアナログで描かれていること。
単行本の本編とは別の余白部分も読むのが楽しくて、そこで知った。
顔の描き分けや服装など細部まで描きこんであって、これ全部手書きなんだ!っておののいた。
先週、ネタバレなし編で1ページ読むのに時間がかかったと書きましたが、それがつまり、1ページ描くのもさぞ時間がかかっているのでは……と想像。まして手書きだし。
一応補足しておくと、アナログ>デジタルって思っているわけではないです。どちらも良さがあると思います。
でもこの漫画は今まで読んだ中で一番読むのに時間がかかったので、これを手書きしたっていうのがシンプルにすごいなと。
というわけで。
「鬼灯の冷徹」は、地獄っていう恐ろしいものをギャグテイストで魅せてくれた作品で、ふふっと絶妙に笑えるのがずっと続き、最終巻まですべて楽しく読むことができました。
さて、来週はお盆休み中なのでこのブログはお休みします。
次回は8/22更新予定です。良い夏期休暇を
2022年08月01日
鬼灯の冷徹/江口夏実/ネタバレなし
こんにちは!
本日は、江口夏実さんの「鬼灯の冷徹」(モーニング)を紹介します。
こちらは2011年から2020年まで連載されており、31巻で完結しています。
3年ほど前からちょこちょこレンタルし続け、ようやく最近読み終わったので紹介させてください
-----------------------
-----------------------
出典:「鬼灯の冷徹」コミックス1巻より
★あらすじ
舞台は地獄。主人公の鬼灯(ほおずき)は、閻魔(えんま)大王の第一補佐官(鬼灯曰く「官房長官みたいなもの」らしい)を務めている。
毎日仕事は忙しく、あちこちの部署から人材不足問題や財政問題などの相談を寄せられている。
第一話では、かの有名な桃太郎が登場。
天国の住民ではあるが、鬼退治をしたという過去の栄光を忘れられずに地獄に来て、鬼と戦いたいなどと発言をし、そこにやってきた鬼灯に喧嘩を売ろうとする。
桃太郎のお供である犬のシロ、猿の柿助、雉のルリオは戦いにノリ気ではないものの、鬼灯に口喧嘩を挑むがそれぞれ一蹴されてしまう。
桃太郎はついに鬼灯に剣を向けるが、金棒で即折られる。
その後、桃太郎は鬼灯に諭されて改心し、シロ、柿助、ルリオは不喜処地獄(ふきしょじごく。動物が活躍する)で働くことに、桃太郎は天国で芝刈りをすることになり、冒頭で問題となっていた人材不足も解消された。
★ネタバレなし感想
この物語を一言で言うと、「穏やかだけど笑える。それでいてちょっぴり怖い。」です。
鬼灯はほとんど表情が変わらず淡々としたしゃべり方で、そんな鬼灯のキャラクターが物語全体の雰囲気を作っているように感じられます。
一見感情の起伏が少ないように見える鬼灯ですが、ボケをかました登場人物に対してのツッコミの才能はあるし、人望もあるし、主人公として申し分ない人材だと思います。
また、鬼灯が静かな分、シロなど周りの登場人物のわちゃわちゃ具合が映えて面白いです。
魅力的な登場人物は、鬼灯やシロたち桃太郎ファミリーだけではなく、ほかにもたくさん出てきます。
例えば、鬼灯の上司である閻魔大王は、世間一般的なイメージではおどろおどろしいものがありますが、この漫画に出てくる閻魔大王はちょっと抜けてるおじさんという親しみやすいキャラクターです。
地獄以外にも、現世のポルターガイストや、外国人(EU地獄のサタン、エジプト冥界のアヌビス神・トト神など)、歴史上の登場人物(源義経、イザナギ、紫式部など)など挙げればキリがないほどの人(?)が登場します。
どれも魅力的で、読んでいて飽きません。小ネタも多くて笑えます。
ただ、舞台が地獄だということが常にベースになっていて、地獄に落ちた亡者を待ち受けるさまざまな処罰は恐ろしいし、愛らしい外見&キャラクターのシロも、仕事中は亡者をガブガブ噛んでいるギャップに驚きます。現世で悪いことはしないほうが良いですね……。
この漫画は基本1話完結(まれに2話連続同じテーマが続くこともあります)で、起承転結がきちっとしていて毎回オチが秀逸です。
第1話の桃太郎のエピソードなんかもそうですね。
ちなみに読むのに3年かかったのは、1ページあたりの書き込み量が多かったからです。
字も多いし、絵も細かくて読み応えが半端ない!
