2014年09月24日
Review34. ペインリハビリテーション
この書籍は、
「 痛みに関連する、生理学的な基礎知見から、薬理学、
評価方法、リハビリに関してまとまっている書籍はないか? 」
と探していた時にみつけた書籍です。
疼痛の原因としては、
皮膚・筋骨格系、末梢神経などの損傷による、
末梢性のものから、
感覚に関連する視床などの脳領域の中枢性のものまで、
原因は様々ではないかと思います。
身体領域の臨床などを経験されている方であれば、
日々の臨床で、
「 痛み 」
に関してのニーズは高い
と感じている方もいるのではないでしょうか?
ただ実際の支援としては、
筋疲労などの筋骨格系からくる疼痛に関しては、
対応として、
ストレッチ、原因となる姿勢の回避や、姿勢などの工夫などに
よって変化は現れやすいと思いますが、
神経損傷などの末梢神経・脳神経系由来と考えられる痛みに関しては、
日々、
主観的な症状や客観的な所見と、その変化
骨画像、脊髄・脳画像所見などの情報を
照らし合わせ、思考を巡らせながら
支援をされているのではいかと思います。
一般的に慢性疼痛と言われる症状に対しては、
一時的な症状の緩和は得られても、
持続的な症状の軽減の難しさを
感じる経験をされる方もいるのではないでしょうか。
この書籍では、
痛みに関する、
・「 生理学的な発生機序 」
・ 「 疼痛の評価方法 」
・「 様々な知見のリハビリへの応用 」などのことがらについて
触れられており、
疼痛領域のリハビリテーションの現状の把握や、
疼痛に関しての基礎的な内容を体系立てて学習するのには、
役にたつ書籍ではないかと感じます。
慢性疼痛の脳内機序に関連して、
支援方法の例として
「 認知行動療法 」
などの
知見についても触れられています。
認知行動療法的なアプローチでは、
大まかなニュアンスとして、
「 痛み自体にとらわれるのではなく、
痛みを抱えながらでも、
出来ることを見つけて自己管理や出来ることをみつけていく 」
ことに関しての視点に
比重がいきやすいのではないかと思います。
実際の臨床では、
痛みを抱えながらでも、
工夫などをしながら生活をされている方も
すでに多いのではないかとも感じます。
その上で、痛みの緩和を求められる場合には、
認知行動療法的な枠組みだけでは、
対応の難しさも感じる方もいらっしゃるのかもしれません。
この書籍でも、
触れていただいていると思いますが、
疼痛のリハビリテーションに関しては、
発展途上であり、
今後の基礎研究、臨床研究などでの、
成果を応用しながら、発展することを期待したいと思います。
そして、
「 リハセラピスト 」や「 支援を受ける側 」も
納得するレベルでの
成果が得られるようになればいいと思います。
これだけの書籍の内容の
疼痛に関連する知見を
一人で、雑誌などからかいつまんで探すには、
膨大な量の紙の量になるかと思います。
執筆していただいた著者の方々の臨床経験や、
基礎知見などをもとに
この書籍をまとめていただき、
感謝したいと思います。
疼痛に関連するリハビリテーション(ペインリハビリテーション)
のあり方に関して疑問・関心をもちはじめ、
疼痛に関連するリハビリテーションに関して、
知見を深めたいと思った時に、
手に取ってみると、
何かの参考になる書籍ではないかと思います。
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