ので、1冊読むのに時間がかかりました。
時々2冊ずつレンタルしていたのですが、ある時5冊レンタルしたら、返却期限である1週間後の前日になんとかギリギリ読み終わり、読み返す時間がなく悔やまれました
というわけで少しずつ読んでいたら3年経っていました。
時間はかかってしまいましたが、大満足な作品でした。
では次回はネタバレあり編です。
本日は、江口夏実さんの「鬼灯の冷徹」(モーニング)を紹介します。
こちらは2011年から2020年まで連載されており、31巻で完結しています。
3年ほど前からちょこちょこレンタルし続け、ようやく最近読み終わったので紹介させてください
-----------------------
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出典:「鬼灯の冷徹」コミックス1巻より
★あらすじ
舞台は地獄。主人公の鬼灯(ほおずき)は、閻魔(えんま)大王の第一補佐官(鬼灯曰く「官房長官みたいなもの」らしい)を務めている。
毎日仕事は忙しく、あちこちの部署から人材不足問題や財政問題などの相談を寄せられている。
第一話では、かの有名な桃太郎が登場。
天国の住民ではあるが、鬼退治をしたという過去の栄光を忘れられずに地獄に来て、鬼と戦いたいなどと発言をし、そこにやってきた鬼灯に喧嘩を売ろうとする。
桃太郎のお供である犬のシロ、猿の柿助、雉のルリオは戦いにノリ気ではないものの、鬼灯に口喧嘩を挑むがそれぞれ一蹴されてしまう。
桃太郎はついに鬼灯に剣を向けるが、金棒で即折られる。
その後、桃太郎は鬼灯に諭されて改心し、シロ、柿助、ルリオは不喜処地獄(ふきしょじごく。動物が活躍する)で働くことに、桃太郎は天国で芝刈りをすることになり、冒頭で問題となっていた人材不足も解消された。
★ネタバレなし感想
この物語を一言で言うと、「穏やかだけど笑える。それでいてちょっぴり怖い。」です。
鬼灯はほとんど表情が変わらず淡々としたしゃべり方で、そんな鬼灯のキャラクターが物語全体の雰囲気を作っているように感じられます。
一見感情の起伏が少ないように見える鬼灯ですが、ボケをかました登場人物に対してのツッコミの才能はあるし、人望もあるし、主人公として申し分ない人材だと思います。
また、鬼灯が静かな分、シロなど周りの登場人物のわちゃわちゃ具合が映えて面白いです。
魅力的な登場人物は、鬼灯やシロたち桃太郎ファミリーだけではなく、ほかにもたくさん出てきます。
例えば、鬼灯の上司である閻魔大王は、世間一般的なイメージではおどろおどろしいものがありますが、この漫画に出てくる閻魔大王はちょっと抜けてるおじさんという親しみやすいキャラクターです。
地獄以外にも、現世のポルターガイストや、外国人(EU地獄のサタン、エジプト冥界のアヌビス神・トト神など)、歴史上の登場人物(源義経、イザナギ、紫式部など)など挙げればキリがないほどの人(?)が登場します。
どれも魅力的で、読んでいて飽きません。小ネタも多くて笑えます。
ただ、舞台が地獄だということが常にベースになっていて、地獄に落ちた亡者を待ち受けるさまざまな処罰は恐ろしいし、愛らしい外見&キャラクターのシロも、仕事中は亡者をガブガブ噛んでいるギャップに驚きます。現世で悪いことはしないほうが良いですね……。
この漫画は基本1話完結(まれに2話連続同じテーマが続くこともあります)で、起承転結がきちっとしていて毎回オチが秀逸です。
第1話の桃太郎のエピソードなんかもそうですね。
ちなみに読むのに3年かかったのは、1ページあたりの書き込み量が多かったからです。
字も多いし、絵も細かくて読み応えが半端ない!
ので、1冊読むのに時間がかかりました。
時々2冊ずつレンタルしていたのですが、ある時5冊レンタルしたら、返却期限である1週間後の前日になんとかギリギリ読み終わり、読み返す時間がなく悔やまれました
というわけで少しずつ読んでいたら3年経っていました。
時間はかかってしまいましたが、大満足な作品でした。
では次回はネタバレあり編です。